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プロヴァンスを巡ろう 12 途中でちょっと気分転換 <もう一つのプロヴァンス 湿地帯カマルグを訪れよう>

2020-11-13 00:30:49 | 素晴らしき世界/フランス/ホテル
カマルグといえば「フラミンゴ」と「野生の白馬」


スイスとの国境『レマン湖』からフランス領にはいる『ローヌ河』は
地中海を目指して南下し

アヴィニヨンを過ぎて二本に分かれて
そのうちの支流にあたる方が
アルルの直前でまた二つに分かれ
その後また

結局
四つの流れに分かれて広大な扇状地を形成する

その三角形の中の海に近い辺りが湿地帯となり
『カマルグ』地帯と呼ばれる



国立自然公園に指定されている

そのカマルグの道路がローヌの第三支流を渡るために
面白いフェリーボートが運行しているのです


左に見えるロープに沿って
向こう岸まで行きます
一種の「ケーブルボート」

ほとんど「とんぼ返り」の折り返し運行で

無料です
県道の一部ですから


そのカマルグ地帯で
重要な町は
『サント・マリー・ド・ラ・メール』と『エーグ・モルト』

重要な名物は
「製塩」と「フラミンゴ」と「野生の白馬」


まず
『エーグ・モルト』
を訪ねてみよう


四方を城壁に囲まれた四角い町

この辺りは海の面しているわけではないが
複雑に地形がちぎれて入り組んだ入江が汽水湖のように
すぐ近くまで伸びている

13世紀の後半
時の王『ルイ9世』が
第七回十字軍のために新たに作らせた港であった

北部勢力である王権に従っていなかった
ロワール河下流域「アンジュー」の大伯爵家アンジュー家
この辺りプロヴァンス伯位も併せ持っており

国王ルイ9世は
プロヴァンス伯の領地と隣のトウールーズ伯の領地と
その両家の領地の間にあった真空地帯に
王家専用の港が欲しかった事が理由であった



実は
ローマ教皇がアヴィニヨンに来たのも
フランス王の圧力でローマを離れるにしても
フランス王家の領土に法王庁を構えれば
ローマ教皇がフランス王家付きの司祭の地位に落とされてしまうから
国王の圧力を直接受けずに済むように
アンジュー家の領地であった
アヴィニヨンを選んだ


四方の城壁のそれぞれに城門があるが
これが
大手門にあたる『Porte Royale ポルト・ロワイヤル(王の門) 』

これを入ると
お土産やのならぶ通りをまっすぐ進むと
中央の広場『王の広場』に出る


広場の中央に『ルイ9世』像

その一角に
この町(600m x 1000m程)の中心の教会
『ノートル・ダム・デ・サブロン教会』



教会内に
『サン・ルイ(聖ルイ)王』の像がある

彼は
この第七回十字軍で
トルコに滅ぼされかかっていた『ビザンチン帝国』を破滅から救い
その感謝のしるしとして
イエスが被せらた『茨の冠』をビザンツ皇帝から送られる

次の
最後となった第八回十字軍で
北アフリカに漂着してそこで客死した

キリスト教政界の東端「ビザンチン」をイスラムから守った
東方教会の勢力下にあった「茨の冠」をローマ教会(カトリック)に
取り返した
最後の十字軍で「殉教」した

と言う理由でセイント(聖人)に列せられ
聖ルイ『サン・ルイ』王と呼ばれる


少し歩けば
すぐ城門にぶつかる小さな町
13世紀には
賑わった都市であっただろう


通りの奥に
別の城門が見える


一応
城壁の周りは
外側も内側も一周できるとはいうものの
外側は5kmほどにもなるので車でないとしんどい
ちなみに
城壁の上も一部分歩けるようになっている


これは
「王の門」(大手門)を入ったすぐ内側
階段が見える



王の門と反対側の城門
(搦め手門)

この並びには
幾つか小型の門も開いている





側面の門


この町の
王の門に向き合って右側の側面に行くと
いきなり
大製塩所が現れます



赤いのは
海水から塩を撮った後
残った「ニガリ」の成分が酸化した結果だそうです


季節によって
でかいクレーンがあったり
塩の山がほとんど無かったり
赤い部分が全く無かったり

そして
そのまま街を離れて街を背に北に1kmほども行くと
住宅地がなくなり
一面の畑の中に小高く盛り上げて一本の街道が始まり
そこに
不思議な門のような塔が立っている


『塩の門』
と呼ばれていて
ここから遠く北部の宮廷まで
「租税」としての塩が運ばれていった


エーグ・モルトから西に行けば
程なく
沼地が広がり


運が良ければ
こんなのが見えるかもしれません


この湿地帯には
ユニークなホテルが幾つかあります

いずれも
『Mas(マ)』とプロヴァンス語で呼ばれる
ちょっとした
田舎の郷士屋敷(Manoir 英語の Manor-house)
ホテルにしたもの

何軒かあるうちの一軒
『Mas de la Fouque(マ・ド・ラ・フウック』


この手のホテルは
通りすがりに見つかるようなものではありません

知る人ぞ知る隠れ宿


何棟かの家屋を巧みにつないであって
レセプションなどという場所は
ないに等しい

ロビーに当たるのが
こんな感じの大きなお部屋


こんな場所もあったり



こんな「ジャグジー」があったり



高級モード・ブランド『キャシャレル」デザインの
アッパー・ツインがあったり



ディナーは青天井で
(夏が長いです)

ちなみに
この辺りのホテルは冬場は閉まっていることが多いです



朝食のビュッフェ




専用のテラス付きの
シューペリア・ルーム



普通の雰囲気のお部屋もありますし



プレミアム・スイート
ございます

そこの
バスルーム


こうなっております

運が良ければ
季節によって
窓の外が



こんなことにもなりかねませんよ

ただ
野生の白馬に関しては

残念ながら見ることはできないでしょう


そもそも
現在地球上で野生の馬がいるところは
コーカサスの一部
宮崎県の海岸の山岳地
そして
ここ「カマルグ」だけ
されていますが

船を出して
通常人がほとんど姿を見えない場所に行かなければ
見ることはできなくなっています

ただ
プロヴァンスの牧童が家畜化した白馬を
沼沢地で遊ばせている姿は
時々見かけます

水深は
わずかに50cmあるかないか


また
この手のホテルは
乗馬用の馬を数頭持っていて
半日単位で貸してくれて
付き添いも道案内も頼めるので
道路を通らずに
浅い水面の上を散歩したりできます

それをやれば
野生の馬に出会えるかも

Let's try !
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