伝統的な和食は塩分、とりわけナトリウムの取りすぎになる傾向があるため、胃がんや高血圧、脳卒中の引き金になりやすいことがよく指摘されます。
そこで、最近耳にした噂が「玄米食に味噌汁と漬け物と野菜の煮物を中心とする食事にすれば、カリウムが豊富なので、ナトリウムとカリウムのバランスがとれて心配が無くなる。」という説なのですが、これは生理学的に首をかしげる話です。
なぜならば、摂取されたナトリウムはまず腸で吸収されて血液に乗り、血圧を高めてしまうからです。血圧が上がった後で、血液が腎臓に運ばれて、ここでナトリウムが体外に排出されます。だからカリウムがナトリウムの排出を促すのは事実でも「カリウムを沢山摂取さえすれば、ナトリウムも沢山摂取してへっちゃら。」という簡単な話ではないのです。ナトリウムもカリウムも沢山摂取する食生活を続ければ、腎臓に負担が掛かります。
また、ナトリウムは胃がんに罹りやすくします。カリウムを取っていても防げません。
高血圧対策のため、厚生労働省でも、まず口に入るナトリウムそのものを減らすように指導しています。具体的には「日本人の食事摂取基準」(2015年版)で、ナトリウム(食塩相当量)の目標量は18歳以上男性で1日8.0グラム未満、女性で7.0グラム未満とするよう勧めています。
一方、上記のうわさのような「玄米と味噌汁と漬け物と野菜の煮物」の食事を1日3食取ると、ナトリウムを食塩相当量で、どの程度摂取するのでしょうか。味噌汁1杯のナトリウム(食塩相当量)は個人の好みによって差があるのですが、平均して1.5グラム位と言われています。同様にたくあん漬けの場合は1食でだいたい1.3~2グラム程度、ぬかみそ付けなら1.6~2グラム程度です。野菜の煮物も、味付けや食べる量によっても異なりますが、2グラム前後と推測されます。
つまり先述のような食事ですと、仮に漬け物を1種類として味噌汁はお代わりしないとしても、1食で5グラム前後取ってしまう計算になります。これが3食なら15グラム前後です。これでは、ナトリウムの取りすぎになってしまうことが分かりますね。やっぱり、味噌汁や漬け物や煮物を毎食取るのは避けた方が健康に良いと言えるでしょう。
なお、日本人の中には塩分に非感受性の高血圧症の方もいます。しかし、医師でもない人が自己診断で塩分感受性か非感受性かを判断することはほぼ不可能ですので、「私は大丈夫」と思って塩分の多い物を食べ続けるのは危険なことです。血圧の心配な方は必ず、信頼できる専門医の診断を受けて下さい。
そこで、最近耳にした噂が「玄米食に味噌汁と漬け物と野菜の煮物を中心とする食事にすれば、カリウムが豊富なので、ナトリウムとカリウムのバランスがとれて心配が無くなる。」という説なのですが、これは生理学的に首をかしげる話です。
なぜならば、摂取されたナトリウムはまず腸で吸収されて血液に乗り、血圧を高めてしまうからです。血圧が上がった後で、血液が腎臓に運ばれて、ここでナトリウムが体外に排出されます。だからカリウムがナトリウムの排出を促すのは事実でも「カリウムを沢山摂取さえすれば、ナトリウムも沢山摂取してへっちゃら。」という簡単な話ではないのです。ナトリウムもカリウムも沢山摂取する食生活を続ければ、腎臓に負担が掛かります。
また、ナトリウムは胃がんに罹りやすくします。カリウムを取っていても防げません。
高血圧対策のため、厚生労働省でも、まず口に入るナトリウムそのものを減らすように指導しています。具体的には「日本人の食事摂取基準」(2015年版)で、ナトリウム(食塩相当量)の目標量は18歳以上男性で1日8.0グラム未満、女性で7.0グラム未満とするよう勧めています。
一方、上記のうわさのような「玄米と味噌汁と漬け物と野菜の煮物」の食事を1日3食取ると、ナトリウムを食塩相当量で、どの程度摂取するのでしょうか。味噌汁1杯のナトリウム(食塩相当量)は個人の好みによって差があるのですが、平均して1.5グラム位と言われています。同様にたくあん漬けの場合は1食でだいたい1.3~2グラム程度、ぬかみそ付けなら1.6~2グラム程度です。野菜の煮物も、味付けや食べる量によっても異なりますが、2グラム前後と推測されます。
つまり先述のような食事ですと、仮に漬け物を1種類として味噌汁はお代わりしないとしても、1食で5グラム前後取ってしまう計算になります。これが3食なら15グラム前後です。これでは、ナトリウムの取りすぎになってしまうことが分かりますね。やっぱり、味噌汁や漬け物や煮物を毎食取るのは避けた方が健康に良いと言えるでしょう。
なお、日本人の中には塩分に非感受性の高血圧症の方もいます。しかし、医師でもない人が自己診断で塩分感受性か非感受性かを判断することはほぼ不可能ですので、「私は大丈夫」と思って塩分の多い物を食べ続けるのは危険なことです。血圧の心配な方は必ず、信頼できる専門医の診断を受けて下さい。