Pochiのブチブチジャーニー

文字通り、Pochiが個人的な感想や意見をブチブチと語る。価値のあるものではないよ。

「大本営参謀の情報戦記」

2005-07-09 06:05:22 | Weblog
 堀 栄三「大本営参謀の情報戦記」を再読。この本や三野正洋氏の「日本軍の小失敗の研究」等を読むと、当時の日本軍がいかに非効率で非合理で精神性を重視した軍隊であったかがよくわかる。なにしろ、ニューギニア・ソロモン諸島では正確な地図がなくガリ版刷りの素図をもとに戦争をしていたのだという。こんなことでは勝てっこない。
 それよりも、一番気にかかったのは旧軍の思想が現在の自衛隊、いや政府に残っているのではないかということ。戦略的な思想がないのではないかということだ。目先を重視するあまりにオカシナことになっていないかということだ。というのは、この本の中にも昭和41年に北海道の視察から戻った統幕議長が「遊撃戦をやろう」と提案したというのだ。問題なのはそれに対して部下たちが「結構でございます」といったというのだ。筆者はそんな空気に耐えられなくて辞職したというが、自衛隊に限らずこの手のことはよくあることだ。
 pochiの経験でもよくある。こういうときに反論すると、「あいつはうるさいやつだ」と思われるのも事実である。pochiが出版社に勤めていたとき、毎週月曜日に打ち合わせと企画会議があったが、こうした小さな中でも提案に反対するものは極めて少ない。では、賛成かというとそうでもない。まことに不思議な雰囲気が出来上がってしまうのだ。「空気を読め」というのは、この雰囲気の意味を悟れということなのだ。
 「オレの眼を見ろ、なんにも言うな」という歌の文句の通りである。しかし、眼を見たってわかるわけがない。こうした一因には幼いときから、人前での説得や説明という訓練をつんでいないから反対ということをそれこそ大仰に考えてしまうのではないか。
 アメリカの幼稚園では、園児が自宅から何か持ってきてそれがなんであるかを説明し、質問に答えるという。こうした訓練が後で役に立つし、反対は人格の否定ではないという思考が身につくのだと思うpochiである。