カマルグといえば「フラミンゴ」と「野生の白馬」
スイスとの国境『レマン湖』からフランス領にはいる『ローヌ河』は
地中海を目指して南下し
アヴィニヨンを過ぎて二本に分かれて
そのうちの支流にあたる方が
アルルの直前でまた二つに分かれ
その後また
結局
四つの流れに分かれて広大な扇状地を形成する
その三角形の中の海に近い辺りが湿地帯となり
『カマルグ』地帯と呼ばれる
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国立自然公園に指定されている
そのカマルグの道路がローヌの第三支流を渡るために
面白いフェリーボートが運行しているのです
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左に見えるロープに沿って
向こう岸まで行きます
一種の「ケーブルボート」
ほとんど「とんぼ返り」の折り返し運行で
無料です
県道の一部ですから
そのカマルグ地帯で
重要な町は
『サント・マリー・ド・ラ・メール』と『エーグ・モルト』
重要な名物は
「製塩」と「フラミンゴ」と「野生の白馬」
まず
『エーグ・モルト』
を訪ねてみよう
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四方を城壁に囲まれた四角い町
この辺りは海の面しているわけではないが
複雑に地形がちぎれて入り組んだ入江が汽水湖のように
すぐ近くまで伸びている
13世紀の後半
時の王『ルイ9世』が
第七回十字軍のために新たに作らせた港であった
北部勢力である王権に従っていなかった
ロワール河下流域「アンジュー」の大伯爵家アンジュー家
は
この辺りプロヴァンス伯位も併せ持っており
国王ルイ9世は
プロヴァンス伯の領地と隣のトウールーズ伯の領地と
その両家の領地の間にあった真空地帯に
王家専用の港が欲しかった事が理由であった
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実は
ローマ教皇がアヴィニヨンに来たのも
フランス王の圧力でローマを離れるにしても
フランス王家の領土に法王庁を構えれば
ローマ教皇がフランス王家付きの司祭の地位に落とされてしまうから
国王の圧力を直接受けずに済むように
アンジュー家の領地であった
アヴィニヨンを選んだ
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四方の城壁のそれぞれに城門があるが
これが
大手門にあたる『Porte Royale ポルト・ロワイヤル(王の門) 』
これを入ると
お土産やのならぶ通りをまっすぐ進むと
中央の広場『王の広場』に出る
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広場の中央に『ルイ9世』像
その一角に
この町(600m x 1000m程)の中心の教会
『ノートル・ダム・デ・サブロン教会』
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教会内に
『サン・ルイ(聖ルイ)王』の像がある
彼は
この第七回十字軍で
トルコに滅ぼされかかっていた『ビザンチン帝国』を破滅から救い
その感謝のしるしとして
イエスが被せらた『茨の冠』をビザンツ皇帝から送られる
次の
最後となった第八回十字軍で
北アフリカに漂着してそこで客死した
キリスト教政界の東端「ビザンチン」をイスラムから守った
東方教会の勢力下にあった「茨の冠」をローマ教会(カトリック)に
取り返した
最後の十字軍で「殉教」した
と言う理由でセイント(聖人)に列せられ
聖ルイ『サン・ルイ』王と呼ばれる
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少し歩けば
すぐ城門にぶつかる小さな町
13世紀には
賑わった都市であっただろう
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通りの奥に
別の城門が見える
一応
城壁の周りは
外側も内側も一周できるとはいうものの
外側は5kmほどにもなるので車でないとしんどい
ちなみに
城壁の上も一部分歩けるようになっている
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これは
「王の門」(大手門)を入ったすぐ内側
階段が見える
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王の門と反対側の城門
(搦め手門)
この並びには
幾つか小型の門も開いている
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側面の門
この町の
王の門に向き合って右側の側面に行くと
いきなり
大製塩所が現れます
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赤いのは
海水から塩を撮った後
残った「ニガリ」の成分が酸化した結果だそうです
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季節によって
でかいクレーンがあったり
塩の山がほとんど無かったり
赤い部分が全く無かったり
そして
そのまま街を離れて街を背に北に1kmほども行くと
住宅地がなくなり
一面の畑の中に小高く盛り上げて一本の街道が始まり
そこに
不思議な門のような塔が立っている
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『塩の門』
と呼ばれていて
ここから遠く北部の宮廷まで
「租税」としての塩が運ばれていった
エーグ・モルトから西に行けば
程なく
沼地が広がり
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運が良ければ
こんなのが見えるかもしれません
この湿地帯には
ユニークなホテルが幾つかあります
いずれも
『Mas(マ)』とプロヴァンス語で呼ばれる
ちょっとした
田舎の郷士屋敷(Manoir 英語の Manor-house)
を
ホテルにしたもの
何軒かあるうちの一軒
『Mas de la Fouque(マ・ド・ラ・フウック』
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この手のホテルは
通りすがりに見つかるようなものではありません
知る人ぞ知る隠れ宿
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何棟かの家屋を巧みにつないであって
レセプションなどという場所は
ないに等しい
ロビーに当たるのが
こんな感じの大きなお部屋
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こんな場所もあったり
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こんな「ジャグジー」があったり
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高級モード・ブランド『キャシャレル」デザインの
アッパー・ツインがあったり
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ディナーは青天井で
(夏が長いです)
ちなみに
この辺りのホテルは冬場は閉まっていることが多いです
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朝食のビュッフェ
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専用のテラス付きの
シューペリア・ルーム
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普通の雰囲気のお部屋もありますし
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プレミアム・スイート
も
ございます
そこの
バスルーム
は
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こうなっております
運が良ければ
季節によって
窓の外が
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こんなことにもなりかねませんよ
ただ
野生の白馬に関しては
残念ながら見ることはできないでしょう
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そもそも
現在地球上で野生の馬がいるところは
コーカサスの一部
宮崎県の海岸の山岳地
そして
ここ「カマルグ」だけ
と
されていますが
船を出して
通常人がほとんど姿を見えない場所に行かなければ
見ることはできなくなっています
ただ
プロヴァンスの牧童が家畜化した白馬を
沼沢地で遊ばせている姿は
時々見かけます
水深は
わずかに50cmあるかないか
また
この手のホテルは
乗馬用の馬を数頭持っていて
半日単位で貸してくれて
付き添いも道案内も頼めるので
道路を通らずに
浅い水面の上を散歩したりできます
それをやれば
野生の馬に出会えるかも
Let's try !
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