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地中海の『美の島』コルシカ島 32 < アジャクシオ 2 > 島の首都を徹底解剖してみる

2021-11-03 00:25:27 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : 『シャルル・ド・ゴール広場』の4兄弟に囲まれた皇帝ナポレオン騎馬像

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残るゆえに「美の島」と呼ばれてきた



今回も「ナポレオンの奇跡」をたどりましょう
「アジャクシゥ」にはナポレオンを顕彰する像が三箇所あります
「フォッシュ広場」
「シャルル・ド・ゴール広場」
「オーステルリッツ広場(グロット・ナポレオン」
それぞれスタイルが異なるのです


Photo by ⒸGoogle Map

「アジャクシゥ」の街中に
西のやや高くなった位置から東の「旧港」にむかって一直線の空間がある
両端に二つどちらも長細い広場があって
西端の「オーステルリッツ広場(グロット・ナポレオン」)」から
東端「フォッシュ広場」まで
まっすぐ道路で繋がって抜けているのです
東端の「フォッシュ広場」のやや西側には「シャルル・ド・ゴール広場」がぶら下がる

まず『フォッシュ広場』を見てみよう


『Place Foch : Fontaine de 4 Lions avec le Statut du Premier Consul 
フォッシュ広場/4頭のライオンの噴水と第一執政像』


この広場には「執政ナポレオン・ボナパルト」の大理石像の噴水がある
『四頭のライオンの噴水』という名が付いている





この写真の彼の後ろの空間が「オーステルリッツ広場」まで一直線に抜けていて



オーステルリッツ広場の「グロット」と呼ばれる岩場に
皇帝ナポレオンの軍服姿の銅像が建っているのです


後ろ姿

「グロット・ナポレオン」の位置からは大変距離があるがこの様に見えるはず
港がすぐ近くなので



彼の頭にはカモメが頻繁にとまっている

古代ローマ共和国の末期
「カエサル」「ポンペイウス」「クラッスス」で実権を握り
さらにカエサル亡き後
「オクタビアヌス」「アントニウス」「レピドゥス」で三頭政治を行ったのち
「オクタビアヌス」が権力を掌握して共和制から皇帝制度に移行した
その三頭政治の時代になぞらえて
「ボナパルト」「カンバセレス」「ルブラン」
で革命政府に三執政政府を作った
その「第一執政ナポレオン・ボナパルト」が「共和制ローマ三頭政治」時代の執政の衣装で
この像が作られた

また
この広場では春から秋までのシーズンは毎日午前中市が立つ


『Marché principale d'Ajaccio アジャクシゥ中央市場』




海の国コルシカの海産物は種類が豊富



そして山の国コルシカの名物生ハムとドライ・ソーセージの種類は非常に多い




山に放牧されている羊と山羊の乳で作るコルシカのチーズは絶品



この「フォッシュ広場の市場」が旧来から町の日常の食品流通の要だったが
数十年前に建屋の中央公設市場も近くに作られ
さらに最近は町の中心部に近代的な2500m2ほどもある大型の中央市場が作られた
小売の業者はそちらに移動して他の場所の市場の業者と統合し
広場の青空市場は近郊農家の直販専用として残されるという

さらに
ヴァカンスのシーズンは毎日
オフシーズンは毎木曜日午後19時に
共和国革命軍(ナポレオン軍)の制服に身をまとった出演者たちによるアトラクションも
繰り広げられる









銃器大砲は空砲を放ち
観衆は耳を押さえて大騒ぎ
ある種の「衛兵交代式」のような感じになる


この「第一執政の衣装のナポレオン・ボナパルト像」は
ナポレオンの叔父「フェッシュ枢機卿」によって
1802年から03年にかけてアジャクシゥ市に寄贈された


『Cardinal Fecsh フェッシュ枢機卿』






では次に
ほど近い「シャルル・ド・ゴール広場」に移ろう


『Place Charles-De-Gaulle : Statut de Napolèon avec ses 4 Frères』

この広場は町の美観に貢献しているとは到底思えないが広さだけは十分
というかなり無粋な場所なのですが
第一執政のボナパルト像のある「フォッシュ広場」から西に伸びる
「プルミエ・コンシュル(第一執政)大通り」のつながりの
「アヴェニュー・ド・パリ(パリ大通り)」を北辺に
南の海岸通りまでの変形の四角い広場で



その広場の海岸通りに寄った辺りに「ローマ皇帝」の衣装のナポレオン騎馬像が
彼の四人の兄弟たちの像に四方を守られて立っている





「ナポレオン・ボナパルト」は8人兄弟
4人の兄弟と3人の姉妹がいた

長男が『ジョゼフ』
のちのナポリ王「ジョゼッぺ1世」 スペイン王「ホセ1世」となる


『Joséph』

ナポレオンを挟んで三男が『リュシアン』
イタリア「カニーノ公」


『Lucien』

長女を挟んで四男は『ルイ』
ホラント(オランダ)王「ローデウェィク=ナポレオン1世」 フランス「サン・ルー公爵」


『Louis』

二女三女を挟んで五男が『ジェローム』
ヴエストファーレン王「イエローメ1世」 フランス「モンフォール伯爵」


『Jérôme』

これらの兄弟に四方を守られて『皇帝ナポレオン1世』が


『Empereur Napolèon 1er』

ローマ皇帝の象徴である月桂冠をかぶり馬上豊かに威風堂々と置かれている
ちなみに古代ローマ時代には乗馬の際の「あぶみ」はなかった



花壇越しに



このすぐ左下は海岸通り
おりて右に行くとカジノがある

話はそれるがこの広場にはブーゲンビリアの花トンネルがある





この広場はコルシカがフランス全土で一番最初に
独伊枢軸独裁国の占領から解放された1943年から70周年の2013年に
コルシカ解放をドゴール将軍がロンドンから来島して祝福したことを記念して
『シャルル・ド・ゴール広場』』
と改名されコルシカ解放の記念碑が置かれた





では三番目の広場『オーステルリッツ広場』に行ってみよう

「フォッシュ広場」から西にまっすぐ伸びる一直線の道路は徐々に上り坂になってゆく
広場自体は通常は何もない長細い長方形の広場だが突き当りが小高い岩山になっていて
「グロット(洞窟)」と呼ばれ
その斜面に高いピラミッド型の造作のてっぺんに
巨大な「軍服姿のナポレオン」が居る



この斜面はこの写真で見るよりずっと高いのです
一番下の左右に
生年と没年が刻まれた「皇帝の鷲」が守りを固めている




 
今年はナポレオン没200周年

この石の斜面には
彼が生涯に戦った戦場の地名が書き記され
その次に
彼が国家にもたらした功績が各記してある



「民法の制定」
「(近代的)大学制度の確立」
「フランス銀行(中央銀行)設立」
「レジオン・ドヌール(叙勲と顕彰制度)設立」
「国家会計検査院の設立」
「ローマ法王との和解」
「国務院の設立(憲法裁判所兼国務諮問会)」

そしてここには書かれていないが最も大きな功績のひとつが
「メートル法の制定」だろう



彼の功績を記した下に「月桂冠」が彫り込まれている




最上部には名前と皇帝の鷲



石の斜面の急な階段以外に裏側からも上り下りできる
世紀の齢を重ねた大樹と



大岩の折り重なったところがあって
「グロット(洞窟)」と呼ばれる所以となっている



階段の途中で振り返ると
「オーステルリッツ広場」の全容と「フォッシュ広場」の先の港の位置まで
見通せる



彼はその光景を見下ろしている



広場自体の入り口はシッカリしたゲートがあって
その壁の一部に青銅板がはめてある



生年月日と没年月日
イニシアル『N』を囲む月桂冠というナポレオンの紋章の左右には
左側には剣や大砲
右側には民法典とその他の法規
が絵が描かれている



階段は150段くらいあるので
この斜面の急さ加減と
ナポレオンの像の巨大さがお分かりいただけるだろう









「アジャクシゥ」の項はまだ続きます
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