大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

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支援学級も通常学級も

2009年03月03日 | ノンジャンル
 保育所から小学校への引き継ぎとアフターケアに関わる懇談を終えて思った。最後にぽぽろの青木所長が自らの小学校・養護学級時代の体験を踏まえていったことばがそれである。
 「「支援学級が責任を持ちます」と言って安心される親御さんもいらっしゃいます。逆に不安になられる方もいらっしゃいます。「支援学級任せになりはしないだろうか?通常学級での教育はちゃんとしてもらえるのだろうか」と。」だから、「「支援学級も責任を持って通常学級と協力して支援を行います」という風に安心していただく、実際にも在籍の枠を越えて「通常学級も責任を持って支援学級と共同して支援をします」と言い切ることが特別支援教育時代の常識です。」と。
 「が」と「も」で大違いである。特に「軽度」発達障害の子どもの場合には、家族が障がいを受け入れることができていない=「支援学級」を受け入れることができていない中で慎重で柔軟な対応が求められる。

 今回のケースは4才で診断を受け、比較的「早期発見・早期療育」が行われ、ぽぽろとしても5歳児から支援をさせていただいたケースである。入学に当たっては、校長先生自らが親や園のねがいを受け止めていただき、入学式前に担任との顔合わせや教室やトイレ、入学式の行われる体育館などの見学・下見をあらかじめさせていただくなど事前の配慮を行っていただいた。
 今回も「出席は支援学級の担任を中心に」ということだったが、上記の「も」の立場で校長、教頭、通常学級担任も参加していただいた。
 このような受け入れの配慮や対応をしていただいてとても心強く、ありがたかった。また、夏には青木所長を招いていていただき全教職員で研修会もしていただいた。
 しかし、校内でそれが日常的に機能し(例えば校内委員会)学校ぐるみのとりくみにならなければ「任せ」になりかねない。また、学期途中からであれ「も」の立場で柔軟に対応していただかないと子どもが宙ぶらりんの状態になりかねない。両親が2度も学校を訪問されて直接ねがいを伝えなければならなかったが、結果的には柔軟な対応をしていただいたことで事態は前進した。
 少し支援学級と通常学級との間でギクシャクがあったように感じたが、今では支援学級の支えもいただき、宙ぶらりんの状態や学校への行きしぶりもなく学校生活を楽しめているようだ。もっと迅速に、もっと柔軟に解決できるようになることが特別支援教育が前進するカギでもあるように感じた。
 それにしても、特別支援にふさわしく柔軟な対応を保障するだけの人員配置がない。通常学級にも特別な支援を必要とする子どもはたくさんおり、現場は多忙である。貴重な時間をさいていただき校長以下7人も参加していただき本当にありがたかった。
 この子は学童保育にも通っている。行きしぶりなどもっともしんどい時期に学童保育が居場所になって受け止めてくれたことも大きな支えとなった。この点はいくら強調してもしすぎることはない。