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15年前に見た映画「ブラス」。今回再放送で見た「クアイアボーイズ」。イギリスって良いよね。

2012-07-14 13:45:16 | 読書・映画・テレビ
NHKのドキュメント番組「クアイア ボーイズ」を見た。
2008年放送の再放送である。
前はしっかり見れなかったので数年ぶりの感激である。
ただ、今回も第1回は見逃してしまった。

スポーツと学業の名門校として有名な、
イギリスの男子校ランカスター校にロンドン交響楽団合唱団の
指揮者として活躍してきた、ギャレス・マローンが乗り込んだ。

「合唱なんてかっこ悪い」「女のすること」

合唱なんかに全く興味を持たない少年たちを教えることになった。
マローン先生は、「合唱を通して生涯忘れられない経験をさせたい」
とあの手この手でアプローチ。全校生徒の前で自ら歌ってみせたり、
脈のありそうな生徒に個人レッスンをしたり、
ラップグループを組む少年たちに声をかけたり・・・。

イギリスは伝統的に合唱が盛んな文化をもっていたが、
近年は10代の少年たちの合唱離れが進み、
地域の教会では聖歌隊のメンバーをそろえるのも大変なのだそうだ。

少年たちの抵抗に遭いながらも彼らの才能を見いだしていく姿と、
声を合わせて歌う楽しさに目覚めていく少年たちの素直さが
とてもすがすがしい作品だ。
やがて、数ヶ月後にロイヤル・アルバート・ホールで行われる、
イギリス最大の若者の音楽イベントへの出場を目指して、
マローン先生と少年たちの挑戦がはじまる。



僕はイギリスの文化や風景がとても好きなのだが、
アメリカや他のヨーロッパとは違う
イギリス特有の保守的な伝統に現代の若者気質が混じる学園の風景は
とても興味深く、魅力的なものだった。

このマローン先生が実に魅力的で、
こういうタイプのインテリは日本でも、灘高、東大、京大コースの
あまり必死で勉強せずに入れた、秀才タイプにいるような感じだ。

何よりもこういう練習や、レベルアップに、
日本ではつきものの軍隊式罵倒や、叱咤。
さながらサーカスの猛獣を訓練するがごとく、
棒で大きな音を出したり、怒鳴ったり。
僕の大嫌いな風景がまったく出てこない。

アルバート・ホールの審査員も含めて
この学校の教諭たちのレベルの高さに、あこがれてしまう。
それは生徒も先生も、この会話の中の一つ一つに大人の思考を見るし、
個人を尊重しながら素直に自己表現し、
お互いの人格を尊敬しあっているのを感じる。

僕は残念ながら大切な時期にろくな教師に巡り会わなかったので
つくづくうらやましく思ってしまう。

そして、何よりも素晴らしいのは
この各年代、11歳から14歳の年齢が集まっているのにもかかわらず
日本ではありがちな、上級生下級生、先輩後輩の垣根が、
一切感じられなく、そんな問題がありがちなことを忘れていた。
こんなことがいつになれば日本の学校ではなくなるのか。

そんな奴隷のような事が、各年代で社会で
美徳の一環として、当たり前に押し付け受け入れている。

日本では永久に無くならない慣習なのだろう。

連続4回の放送で久しぶりに楽しめた。