大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

新企画お知らせ

2009年03月04日 | ノンジャンル
 本日はぽぽろのスタッフ・事務局会議でした。課題も議題も多くて午前10時から始めて終わったのが午後1時半。
 来年度は地域子育て相談支援事業と施設実践支援事業の契約申込みが多くて、どのようにスタッフを派遣・配置するのか大変です。私も来年は「派遣社員」になって出稼ぎをしなければならない状況です。新しいスタッフの方は今のところ2名です。このブログを読まれてスタッフに加わっていただける方はいらっしゃいませんか?

 さて、来年度からの新しい企画を簡単に紹介します。

 ① 親子療育教室をとりあえず月1回第3土曜日の午後3時~4時半まで新しく行います。保育所などで療育を受けていらっしゃらない方、お父さんが(に)子どもとの積極的な関わりを求めていらっしゃる方、親子で楽しく遊びたい方などおおよそ2才~小学2年生程度までの方を対象に実施します。内容は「なかよしあそび」です。

 また、木曜日に私が担当していた「親子療育教室」を第1、第3金曜日の午後2時半~4時まで行います。内容は「みたて・つもりあそび」です。木曜日の親子療育教室はなくします

 ② 学童保育も変更があります。木曜日の放課後の学童保育(午後4時~6時の日中一時支援事業)については、利用がほとんどないため、なくす方向で検討しています。

 また、第1土曜日の町田先生がリーダーの「音楽あそび教室」はなくなります。但し、土曜学童(午前10時~午後3時の日中一時支援事業)はスタッフが楽しい日課を組んで引き続き実施します。
 第2土曜日はぽぽろのスタッフの守山さん(昨年支援学校を退職され、現在は音楽学校で学びながらスタッフをしていただいています)の新「音楽あそび教室」が始まります。これまでも夏休みなどに楽しい企画をたくさんしていただいています。乞うご期待!!(ご紹介は後ほど詳しく行います)

 木曜日の日中一時支援事業は長期休業中・祝日を除いて当面は行わない予定です。木曜日は事務所は開けていますが、地域支援センターへの出張相談や実践支援、学校訪問、研修などに当てさせていただきます。また、木曜日は「ヤンクラ」の日でもあります。

 ③ スタッフの都合で実施を見送ってきました「ことばの教室Ⅱ」に代わって、今年の4月からNPO滋賀大学キッズカレッジ(理事長 滋賀大学 窪島務教授)と連携し、キッズカレッジ方式による新事業「滋賀大キッズカレッジ大阪・ぽぽろ学習室」を開始します。対象者はぽぽろの教育相談を受けられた方で、「読み書き・算数」障害の指導を希望する方です。なお、指導人数(定員)には限りがありますので、ご了承ください。詳細は後日、ホームページでお知らせします。

 ④ 昨年度実施してきました「教員・福祉職員のための教室」は「ぽぽろ事例研究・報告会」とし、ぽぽろのスタッフの実践や相談活動などの事例をもとにした内容のものを報告する予定です。保護者の方、特にお父さん対象の勉強会があってもいいというご希望もありましたので、希望されるテーマや要望などがありましたら3月21日(土)のぽぽろを育てる会・親の会(午前10時~12時、会場はぽぽろ隣室コープつるみ集会室)で出してください。

 今の時点でご報告できる変更点などは以上の通りです。

 なお、「みんなで学ぶおおさかかの障害者・家族連続講座―子育て講座―」2008年度のまとめと2009年度の実行委員会を3月10日(火)午前10時半~12時頃までぽぽろで行います。今年度は南河内地域と北河内地域、吹田地域でぽぽろ主催の講座を地域の親御さんたちと実行委員会をつくって実施しました。また、岸和田・高石・泉南地域につきましてはいずみ野福祉会さんの企画に協力しました。「私の地域でも是非ともぽぽろの講座をいっしょにやりましょう」と思っていただける方は遠慮なくご参加ください。8年目を迎える地域もあり、少なからず地域の子育て支援の輪を広げ、地域の教育を良くしていく力になっていると思います。


自立シンモフお知らせ

2009年03月04日 | ノンジャンル
 今日の午前中は営業活動で来年度の「施設実践支援事業」の契約に関わる打ち合わせに出向きました。
 複数の利用者の方の相談支援をきっかけに、必要性を感じていただき、来年度から施設へスタッフが出向いて実践場面に加わり一緒に共同研究するということになりました。

 以下、少し理屈っぽくなるところもありますが今日思ったことを一緒に考えてみてください。

 今、福祉施設の人材確保はきわめて深刻な事態に至っています。自立支援法が施設の経営に困難をもたらし、人件費の削減と職員の非常勤化を生み出し、専門性の継続と確保が難しくなってきています。また、利用者・家族の中にも職員への不安や不信感も生じたりしているようです。現に、今日訪問した施設も新人の方や非常勤の方も多く、「実践支援事業」の活用で個人としても集団としても実践力量を高めたいという切実なねがいが伺えました。
 また、自立支援法の就労移行支援事業などに見られる成果主義の導入によって、工賃や事業報酬など益々目に見える成果を求めて、知らず知らずの内に仲間を追い立てる支援に追い込みかねない状況になってきています。「軽度」の知的障害や発達障害の方々への支援が一般就労を意識して成果を追求するあまりに、一人ひとりの悩みや発達へのねがいを受け止め仲間と一緒に成長し合うことを大切にしてきた「共同作業所」のよさが薄められてきています。そうならないためにも実践を見直し、もう一度発達保障の立場に立った実践を次代の担い手とともに作り上げていきたいという願いも込められています。

 就労移行支援事業の利用者の中には、一般就労に「失敗」した方々が少なからずいらっしゃいます。就労が定着しない問題の背景には就労の土台でもある生活や余暇を豊かに楽しむ力の貧しさや「失敗」による自己肯定感の喪失などが指摘されています。一般就労をめざして職業教育一辺唐フカリキュラムで追い立てる高等教育の見直しや「再教育」の必要性が言われています。福祉にもゆとりがなくなる中で、「共同作業所」も「再教育」を含みこんだ就労移行支援を保障する機能をなくしてきているのでしょうか?

 「きょうされん」が提起した「障害のある人の就労・日中活動系のイメージ図」は「一般就労・自営」←→「地域就労センター(社会支援雇用)」←→「デイアクティビティセンター」という三つの形態をイメージしています。その丁度真ん中にある「社会支援雇用」(保護雇用)は注目するところですが、その中には先ほどあげた「再教育」や「生涯学習」といった機能が中に含まれているのでしょうか?それとも、「社会支援雇用」の枠外に有機的な結びつきを持った「教育」(「再教育」など)の新しい制度がつくられていくことになるのだろうか?この問題は、一般的にも就労が定着しない傾向がありますが、障がいのある方の場合にはいっそう就労が定着しないという背景を考えれば、とても大きな課題になるのではないかと思っています。

 「就労100%をめざす」という「たまがわタイプの高等支援学校」の中身をよくしていく上でも大切な視点だと思います。

 ぽぽろのヤンボラの中には一般就労に「失敗」して作業所を利用されるようになった方もいます。私たちの目からは「一般就労」できる技術は一定程度持っていらっしゃっても、自分に対する自信・肯定感を失っていたり、対人関係に弱さがあったり、生活が依存的であったりしているように思えるので、支援もそこに配慮したとりくみとなる。例えば作業所でつくった製品を自分で販売した経験がなければ労働への誇りや意欲も生まれない。そこで、ブログにも書きましたが、ぽぽろの行事(成人の集い&ライブ)を活用して製品の値段を知ったり、宣伝用ャXターをつくったり、衆目の前で製品をアピールしたり、販売コーナーを設けて自分で販売したりする経験をしてもらいます。
 ところが、作業所は彼が自分でャXターを書いたことや、成人へのお祝いのことばの中で自分の製品の宣伝をしたことや、作業所の年間売上額=約10万円の10分の
一を彼が販売したことなどを知ったり、話題になったりしたのは少しあとになってからでした。私たちは作業所で彼が自慢して報告する姿、同僚や職員と肩を叩き合って喜ぶ姿を思い描いていましたが、かなりのギャップ=温度差があったようです。私たちも大きな成長へのチャンスを生かすことができなかったことは非常に残念です。
 実践支援事業ではこうした悩みや願いを持つ仲間との出会い、話し合いの中から「就労支援」のみにこだわることなく、土台の部分(余暇だとか恋愛・結婚なども含め)を見つめ、豊かにする支援もしていけたらいいなと思っています。
 このような悩みや課題は他の作業所にも共通しており、青年期~成人期への教育や福祉の課題として問題を提起していけたらいいなと考えているところです。

 明日は月に一度のぽぽろのスタッフ会議です。来年度はこのような支援も含む「ぽぽろ事例研究会」(案)の開催を提起しています。
 また、3月15日(日)には「自立シンメv(参加費無料)も行われます。詳しくはぽぽろのホームページをご覧ください。今述べたような問題を掘り下げます。