清き心と未知なるものの為に⑥・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より
もしおまえの目標が、おまえのもっとも深いパトスによって是認されていない
ならば、勝利さえも、おまえに自分の弱さを痛いほど自覚させるであろう。
(生)は、おまえの力にそぐわぬことを要求したりはしない。おまえの勲功は、ただ、
逃亡しなかったというだけである。
たしかに、いまおまえは真剣で闘っている。しかし、昨日一人切りのとき、毒を
手にして持て余しはしなかったか。
われわれの心のうちに、ネメシス(復讐の女神)がひとりずつ巣くっている。そこで、
きのうの自己賛美がきょうの罪悪感を生みだす。
彼は失敗しても自己憐憫(れんびん・情けをかけること)に陥ることなく、成功して
も自己賛美に陥ることなかった。とうとう最後の一文まで使い果たしてしまったの
を自覚してさえいれば、他人がその結果をどう考えようとかまわなかったのである。
パリサイ人だと言うのか。彼がみずからの目にけっして義人とうつったことがな
いのを、神は知りたもう>