二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

ヴァルハラの乙女 第8話「変化」Ⅱ

2014-03-20 19:59:11 | 習作SS

それが、いつも戦場に行く前の緊張とはまた違うとエーリカは感じた。
直感が戦友が何かを隠している気がして、気付けばエーリカは口を開いた。

「どうしたの、そんな憂鬱そうな顔をして?」
「わかるのか?」

眼を見開きバルクホルンが少し驚いたように答える。

「もう何年一緒に過ごしているから、
 そのくらいわかるよ、それこそミーナやトゥルーデの生理の周期も分かっているし」

「そりゃどうも、最後のは余計だけど」

一体いつ知ったのだか、バルクホルンは呟く。

「でさ、トゥルーデは何に悩んでいるの?」

エーリカが問う。
その問いかけにバルクホルンはやや間を空けてから答えた。

「…ネウロイの動きが少し気になってな、」
「ネウロイの動き?確かに直接ここに来るなんて珍しいけど、気になるの?」

ネウロイは夜襲や朝駆けこそしてくるが、
意図した戦術戦略は行動は基本とらず、ごくまれに迂回する程度である。
基本は質と量に物を言わせた蹂躙戦で、ブリタニアでの戦いは大型ネウロイが散発的に襲撃する程度だ。

「まあ、な。もしかするとこのネウロイは囮でないかと考えたからさ」
「囮?ネウロイが?トゥルーデは心配性だね」

そして、今回は毎度標的にされるロンドンではなく、
ここ501の基地を目指している点は確かに珍しいが深く考えることは無い。
というのがエーリカの意見である、なぜならたかが大型ネウロイ1機ならたどり着く前に叩き落すことが可能であるからだ。

その言葉に「そうだな、」と再度バルクホルンは口にした。
エーリカは戦友は未だ納得しておらず、戦友の態度から説明できない違和感を感じ取る。
そう、まるで自分だけが未来を知っていると言いたげな態度であった。

(私も考えすぎかな?)

より正確に言えば考えすぎ、
というよりそれは妄想の類だとエーリカは思った。
確かにゲルトルート・バルクホルンは周囲とは何か違っていたが、それだけだ。

だから、これは考えすぎ。
そして問題などまったくない、それがエーリカ・ハルトマンが出した結論であった。



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