いつもより少し早起きした朝は、とても爽やかで、そしてまだ少し涼しかった。
普段は朝はなにも食べないボクだったが、 今日は珍しく、食パンを袋から1枚取りだして無造作にかじりながら、NHKを見ながら熱いブラック珈琲で喉を潤した。“珍し事も有るもんだ”・・・口には出さないものの、両親の目がそう言ってボクを見ていた。
昨夜眠ったのは午前2時過ぎで、ボクにしては寝つきが良く、寝る前にセットしておいた携帯のアラームが鳴る、10分も前にスッキリと目が覚めた事に自分でも驚いたほどだった。
寝起きがこんなにもいい朝は、ボクにはとても珍しい事だ。
普段はぼんやりと目が覚めた後、ビデオデッキに表示されている時計や、いつも枕元に置いている携帯で時間を測って、ギリギリまで布団の中で重い身体をくねらせている。そして、慌ただしく着替えて洗面台の前に立ち、なにも食べずに玄関のドアを開けるのだ。
朝の京王線の通勤電車は、新宿到着が8時前後の電車がもっとも激しく混雑する時間だ。
乗り継ぐ電車と乗り込む車両によっては、比較的身動きが取れる事もあったと思う。
近年は、新宿を経由する事が無かったり、時間帯が早かったり遅かったりしていて、その時間帯の電車に乗らなくて済んでいたのだが、久しぶりに混雑する通勤電車に乗る事になり、新ためて通勤電車の車内のマナーと言うものを考えさせられる事になった。
久しぶりの、身動きが取れず、足場の確保すら困難を極めるギュウギュウ詰めは懐かしい感覚ではあったが、そんな状態にも関わらず、新聞や漫画雑誌を必至に読んでいる人がいる。
驚くべきは携帯電話だ。四方八方を囲まれる混雑の中、着信音がけたたましく延々と鳴り響いている。音が聞こえる方に目だけを動かしてみると、ボクと同じように、チラッと目で追いかけている人もいた。音が鳴っている付近の人も数人が不機嫌そうな表情をしてはいたが、知らないふりをする人もいて誰の携帯なのかは解らなかった。
駅に着くたびに、圧迫が酷くなっていったが、それっでも肘を曲げて自分の空間を無理矢理こじ開けるように確保して、携帯電話をいじくる人もいた。
混雑が増すごとに足場の確保が難しくなっていったが、幸いボクは手すりを掴む事が出きる位置にいたので、押されて斜めになりながらも踏ん張る事が出来た。
井の頭線の乗換駅である明大前は大勢の人が降りる。車内の通路は混んではいるものの、扉付近は大きな空間が出来て、外の空気が入り込んで少しホッとする。その降りる人の中には、驚いた事に、足下に鞄を挟んで置いていた人が何人かいた事をボクは見逃さなかった。
だが、これはまだ可愛いものだったかもしれない。
久しぶりに、地下鉄丸の内線の新宿駅ホームの階段を下りると、思わず絶句するような光景が目に入った。この時間帯は約2分毎に電車が発着しているのだが、東京方面行きの電車はドアが閉まらなくて、駅員が総出で走り回って押し込んでいて、次の電車を待つ列と、その次の電車を待つ列で、ホームは溢れんばかりだった。それでも続々とホームに人が詰めかけ、新宿に到着した大混雑の電車からも、他線に乗り換える人が階段に押し寄せる。
地下鉄丸の内線は、京王線など比ではない程の混雑ぶりで、足場もなければ、隣の人が肩から下げている鞄が、背中や太股を突き刺すようで、過呼吸になるかと思った程だった。
これでは胸で抱えてはいられないだろうが、膝下に絡みつく鞄は勘弁して欲しかった。
ジェルで固めた髪の奥や、額や首筋から汗がこぼれた。これも懐かしい感覚だった。
それをハンカチで拭えたのは、銀座線に乗り換える為に降りた赤坂見附だった。
普段は朝はなにも食べないボクだったが、 今日は珍しく、食パンを袋から1枚取りだして無造作にかじりながら、NHKを見ながら熱いブラック珈琲で喉を潤した。“珍し事も有るもんだ”・・・口には出さないものの、両親の目がそう言ってボクを見ていた。
昨夜眠ったのは午前2時過ぎで、ボクにしては寝つきが良く、寝る前にセットしておいた携帯のアラームが鳴る、10分も前にスッキリと目が覚めた事に自分でも驚いたほどだった。
寝起きがこんなにもいい朝は、ボクにはとても珍しい事だ。
普段はぼんやりと目が覚めた後、ビデオデッキに表示されている時計や、いつも枕元に置いている携帯で時間を測って、ギリギリまで布団の中で重い身体をくねらせている。そして、慌ただしく着替えて洗面台の前に立ち、なにも食べずに玄関のドアを開けるのだ。
朝の京王線の通勤電車は、新宿到着が8時前後の電車がもっとも激しく混雑する時間だ。
乗り継ぐ電車と乗り込む車両によっては、比較的身動きが取れる事もあったと思う。
近年は、新宿を経由する事が無かったり、時間帯が早かったり遅かったりしていて、その時間帯の電車に乗らなくて済んでいたのだが、久しぶりに混雑する通勤電車に乗る事になり、新ためて通勤電車の車内のマナーと言うものを考えさせられる事になった。
久しぶりの、身動きが取れず、足場の確保すら困難を極めるギュウギュウ詰めは懐かしい感覚ではあったが、そんな状態にも関わらず、新聞や漫画雑誌を必至に読んでいる人がいる。
驚くべきは携帯電話だ。四方八方を囲まれる混雑の中、着信音がけたたましく延々と鳴り響いている。音が聞こえる方に目だけを動かしてみると、ボクと同じように、チラッと目で追いかけている人もいた。音が鳴っている付近の人も数人が不機嫌そうな表情をしてはいたが、知らないふりをする人もいて誰の携帯なのかは解らなかった。
駅に着くたびに、圧迫が酷くなっていったが、それっでも肘を曲げて自分の空間を無理矢理こじ開けるように確保して、携帯電話をいじくる人もいた。
混雑が増すごとに足場の確保が難しくなっていったが、幸いボクは手すりを掴む事が出きる位置にいたので、押されて斜めになりながらも踏ん張る事が出来た。
井の頭線の乗換駅である明大前は大勢の人が降りる。車内の通路は混んではいるものの、扉付近は大きな空間が出来て、外の空気が入り込んで少しホッとする。その降りる人の中には、驚いた事に、足下に鞄を挟んで置いていた人が何人かいた事をボクは見逃さなかった。
だが、これはまだ可愛いものだったかもしれない。
久しぶりに、地下鉄丸の内線の新宿駅ホームの階段を下りると、思わず絶句するような光景が目に入った。この時間帯は約2分毎に電車が発着しているのだが、東京方面行きの電車はドアが閉まらなくて、駅員が総出で走り回って押し込んでいて、次の電車を待つ列と、その次の電車を待つ列で、ホームは溢れんばかりだった。それでも続々とホームに人が詰めかけ、新宿に到着した大混雑の電車からも、他線に乗り換える人が階段に押し寄せる。
地下鉄丸の内線は、京王線など比ではない程の混雑ぶりで、足場もなければ、隣の人が肩から下げている鞄が、背中や太股を突き刺すようで、過呼吸になるかと思った程だった。
これでは胸で抱えてはいられないだろうが、膝下に絡みつく鞄は勘弁して欲しかった。
ジェルで固めた髪の奥や、額や首筋から汗がこぼれた。これも懐かしい感覚だった。
それをハンカチで拭えたのは、銀座線に乗り換える為に降りた赤坂見附だった。
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