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プロヴァンスを巡ろう 47 <花の香り溢れる麗しき村 カーニヴァルのミモザ山車行列で名高い ボルヌ・レ・ミモザ>

2021-01-22 00:25:28 | 素晴らしき世界/フランス/プロヴァンス
『Bormes-les-Mimosas ボーム・レ・ミモザ村』


今回は海は出てこない
でも
先回の「イエール」と同じように海のすぐ後背地の丘から海岸までの町を
もう一つご紹介しよう

その名も「ミモザのボーム」

起源は海岸から始まった
紀元前7世紀頃イタリア半島からやってきた漁民たちが集落を作り
漁業と製塩と製鉄
及び
銀砂鉛造りで栄えた。

9世紀頃から散々海賊に襲撃されるようになり
後背地の高台に集落を移した


しかし
頂上に城が造られ
集落を城壁で囲んだのは13世紀になってから

頂上の城は
イエールと同じで『Fos フォス』の領主のものだった

高台のテラスは
ミモザの時期は花盛り




下を見下ろすと海まで一望できる





photo by ⒸBormeslesmimosas-tourisme


街中はご覧の通り
季節によって様々なお花が咲き乱れる















もっとも著名な教会は

『Eglise Saint-Trophyme 聖トロフィーム教会』




18世紀に難病を治す奇跡を行った『サン(聖)・トロフィーム』


もちろん
お花が終わった後の季節の旧市街も充分に素敵で情緒たっぷり

















そして
この町の名をヨーロッパ中に知らしめているのが
花祭り
『Corso Fleuri 花競争』

この祭りは
すでに100年の歴史を持ち
カーニヴァルの一環として2月に行われる

ニースのカーニヴァルの『花合戦』
マントンの『レモン祭り』
と並んで
ヨーロッパ三大花祭りとして名高い







各町内や企業団体など
18前後のグループが毎年エントリーし
前年に10月頃から
次の山車のコンセプトを考え設計を始める

ルールは単純
ミモザを基本とし
「黄色」と「オレンジ色」を中心に生花だけを使う

毎年数10トンの生花が使われる
開催日直前に花栽培農家から買い付け
前夜から当日の早朝までかかって飾り付ける






山車と山車の間には参加団体のメンバーが
ブラスバンドや民族衣装
あるいは
道化やアクロバットなどで「花」を添える
















行列がメインのコースに差し掛かると
山車から
花を一輪沿道の観衆に投げ始まる












この山車では
花がかなりなくなり始めている


もはや原型をとどめていない山車

ゴール地点に到着すると
残った飾りを分解して観衆に分け与えたり
参加者が持ち帰ったり


大騒ぎの雰囲気が伝わっていますでしょうか


ところで
この『ボーム・レ・ミモザ』の町が地中海まで繋がって
三角形の半島の南西の端に
『Cap de Brégançon ブレガンソン岬』
という小さな岬があって
さらにそこから米粒ほどの突起が
紐で繋がった石ころみたいに飛び出しています
実はそこ全体が要塞

この要塞が実になんともユニークな代物で
Google Map の航空写真で見ると
なんと「モザイク」が!

『Fort de Brégançon ブレガンソン要塞』

要塞を海から見るとまるで島



種明かしをすると


左奥の岬の先端と
細い短い陸地で繋がっているのがわかります


写真というものは撮り方ひとつで
いかようにも騙せ...エッヘン

ここは何かと申しますと
フランス共和国大統領の持ち物なんです
と言っても
大統領の私物ではありませぬ


右下から
車でも登っていけそうな道が島を巻いて通ってる

ここは
地元の領主の砦で
プロヴァンス伯爵の所有になり
大革命で革命軍のものとなり
そのまま
19世紀にフランス海軍と所有となり
三軍の総司令官である大統領が主ということで
フランス大統領府が管理しています


なので
Googleの衛星写真にすらモザイクがかかる

ここからの写真は
『大統領府』Ⓒpresidencedelafrance から拝借しました


かつての兵舎だった建物は現在「民間人」を迎える施設

実は
仏大統領は国の元首という立場で
フランス国家が所有する歴史的建造物の使用権が
あるのです
ある一定の条件のもとで

例えば
ヴェルサイユ宮の大トリアノン離宮の
『Torianon-sous-Bois 森のトリアノン』翼
パリ近郊『Château de Breteuil ブルトゥイユ城』
はそれぞれ
パリの『エリゼー宮』を離れて
気分転換に使える

「ブルトゥイユ城」は
かつてジスカール=デスタン大統領が
第一回目のサミットを行った

他にもロワール河古城地帯の
王家の城だった『Château de Chanbord シャンボール城』
その他全国に何箇所もある



ここ『ブレガンサ要塞』も
歴代大統領は任期中に一度は訪れて
3〜4日のヴァカンスを過ごし
その間にこの地方の著名人を招いてパーティをやったり
やらなかったり








海軍の所有で
大統領が休暇や内外の首脳を招いたりして使うと点では
アメリカの『キャンプ・デーヴィッド』
みたいなものですね


プロヴァンスの旅もそろそろ終わりに近づいていますが
もう少しだけ続きます
=   =   =   =   =   =   =   =   =
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