PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

精神医療国家賠償請求訴訟の提起

2016年02月07日 18時41分54秒 | PSWのお仕事

一人のPSWとして、以前から考え模索してきたことですが「精神医療国賠訴訟」を具体的に提起しようとしています。

この国の長年の隔離収容政策による長期社会的入院患者の問題の責任を問い、国の精神医療施策を抜本的に改める一助になればと、今回有志と決意致しました。

このブログをご覧の皆さまにも、本訴訟にご理解とご支援ご協力をお願いしたく、記事としてアップさせて頂きます。

現在パンフレットを作成して、原告患者を更に募り、訴訟を提起する時期を探っています。

 

自分自身が精神科病院で長年勤めてきて、現場でPSWとしての姿勢(価値や倫理)を問われることはたくさんありました。

しかし、今回の訴訟では、個々の精神科病院のあり方やスタッフの姿勢を問うのではなく、国の政策そのものを俎上に載せ、裁判で問いたいと思っています。

3年前より当事者の方々や、精神医療に従事する各職種の方々、弁護士やジャーナリストら有志の方々と、毎月勉強会を繰り返し検討して参りました。

想い溢れる個性的な方も多いため、時に激しい感情的になる議論もありましたが、それぞれの立場を超えて一つの目的の下に集まってきた方々です。

ようやく原告となる元入院患者の方も出て頂いて、これから具体的な訴訟提起に向けて進めていければと考えています。

国賠を提起するという方法については異論反論もあるでしょうが、できるだけ広範な色々な立場の方々に、ご参加とご支援を頂ければと願っています。

立場は異なっても、この国の「精神医療政策を問う」「国賠を闘う」という一点で大同団結して、支援組織・弁護団を構成しようとしています。

 

国家賠償請求訴訟なので、当然、国(厚生労働省)と訴訟関係になることになります。

それぞれのお立場もあるでしょうし、サポーター(応援団)としてお名前を連ねて頂くことが難しい方もいらっしゃると思います。

それでも、呼びかけ人の一人としてパンフレットやホームページにお名前を連ねて頂ける方は、当方までご一報ください。

所属組織や職名を出さないで、個人名と立場と地域のみ「古屋龍太(PSW、東京)」というような形でも結構です。

あるいは、外に名前は出せないけれども、会には参加する、応援するという、匿名参加の形でも結構です。

長期間にわたるであろう国賠訴訟を遂行するには、それなりの資金を要します。

入会金3000円+年会費3000円で会員を募り、あとは志ある方々にカンパを募って、何とか訴訟資金を賄っていきたいと考えています。

会の趣旨や規約を、下記に貼り付けておきます(現在準備しているパンフレット第1版の一部です)。

それぞれお忙しいところ、唐突で不躾なお願いになりますが、ご参加のご検討をお願いできれば幸いです。

また、国賠訴訟の進め方や法理論の組み立て、原告として立って頂ける候補者の推薦等について、ご意見など頂ければ誠にありがたく存じます。

 

もとより、国を相手の訴訟は、負け戦(いくさ)かも知れません。

隔離収容政策といっても、時効の壁もありますし、国立療養所に強制収容されていたハンセン病とはやや様相を異にします。

様々な誹謗中傷も飛び交うでしょうし、有形無形の政治的圧力も当然あるでしょう。

それでも、ハンセン病国賠訴訟や障害者自立支援法違憲訴訟、無年金障害者問題訴訟など、先行例に学ぶことは多くあると考えています。

PSWの社会的ミッションとして、いつかは声を挙げ、取り組まねばならないと思っていました。

長期入院の末に精神科病院の中で亡くなっていかれた死者たちの声が、背中を押してくれています。

無念の想いを抱えたまま冷たくなった患者さんの亡骸の感触を、一人のPSWとして忘れたくないと思います。

同じ思いを共有して頂ける方々と、一緒に、粘り強く戦っていければと考えています。

 

このブログ「PSW研究室」でも今後、広く理解と支援を呼び掛けていきたいと思っています。

まもなくパンフレットもできますので、事務局にご一報頂ければお届けできると思います。

今後、マスコミ等にも徐々に訴え、広く国民各層にアピールしていきたいと考えています。

ここを訪れて頂いている皆さまには、意をご理解頂き、あたたかく見守って頂ければと祈っております。

今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

 

☆追伸

ホームページをご覧頂くと、2016年1月末日時点でのサポーター(応援団)の氏名が載っています。

このブログ記事の拡散を希望しております。皆さんのご周辺の方々に、ご周知をお願いできれば誠に幸いです。

 

精神医療国家賠償請求訴訟研究会

会員 古屋 龍太(PSW、東京)

 

 

この国の精神医療を変えるために

~鳥は空に 魚は水に 人は社会に~

 

精神医療国家賠償請求訴訟研究会(略称:精神国賠)

http://www.seishin-kokubai.net/

 

■精神医療国賠訴訟の会とは?

わが国の精神医療は入院医療に大きく依存しており、医療費のほとんどが私立精神科病院で使われています。入院医療の質はたびたび国際機関から批判声明が出されるほど、国際水準から見て劣悪といえます。私たちはこの現状を変えるために、国の不作為責任を司法の場で問い、精神医療を抜本的に改革する方向転換をめざしています。この会は、2013 年1月に結成され、精神医療・福祉従事者、弁護士、ジャーナリスト、大学研究者、当事者、家族で、毎月の例会・研究会を開いてきました。現在は、裁判のための法理論構成と歴史の検証に重点を置いて研究活動をしております。

 

■世界の主流は地域精神医療

たとえば、カナダのバンクーバーは、世界でも先進的な精神医療を実践している地区です。平均の入院期間が1週間から10 日で、日本のような超長期入院の方は、ほとんどいません。多剤大量療法といわれる、日本の精神医療を特徴付ける薬漬けもありません。重い精神障害をもっていても、ケアチームによる自宅への出張サービスが受けられ、ひとりひとりが地域社会のなかで生き、人生が尊重されています。イギリスやイタリアをはじめとする欧米各国も、このような地域ケアシステムが出来上がっています。すでに世界の趨勢は地域でのケアが当たり前で、医療と生活、人権の尊重がバランス良くシステム化されています。

 

■人権が尊重されない日本の精神医療

しかし、日本の現状はどうでしょうか。相変わらず、薬漬けにより当事者は苦しめられ、慢性化して閉鎖病棟に長期間閉じ込められています。病気は治っているのに、地域での支援が無いために入院を継続している社会的入院者が数万人おり、毎年2万人を超える方々が精神科病棟内で亡くなっています。退院後の生活を支えるグループホームの数も多様性も全く足りません。不当な入院継続などを審査する精神医療審査会制度もほとんど機能していません。人権の尊重には未だに遠い現状です。

 

■なぜ、変わらないのか?

閉じ込めるだけの精神医療は施設症を産み、むしろ有害であることが世界の常識です。繰り返し、国連やWHO,国際法律家委員会などからも、日本政府に批判や改善勧告が出されていますが、状況は変わりません。それは、日本の精神科病院の9割が民間であり、営利を追求せざるを得ないためです。利益確保のために、退院よりも入院患者でベッドを埋めることを選ぶ病院経営が常態化しています。この改革に、厚労省は斬り込めていません。当事者の家族にとっては、公的な支援が乏しいために病院が必要とされ、当事者にとっては利用できる地域資源が乏しいために病院に頼るしかないのが日本の現状です。この構造を抜本的に変える必要があります。

 

■国家賠償請求訴訟が必要です

この国の精神医療を抜本的に変えるために、国の不作為を追究する国家賠償請求訴訟を提起したいと考えています。

私たちのアクションに賛同して頂ける方々のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

 

■原告募集基準と条件

募集基準

①おおむね1年以上の継続した入院歴のある方(入院形態は問いません)

②日本の精神医療を良くしたいという意思のある方

募集条件

①研究会の会員になること。入会金は3000円です。年会費も3000円です。

②退院後、3年を経過していると時効という、法律上の規定を理由に敗訴する可能性があることを理解していただくこと。

※私たちは裁判を起こすにあたり、できるだけ多くの皆様のご経験を聞かせていただきたいと考えております。原告となることまでは考えられなくても、ご自身の被害経験から、この国の精神医療を変えたいというお気持ちがある方は、まずはお話をお聞かせください。同様に、ご家族の方のお話もお待ちしております。

 

■精神医療国家賠償請求訴訟研究会

ホームページ:http://www.seishin-kokubai.net/

事務局・相談面接 〒206-0801東京都稲城市大丸60-11 サンパレス1F NPO法人わくわく内

連絡先・電話:090-8818-8268 メール:higashitani1211@docomo.ne.jp

              〒399-0102長野県諏訪郡富士見町落合3762-19 FREE BIRD  精神医療国家賠償請求訴訟研究会    事務局長 東谷幸政

入会金・会費:入会金3000円 会員会費=3000円(年間) 賛助会費=2000円(年間)

振込先:ゆうちょ銀行 口座名:セイシンコクバイケン 口座番号:記号11180 普通預金 NO.36908981

ゆうちょ銀行以外からの振込

【銀行名】ゆうちょ銀行【金融機関コード】9900【店名】一一八 (読み:イチイチハチ) 【店番】118 【預金種目】普通預金 【口座番号】3690898

 

★ 

 

※画像は、箱根彫刻の森美術館にて。本文記事とは関係ありません。

昨夜から体調が思わしくなく、先ほど熱を測ったら、37.7度ありました。

しかし、決して熱に浮かされて、この記事を書いた訳ではありませんので(笑)。

関係各位のご理解とご協力を、よろしくお願い致します。



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (ゆにおん同愛会)
2016-03-07 21:40:10
はじめまして。友人から貴ブログと研究会の事を知らせてもらいました。

当方のブログにて、研究会を紹介したいのですが、貴ブログの紹介をさせていただけないでしょうか?転載ができないので、一部をコピペさせていただけると助かります。
返信する
ゆにおん同愛会さま (龍龍)
2016-03-08 11:18:41
コメントをありがとうございます。
拡散希望記事ですので、どうぞご自由にコピペして頂いて結構です。
一応、出典を示して頂けると幸いです。
カラーのパンフレットが出来上がりましたので、事務局宛にご一報頂ければお送りすることも可能です。
どうか、ご理解とご協力をお願い致します。
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ありがとうございます (ゆにおん同愛会)
2016-03-08 13:07:44
龍龍様

出典を記します。パンフレットも事務局に問い合わせてみます。ありがとうございます。

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みんなでムーブメントを起こしましょう!! (木村 潔(NPO法人スペースぴあ))
2016-03-09 13:27:12
 闇の深いこの国の精神医療の課題をしっかりと見据え、思いを同じくする者が協力し合って問題提起をし続けて行くことに、心から賛同致します。郡部でPSWの仕事をしている者として、日々悲惨な現実を目の当たりにし、心を痛めております。私もお仲間に入れて戴ければ幸いに存じます。
 千葉県内を中心に400人程の方々が加わっておられる「スペースぴあML」にて、早速拡散させて戴きます。パンフレットがございましたら、お願いできればありがたく思っております。
 困難な課題にご尽力くださっている古屋様に、心から感謝しております。今後ともご指導戴きますよう、よろしくお願い致します。
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パンフレットの配布を開始しました。 (東谷幸政)
2016-03-10 10:18:47
原告の募集を開始しました。おおむね継続して1年の精神科入院期間を持つご本人と、その家族を募集します。ハンセンの家族による国家賠償請求訴訟に続き、精神も、第2次家族訴訟を予定しております。詳しくは、募集パンフレットをご覧ください。事務局長に請求していただけば、郵送します。
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ホームページとfacebook (精神医療国賠事務局長 東谷幸政)
2016-03-10 10:26:29
精神医療国賠訴訟研究会では、ホームページとfacebookを運営しています。それをご覧になれば、資料やパンフレット、などが見られます。ダウンロードもご自由にどうぞ。
なお、古屋さんには、この2月から、精神医療国賠副事務局長の任務を負っていただけることになりました。
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ホームページとfacebook (精神医療国賠事務局長 東谷幸政)
2016-03-10 10:29:31
精神医療国賠訴訟研究会では、ホームページとfacebookを運営しています。それをご覧になれば、資料やパンフレット、などが見られます。ダウンロードもご自由にどうぞ。
なお、古屋さんには、この2月から、精神医療国賠副事務局長の任務を負っていただけることになりました。
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初めまして。 (松尾浩一)
2017-11-17 00:17:34
私は、今まで、何度も何度も措置入院処分で強制入院させられてきました。そして、実際に、警察からも差別的扱いも受けてきました。

そのような中で、私が思ったことは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第29条は、精神障害者のみを対象としており、都道府県知事という権力者に対して、精神障害者のみを差別的に強制入院させる権限を与えている法律です。そして、この法律第29条は、明らかに憲法第14条法の下の平等に反する違憲立法だと思います。
つまり、違憲立法による法律により措置入院にされているので、措置入院の処分自体が違憲であり不当な処分だと私は思うのです。そのため、これまでの損害の賠償を国に請求したいと私も思います。

私も、ぜひ、一緒に原告に参加させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


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