ゴルフ狂の男とウェットスーツの女
あるゴルフ狂の男が、三日間の船旅でバミューダのゴルフツアーに出かけた。
ところが、客船がバミューダトラインアングルにさしかかった時、
アクシデントが発生し、船はあっという間に沈没してしまった。
幸いな事に彼は何とか救命ボートに単身で乗り込むことが出来た。
夜が明けると彼はサンゴ礁が美しい浜辺に漂着していた。
さらにラッキーな事に彼の乗った救命ボートの中には救命道具一式、
サバイバルの指導書、照明弾が入っていた。
こうして男は6ヶ月もの間、たった一人でこの無人島で生活する羽目になった。
そんなある日、彼はサンゴ礁に一隻のボートを見つけた。
どうやらスキューバダイビングに来た若者の物らしい。
彼はダイバーが海から顔を出すのを待って、照明弾を打ち上げた。
すると、それに気づいたダイバーがこちらへやって来た。
それはとても若くて美しい女性だった。
ウェットスーツに身を包んでいるが、素晴らしいプロポーションだった。
彼女は驚きを隠しながら、彼に今までの経緯を尋ねた。
男はこの島に来て、6ヶ月間を孤独で耐えたことを説明した。
すると彼女はその澄んだ瞳で男に言った。
「6ヶ月間、一体、食料はどうしていたの、大変だったでしょう?」
「いや、それほどでも。」
ゴルフ狂の男は、首を振りながら笑顔で答えた。
「この島には以外と食料になる物が多くて苦労は無かったね。
強いて言えば、好きなタバコが一週間で切れた事かな?」
「あなた、タバコが大好きなのね。」
そう言いながら彼女は、ウェットスーツの右ポケットのジッパーに手をかけた。
「おいおい、まさか、タバコが出てくるのかい?」
彼女は、ポケットの中からタバコとライターを取り出すと
喜色満面の男へ微笑みながらそれを手渡した。
そうして彼が6ヶ月振りのタバコを吸い終わると、彼女が言った。
「6ヶ月間、たった一人で大変だったでしょう?あなた、ジュースは好きかしら?」
そう言いながら彼女は、ウェットスーツの左ポケットのジッパーに手をかけた。
「おいおい、まさか、ジュースが出てくるのかい?」
彼女は男の期待を裏切らず、ポケットの中からジュースを取り出すと、
小躍りする男へ微笑みながらそれを手渡した。
そうして彼が6ヶ月振りのジュースを飲み干すと、また彼女が言った。
「6ヶ月間、たった一人で大変だったでしょう?ねえ、あたしと遊ばない?」
そう言いながら彼女は、ウェットスーツの前のジッパーに手をかけた。
すると、ゴルフ狂の男は目を輝かせながら言った。
「おお!今度はゴルフバッグが出てくるのかい?」
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