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昨年秋に友人と二人で行った、フィリピンはマニラのニノイ・アキノ国際空港での話。
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マテラ教会と聖堂の内部
日本に帰るジェットスターの早朝便(確か6時50分発)に乗るためにホテルをチェックアウトしたのは4時10分頃。目的地を空港の第1ターミナルにして手配したGrabの車は直ぐに来てくれ、ドライバーが高速道路を使って良いかと聞くので通行料を確認してOKの返事を出した。前々日の午後にベトナムのホーチミンからフィリピンエアーで着いた時は空港からGrabを使ったが、交通渋滞でかなり時間がかかった。早朝なので渋滞はなさそうだが、安心のためにも高速道路ルートを選んだ。
何の問題もなくGrabは空港第1ターミナルに着いたが、二人でターミナルビルに入ろうとして問題が発覚。入口ドアのガードマンに印刷したジェットスターの予約確認書を提示したら、ジェットスターなら第3ターミナルに行けと指示された。そしてガードマンにそこまで歩けるか尋ねるとタクシーで行けと。
照明を当てて予約確認書をよく見るとニノイ・アキノ空港の文字の下に小さい文字でターミナル3と書いてある。最近、白内障が進行して視力が低下したのか、小さい文字が見えづらい。ターミナルビルを間違えてしまった。これはヤバい!
タクシーと言われたもののスマホでチェックするとターミナル間を連絡するシャトルバスがあると分かったので乗り場を探した。ところが到着フロアに行って乗り場は直ぐに見つかったが、そこにいた係員に予約確認書を見せてターミナル3と言ったが駄目だと言う。どうも搭乗券がないとシャトルバスに乗せてくれないようだ。
仕方ないので前々日の到着時と同じようにGrabを使おうとGrabの専用ピックアップエリアに向かっていると男が「タクシー?」と言いながら手招きしている。こちらが「ターミナル3」と言いながら近づくと男は近寄って来た車を停車させ開けたドアに乗れと言う。車はメーターのない一般車の日本で言う白タクで.
どうやら男の仲間が運転していると思われた。
料金さえ妥当なら乗ろうかと思ったが、直ぐには乗らずに「How much?」と聞くが答えない。こちらが何度も聞くと、男は十数か所の目的地が書かれたA4サイズのリストを出してきた。料金を答えずにターミナル3(らしき)目的地を指差して乗れと促すが、男の指で隠れたリストの隅の方に1,500ペソ(約3,900円)と書いてあるのがひょいと見え、直ぐに「1,500? I have no maney」と叫んで友人とその場を逃げ去った。
結局すぐ近くにあるGrabエリアに行き、自分で呼んだGrabで第3ターミナルまで行った。焦っていたので忘れたが、料金は200ペソ程度だったと思う。滑走路を挟んで第1ターミナルの反対側にあり、通行量の多い一般道を使うので20分以上はかかった。
チェックインカウンターに行くと並んでいる人もなく、あと数十分で締め切られたのではと思われた。あのまま白タクに乗っていたら途中で車を停めて1,500ペソを請求され、現地通貨は数百ペソしか残っていなかったので1,500ペソ以上の日本円をふんだくられたと想像する。支払いを拒否すれば西も東も分からない場所で降ろされ、飛行機のチェックインには間に合わなかったに違いない。
事前にニノイ・アキノ空港について調べたり、オンラインでチェックインなどしておけば第3ターミナルに行くべき事が分かっていたはずだが、今回は手を抜いてしまっていた。ぼったくりは回避出来たものの、反省点が多々有りだ。
ところでこんな話だけ記事にするとフィリピンの印象を悪くしてしまうが、旅行中にフィリピンの人の純朴で優しい一面を感じる事もあった。
電車でマラテ教会に行こうとした時、電車の乗換え駅の構内でで次に乗るホームと切符の売場も分からず、通りがかった若い男性に教えてもらった。礼を言って切符売場の長い列に並び、何分か掛かって買った切符で改札口を入ると先ほどの若い男性がこちらを見ながら微笑んでいた。やっと買えたよ、という感じで再び礼を言ったが、どうやら彼は乗れたはずの電車を一本見送って、私ら二人が間違いなく電車に乗れるか見守っていたようだ。こういう経験は素直に嬉しくなる。
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そして乗った電車は混んでいてしばらく立っていたが、降車駅の2〜3駅手前で友人が立っている斜め前の席が空き、同時に私の前に座っていた若い男性が立って私に座れと譲ってくれた。すると友人の前に座っていた人が空いた横の席にスッとスライドしてくれて、私ら二人が並んで座れるようになった。お礼を言ってありがたく座らせてもらったが、フィリピンの人の優しさや気遣いがよく分かり、気持ちの良い瞬間だった。
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