1月28日、近くにあるターニン市場で爆竹が鳴り、ドラや太鼓の音が聞こえてくる。しばらくして日本の正月にある(昔はあった?)いわゆる獅子舞が市場内を回ってるのが見えた。長崎くんちや神戸、横浜の中華街の春節に見る龍舞と同じで、玉を追っかけてドラゴンが踊っている。
春節の飾り付けをしたターニン市場内の店舗
果物店では路上に特設台を設けてミカンが並んでいたが、常設台にはドラゴンフルーツやローズアップルなど赤い果物を増やしている
市場内の店舗でも27日から春節用の食品と思われる品が増え、28日には買い物客の車で市場周辺の道路が大渋滞。滞在中の宿でも今日(29日)は受付の女性スタッフが赤いチャイニーズドレスを着て、ちょっと恥ずかしそうにしている。中国系の宿泊者は少ないと思うが、館内の飾り付けも春節を演出している。
と言ってタイの春節は国が定める祝祭日ではなく、学校や官庁も休まない平日扱いだ。一部の店舗や華僑系の企業では休むところもあるようだが、そこでNETで少し調べてみると
☆春節を祝祭日と定めている国( )は2025年の日数
韓国 (3日)2025年は臨時祝日(27日)と土日曜日をプラスで実質6連休
中国 (8日)1/26(日)と2/8(土)は代わりとして振替出勤日
台湾 (5日)土日曜日をプラスで実質9連休 2/8(土は振替出勤日)
ベトナム (5日)土日曜日プラスで実質9連休
ミャンマー (1日)2025年から新設
マレーシア (2日)
シンガポール (2日)
インドネシア (1日)
フィリピン (1日)
中国と台湾は当然として、歴史的に漢民族の支配を受けたり儒教文化の影響を受けた韓国やベトナムで休日が多く、春節を大事にしていることが分かる。
また、マレーシアやシンガポール、インドネシアなど、多民族多宗教で国民の中に華人が少なくない国では、1〜2日の春節の祝日を設けることて民族間の調和を図ろうとしているように見える。
一方で春節を祝日としていないタイでは4月13日〜15日にソンクラーンと呼ばれるタイ正月の祝日新年の正月がある。猛暑の時季でもあり見ず知らずの人にまで水をかけ合う祭りとしても有名だ。今年は日曜日と重なり振替休日があるので4連休となる。
☆タイのソンクラーンに相当する祝祭日のある国( )は2025年の日数
タイ (4日) ソンクラーン
ラオス (3日) ラオス正月
カンボジア (3日) クメール正月
ミャンマー (9日) 水祭
これらはいずれも国民の大多数を仏教徒が占め、上座部仏教を国教と定めるか、または実質的に国教としている国になる。
こうしてみると新年の正月があるだけで他に祝日となる正月がないのは日本だけで、近隣の東アジアや東南アジアの国には、祝日となる旧正月またはその国だけの正月があり、新年の正月がありながらも前者の正月を大事にしているようだ。
日本も明治になるまでは太陰暦の旧正月でお祝いをしていたが、太陽暦に切り替えられて既に150年、最近でこそ旧正月になると春節の祝いをする国の人たちが大挙して日本を訪れるようになり、旧正月の存在を改めて認識したと言う状況ではないだろうか。