Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
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みみ爺ひとり旅、新緑の厳道峠・天神峠を行く (1)        2013年5月9日 木曜日

2013-05-12 13:20:08 | サイクリング・自転車旅
         上野原→厳道峠→道志みち
       

 今朝は4時半に起きたんだよ。さすがに眠いね。年寄りは早起きだっていうけれどそうでもないよ。いつもはけっこう朝寝坊なんだ。電車は通勤時間帯で、高尾までずっと立ちっぱなしだったのでちょとつらかったね。高尾から甲府行きに乗り換えて、やっと20分ほど座ることができたよ。
 
 駅を出て、桂川橋の手前のコンビニで水とあんぱんを1個買ったよ。それだけかって?昼飯用には“尾西のチキンライス”を持ってきたのさ。うまいかどうか食べたことがないからわからないけれど、とにかく軽いからね。
 橋の上から上流の方の眺めだよ。空は真っ青だ。今日は最高にいい天気だよ。空の青、山の新緑、静かな水面。これを目にしただけで、眠気が消えていくようだよ。さあ、厳道峠だ。頑張るぞ。

                

 県道35号線だよ。やっぱり平日はいいねえ。車が少ないからね。だから風景ものどかだよ。車の音がしないというのはいいことだねえ。
         

 
 神明社だよ。大きな銀杏の木だね。これは有名な銀杏らしいよ。              
       
      
      
 神明社を過ぎて、道はゆるやかな上り坂だよ。
       


 左の方に見えるのが新天神トンネルだ。ここは右へ行くんだよ。
             

 すこし坂を上って行くと旧トンネルの天神隧道の入り口が見えてきたよ。みみ爺はこちらを抜けるんだ。新しい立派なトンネルより雰囲気がいいからね。旅は雰囲気が大切だよ。トンネルの中は真っ暗だよ。
           


 トンネルを出て再び県道35号に戻るけど、すぐにまた逸れるんだ。35号線は左の方らしいね。ここを右へ行くんだよ。
              


 そしてまたトンネルだ。田野入トンネル。新しいトンネルだから、中は広いし明かりがついているよ。走りやすいと言えば走りやすいが、なんだかつまらないね。トンネルだって味わいが欲しいよ。文句があるなら通るなって? そりゃそうだ。休日ともなればたくさんの車が通るんだろうね。今日は1台も通らないからいい。トンネルの中で車に追い越されるのは怖いからね。それがダンプだったりするとほんとに恐怖だよ。まず爆音がすごいんだ。
       


 トンネルを抜けるたびに山が濃くなるようだね。ほんとにいい天気だよ。
       



 またトンネルだよ。今度は秋山トンネルだ。
       


 このトンネルの手前を右へ行くよ。ほら、また雰囲気の良いトンネルが見えてきたよ。桜井隧道だ。もちろん中は真っ暗だ。水滴が落ちているところもあるよ。サングラスは外そう、何も見えないよ。路面の状態はそんなに悪くないようだがゴツゴツしてるね。
       
        


 おや、何か見えてきたよ。
       


 観音様だよ。やすらぎ観音と書いてあるね。旅の始めに観音様に会えたのはラッキーだね。旅の無事を祈っておこうかね。後ろの新緑がきれいだよ。

     

 秋山川を渡って、いよいよ厳道峠へ向かうよ。覚悟はよいか? 名前からして手強そうな峠だからね。
         


 安寺沢川に沿って上って行くんだ。山がきれいだねえ。朝の眠気はもうどこかへ行っちゃたよ。今はすっかり元気さ。新緑の山々を目の奥にしっかり焼きつけておこうかね。
              



 おっと、クマ出没注意だ! 気を付けよう。鈴は付けたぞ。少し強力にしたんだ。
         


 車の音が聞こえないね。ずっと安寺沢川の瀬音だけを聴きながら上っていくよ。いいねえ。
           

 熊野神社の前を行く。熊野神社というから、ここも紀伊の熊野三山の神様を祭っているんだね。
       


 そばにあった橋だよ。ちょっと渡ってみたくなる橋だね。
       


 安寺沢橋を渡るよ。苔むした古い橋だ。気付かずに通り過ぎてしまうような橋だけれど、この古い感じがなんとなくいいね。
              


 最後の民家を過ぎたあたりから道の勾配がどんどんきつくなってきたよ。そして、安寺沢川を離れるようにヘアピンカーブを曲がり、本格的な上り坂になった。よいしょ、よいしょ。きつい上りだなあ。
         


 崩落個所だ。

       

 一休みだよ。名前のとおり厳しい道だね。汗が目にしみて痛いよ。背中もびっしょりだ。でも、つらいとも、いやだとも思わない。不思議だね。山はいいなあ。
       


 林道の標示板だ。
       


 林道の表示から5分ほど上ると、眺めのいいところに出たんだ。望遠レンズで写真を写している青年がいたよ。白くかすんでいてよくわからないが、空気が澄んでいれば遠く厚木方面のビルが見えるそうだよ。いい眺めだなあ。この場所は厳道峠を訪れる人が必ずカメラに収める所だそうだ。

        


 何だろうね。こんな山の中に子供たちの叫び声だよ。峠に近付いて行くにしたがって叫び声が大きくなってくるね。
 不思議に思いながら峠に辿り着いたよ。何のことはない。峠の碑の前で大勢の子どもたちがお昼を食べていたんだ。遠足で来たんだという。みみ爺は勝手にこの厳道峠を怖い峠、厳しい峠と思い込んでいたから、子供たちの声を不思議に思っただけで、考えてみればこんないい天気だもの、子供たちが遠足に来たってちっともおかしくないわけだね。右手の山道からも、叫び声を上げながら元気に駆け下りてくる子供たちがいたよ。転がり落ちてくるんじゃないかと思うほど元気だよ。子供たちはみみ爺の姿を見つけると、口々に元気な声でこんにちわ、こんにちわと言っている。


       
「この上にのぼると眺めのいいところがありますよ」
 と先生が言う。
「子供たちの足でも2分くらいですから、自転車を置いて行ってみたらどうですか。鉄塔がありますからわかります」
 とっつきの階段の先は山道だよ。土が乾燥していて、うっかりすると足が滑るんだ。子供たちはすごいなあ、こんなところをぴょんぴょん走って下っていたからね。みみ爺はずっとペダルを踏んでいたから足がものすごく重いよ。すぐ頭の上に鉄塔が見えるんだが、足がなかなか持ち上がらないんだ。
 やっとの思いで鉄塔の下に辿り着いたら、そこに子供たちを引率してきた先生たちが休んでいたよ。


         


 もうすぐ世界文化遺産になる富士山が見えたよ。きれいだなあ。ここからの眺めは本当にいい。ここまで登ってきてよかったよ。頑張って峠を上った最高のご褒美だね。


             

「失礼ですがおいくつですか」と若い先生。
 じき64になると言ったら驚いていた。
「お元気ですねえ」
 と明るい声だ。
 みみ爺、そう言われたことがなんだかとてもうれしかったよ。
 
 さあ、下りだ。左の新しい道、野原林道を下るよ。
              


 きれいに舗装された道だが、あちこちに土砂崩れの箇所があったよ。道幅いっぱいに水が広がって流れているところもあったね。
         


 新緑の中をどんどん下っていくよ。気持ちいいねえ。ブレーキは握りっぱなしだ。手の指が疲れて痛くなってくるよ。石ころを踏まないように気を付けよう。
      


 下りは早いよ。なんだかんだ言ってもあっという間に道志みちまで下りてきたよ。ここで野原林道はおしまいだね。
       

       (つづく)

コメント (3)
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