一時、大物俳優を次々に使い
「これでもか!」というほど流れていたコマーシャルも
最近では許せる程度にまで減っているような気がしないでもありません。
売り上げの30%はCM費とされているこの業界の中でも
このE社の比率は50%を超えているだろうとの囁きを聞いたことがあります。
2年前に潰れはしたものの投資会社に買われて今は韓国企業に売却された
この会社の主力商品“飲むヒアルロン酸”と謳っている「皇潤」は
薬ではなく健康食品なのですからホームページでは
“飲む”ではなく“召し上がる”と表現されていることに最近気づきました。
どちらにしろ、化学的には食品つまり食べ物は2、3時間かけて胃でかゆ状になり
言い方を変えたら胃酸がタンパク質の鎖をぶっちぎり、次に小腸に送られ
さらに分解されたタンパク質は腸の壁を通り抜ける時はアミノ酸になっているのだそうです。
糖尿病などの治療のインスリンは
経口(飲み薬)ではなく注射での直接投与になるのもこの理屈に因っていて
消化吸収の際、単なるアミノ酸にされてしまうからとのこと…。
確かに私が受けている膝痛の治療もヒアルロン酸の局部注射だけであって
飲み薬はただの1度も処方されたことはありません。
「腸壁を通過する以上、肉や魚やインスリンと同様、アミノ酸として吸収される」が
経口による効果を疑問視する方々の言い分ですが、医者からは往々にして
例えば「カルシウム不足なので牛乳や小魚を食べなさい」的なことは
よく聞きますので、粒になった食品でもその成分が多く含まれているのであれば
毎日それを召し上がれば効果がないとは言えないのでは
そしてそれがそもそも健康食品の役目のはずでは、と素人的には思えるのです。
もっとも、分解&吸収されたアミノ酸がその後、筋肉や脂肪になるのと同様に
いかにもねばねばした滑りやすそうな粘液のヒアルロン酸に再構築される
科学的な実証結果は今のところ存在しないのだそうです。
他方では「病は気から」とか「信じる者は救われる」とか言われているのですから
「歳をとっても痛くならない」または「痛い個所が直るに違いない」と信じて
また食品なのですから即効性は期待せずに、経済的に余裕のある方は1カ月当たり
1箱(60粒入り・1日2粒・)6300円、最近では主力が
プレミアム1箱(180粒入り・1日6粒)12600円になっているこの高額な食品を
これから生きている間、ずっと召し上がり続ければよいことです。
ヒアルロン酸を多く含み、薬用の主な原料と言われる
「鶏の鶏冠(とさか)」よりはずっと食べ易いでしょうし…。
ただし、「調子が良いような気がする」程度の効果でしたら
20年間では定価で計算すると300万円超もの金額になるわけで
もっと美味しいものを食べながら、最近のニュースで流れた軟骨再生技術などの
急速に実用化している最新治療を受けるための蓄えにしていた方が得策というものです。
なお、正座さえままならなくなった私の変形性膝関節症による膝痛の治療は6年間
3カ月に1度の両膝への局部注射、1回当たり1800円(年間7200円)ほどの負担で
冬のスキーとそれ以外の季節のソフトバレーでの週4日以上の激しい動きと
膝を曲げることの多い野良仕事にもシッカリ耐えてくれていて
もちろん正座も出来るようになっています。
整形外科の担当医I 先生からは「歳は戻らない」ので
痛いのが嫌ならこの注射治療を一生続けることになるでしょうと告げられています。
当然ながら、I 先生はこの錠剤状の食品の効果を一切、否定しています。