Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
のんびりポタリング

鈴懸峠・雛鶴峠へ…みみ爺真夏のツーリング  2012年7月27日金曜日

2012-08-26 10:13:53 | サイクリング・自転車旅
 梅雨が明けてから、ここ数日暑い日が続いているよ。日本中が猛暑で、熱中症で病院に運ばれたり、死亡したりする人のニュースが連日報じられているので、こんな暑い中を自転車旅だなんてと、ちょっとびびっていたんだ。山の中で、熱中症で倒れて死んでしまったらどうしようって本気で考えていたんだ、もう年だからね。
 あずさ3号に乗って1時間半、やっぱり大月も暑かった。改札を出て郵便ポストの近くに小さな日陰を見つけて自転車を組み立てた。今日は20分くらいでできたよ。進歩したね。


 駅の近くのコンビニで水と食料をしこたま買い込んで、フロントバッグが割れそうになるほどだよ。
 さあ、いよいよ出発だ。準備万端ペダルは軽いよ。走れば風が涼しいね。
 駅を出て間もなく桂川に架かる橋を渡った。橋はかなり高い。桂川はかなり下を流れている。下をのぞくと怖いねえ。背骨のあたりがぞくぞくする。でも絶景だよ。


 ちょうど橋の真向かいに巨大な岩が顔を出している山がそそり立っているんだ。思わず、おおすごいと見上げたよ。岩殿山だよ。


 さて、桂川を渡って猿橋へ向かうよ。道は高い所にあるので、時々ちらりと見える桂川の流れはずっと下のほうだ。谷底をながれるきれいな水の流れはいいねえ。かるいアップダウンはあるが猿橋はすぐだ。
 猿橋は木造なんだよ。立派なもんだね。





 橋の下をのぞくといわゆるエメラルドグリーンの水が岩の間を流れていたよ。上流と下流には国道と県道のコンクリートの橋が見える。




 猿橋を後にして、いよいよ鈴懸峠へ向かう。暑いねえ。走っていると風があたって気持ちがいいけど、上り坂になるとスピードが落ちるので暑さがまともにこたえるよ。
 のどかな小沢川に沿って走る。この辺はまだ風景を楽しむ余裕があったね。

 
 山はきれいだねえ。すべて夏の緑だよ。空はもちろん青い。そして雲はまぶしいくらいに白い。ああこれで暑くなければ最高なんだけどねえ。汗の出方がすごい。日陰に入るとホッとするほど涼しいよ。


 県道509号線が林道鈴懸峠線に変わると道幅が急に狭まり勾配もきつくなった。




 くねくねと急な坂道が続く。年寄りだから10分か15分くらい頑張っては日陰を見つけて休んでしまったね。そのたびにふらふらめまいがしたよ。5分か10分休んではまた頑張る。峠に近付いてくると日陰が多くなってくるので助かったよ。


 杉木立の中を吹き抜けて来る風は実に気持ちがいい。汗が噴き出る。水がおいしい。シャツもパンツも汗でびっしょりだよ。
 やっと峠についた。




  (大月駅→鈴懸峠)


 あ~あよかった。生きて登ることができたよ。もしかしたら本当に熱中症で死んでしまうかと思っていたんだ。とにかく暑い。ものすごい汗の量だよ。ボトルの水がすぐになくなる。


 峠を越えると急に視界が明るくなった。都留市の山々が木々の間に見え隠れする。きれいだなあ




 峠からは頑張ったご褒美の下り坂だよ。うふ。涼しい~い。途中リニアの実験線の建設現場を通った。




 下り坂は県道35号線にぶつかっておしまい。角に石船神社というのがあり、境内のあちこちの木陰にどこかの工事現場のおっさんたちが気持ちよさそうに昼寝をしていたよ。邪魔しちゃ申し訳ないので先へ進むことにした。
神社を離れ大旅川に沿った県道を雛鶴峠に向かって走り始めた。この道はまたとてつもなく暑いよ。


 涼しい林道の木陰の道とは大違いだ。県道だから上下2車線で広いうえに日陰がまるでないんだよ。アスファルトの反射熱もすごい。これはたまらん。冷たい水が飲みたいよう。上り坂がきつくなる前に運よく自動販売機を見つけて飲むことができたよ。冷たく冷えていて最高においしい。水がこんなにおいしいなんて。ときどき見える大旅川の眺めも癒されるねえ。大旅川もなかなかいい。




 いよいよ峠に近付いて坂が急になる。日陰がない。照りつける猛烈な日差しを浴びながらえんやこらえんやこら。いやいやすごい汗の噴き出しようだ。心臓がバッコンバッコンだ。たまらずにちっちゃな日陰に潜り込む。立ちくらみのようなめまいが来る。熱中症はだいじょうぶだろうか。心配になる。それでまた水を飲む。


 リニアの実験線基地が見えてきた時はほっとしたよ。峠は近い。


 それからまた更によいしょ、よいしょ登っていく。


 ようやくトンネルの入り口が見えてきたよ。ふう。新雛鶴隧道と書いてある。


 中に入る。暗いねえ。600メートルくらいの長さらしい。車はたまにしか通らないけれど、その車がトンネルの入り口にさしかかった途端にものすごい爆音が襲ってくるんだよ。中は暗くてよく見えないし、すぐ後ろに何十台もの車が迫っているようなとてつもなくすごい爆音だし、そら恐ろしい。無事トンネルを抜けるとホッとしたよ。
 峠の手前でゴロゴロ聞こえたのでもしかしたら雨でも降っているかと思ったけれど、相変わらずのカンカン照りだったね。この峠からは13キロくらいずっと下りが続くんだよ。下り坂最高。涼しいし、楽だし。でも、ゆっくり下らないともったいない気がするね。
下り始めてすぐのところに旧隧道へ通じる道の入り口がある。そこを通り過ぎる時、ふと見ると汚れた子犬がたたずんでいたんだ。


 その子犬と目が合ってしまったんだよ。もういけない。子犬はずっとこっちを見ている。2,30メートル行き過ぎて自転車を止めて振り返っていると、子犬はこっちにきてというようにちょこんとお座りをする。それで自転車を回して押していくと、子犬は今度は伏せをして待っているんだ。近付いて行って自転車をそばに立てかけ、バッグの中からお昼に食べようと思っていたおにぎりを出して食べさせようとしたけれど、食べにくそうにして結局食べなかった。水を飲みたいのかと思ってあげてみたらぐびぐび飲む。さっき買ったペットボトルに半分近く残っていたのを全部飲んだよ。よほどのどが渇いていたんだね。首輪も付けていないし、野良かもしれない。かわいそうだが、元気でいろよと声をかけて、再び自転車をこぎ出した。もう行っちゃうの?そんな目でずっと見ていたんだ。ああつらい。後ろ髪をひかれる思いで振り返らずに坂を下って行った。全身皮膚病で汚れた子犬だったけれど、なんだかとてもかわいかったよ。連れて帰ってあげられない。考えればつらくなるばかりなのでそのままスピードを出してどんどん下った。ごめんね、ワン公。
 しばらく坂を下っていくと、道路わきにちょうどいい木のテーブルとベンチが1組あったんだ。秋山川を見下ろせるところにあって、おあつらえむきに屋根まであった。そこで昼飯にすることにしたよ。


 カップラーメンを食べ、コーヒーまで飲んだ。でも、ワン公のことを思い出すとなんだかうしろめたい気持ちだったよ。




 昼飯の後はまた下りだ。






 ほんとに長い下り坂だね。楽しいねえ。自分が登った高さを実感するね。この猛暑の中、よく頑張った。63歳、まだまだいけそうだ。


 秋山川の深い谷底では水遊びをしている子供の姿があった。涼しそうだなあ。子供のころは自分もあんな風に遊んだなあ。




 奥牧野というところで下り坂はおしまい。梁瀬橋を渡って最後の上りだ。100メートルほどの上りだね。頑張るかね。


 このあたりがピークらしい。神奈川ゴルフ場の入り口になっている。


 そこからまた気持ちのいい下り坂だよ。最後の下り坂だ。やがて日連大橋に着いた。そろそろ日も傾き始めていて静かな眺めだったよ。水のある風景って、なんていいんだろうね。



 
 これで今日のみみ爺真夏のランドナー旅はおしまい。お疲れさん。本当に楽しい一日だったよ。…元気でね、ワン公。

  (鈴懸峠→藤野駅)
コメント
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