普通に暮らしていても、哀しみはそこそこ降り積もる…
なんかの映画のセリフ。
ああ、そうなのか…と、無言になってしまった。
誰も知る人のない人ごみの中を、
あっちへ押され、こっちに押されさまよったり、
そうかと思えば急に、なにもない真夜中の町に放り出されたり、
そんな気持ち。
私には、踏み潰して消そうとした哀しみがある。
それは、まだ死んでくれない。消えてくれない。
埼玉のおかーさんが、
岩手に行っているはずの息子から電話があって、
一緒に復興支援をしている友人に裏切りがあり、
岩手からもう帰ろうかと思うが金がない、…と云ってきたそうな。
で、その人の口座に3万振り込んで、「帰ってこい」と云うと、
そうもいかないと逃げる。
一体何を考えているんだろうか、母は心を痛める。
私はもうその人のことで、絶望することはないが、
一抹の不安が頭をかすめてゆく…だから嫌になるんだ。
心のなかで、悲壮な泣き声を上げる、理性。
毎日泣き続けた過去。
もう、ただ普通に会社で働いて、
家に帰ってご飯を食べ、
お風呂に入って眠る。
そんなことが、できないでいるひともいる。
会社に入れば、まずはじめに給料前倒しを計る。
そして、会社さぼってパチンコをする。
負ける。
次の給料日までに、どっかで借金する。
ずっとそんなことを繰り返してきて、家族まで失って、
やくざに脅かされて、
泣いて親に清算してもらう。
ずっと同じことの繰り返し。
学習しない。
海馬に異常があるとしか思えない。
事実までねじまげ、自分を正当化する。
反省しない。
本当に「バカは死ななきゃ治らない」と本気で思ったものだ。
いや、もういいんだ、そんなことは。
ただ、クリスマスに色々約束していたそらが傷つかなければいい。
そらを傷つけたら、もう絶対赦さない。
毎日、まじめに頑張っている娘。
心配するほど、頑張っている娘。
私はずっと手を離さずにやってきたのだ。
ご飯を食べさせない日なんかなかったと思う。
私の記憶のなかのそらはいつも笑っている。
その健気さを想うと、愛しくて涙が出る。
だから、私はもう哀しまないよ。
残酷なほどに、忘れてやる。
消えてなくなれ。
自分ひとりならなんとか生きてゆけるだろう?
…くそ!
今日は久々に心が荒れた。
ちくしょー…何故、私は泣くんだ?