二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

ヴァルハラの乙女 第8話「変化」Ⅲ

2014-03-22 21:36:48 | 連載中SS

5人の少女と共に空を飛んでいる。
魔法力の保護があるとはいえ高度が高いためやや肌寒く、昇りたての朝日が眩しい。

時刻が約6時半と早めの時間ということもあるが、
出撃前にペリーヌと騒いで疲れたルッキーニ、朝が弱いエーリカなどは欠伸や眼を擦るなど睡魔と格闘している。

「……どう考えても妙だ」

現在坂本少佐の指揮下でネウロイに向かっており、その編成は【原作】と変わらない。
変わっている点といえば宮藤芳佳、リネット・ビショップの2人が始めから待機することになった点だ。
これは、わたしがいざと言う時には2人を出撃することを強く主張した影響である。

そこまではいい。
しかし、問題は【原作】では囮であるはずのネウロイの航路が違うことだ。
通常はロンドンを狙って来る航路をネウロイは通るのだが今回は501の基地へ真っ直ぐ向かってきている。

このネウロイが囮かもしれないとエーリカに言ったが、
考えすぎと言われたように、周囲を説得可能な材料はなく結果【原作】同様の編成で出撃した。

あるいは、もしかすると今自分が向かっているネウロイは囮ではなく、
【原作】では本命であったネウロイが始めからこっちに来ているのかもしれない。

だとすれば、見つけ次第即座に撃墜してしまえば何も問題ないが、
問題はそのネウロイは本体から分離、高速で離脱することが可能で取り逃がす危険性がある。
最大速度がどれだけ出るのか分からないが、【原作】のシーンを見ると時速800キロは出ていた気がする。

「まずいな。いや、待てよ」

となれば、それこそシャーリー位しか追いつけない。
しかし、逆に考えるとミーナ、エイラの2人だけで対応したのとは違い、
ここでは坂本少佐、ペリーヌ、シャーリー、ルッキーニ、わたし、エーリカの6人がいる。

加速する前に撃墜すれば問題ない。
そう、ここで撃墜してしまえば何も問題ない。
だから、今は今出来ることに集中しよう。

「こちら坂本少佐、間もなくネウロイと接触するはずだから、各隊員は周囲への警戒を怠らないように」

インカムから坂本少佐の指示が届くと全員周囲に視線を動かす。
誰も私語を発せず、戦場の緊張した空気がしばらく流れる。
10分ほどだろうか、先頭で魔眼で捜索していた坂本少佐が叫んだ。

「見えた!前方11時の方向、低空にネウロイだ!」

その言葉に釣られ、わたしもその方角に視線を向ける。
――――たしかにいた、【原作】では本命であったネウロイの姿が。
【原作】から隔離した事実をこの瞬間、わたしは目撃することとなった。




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