Records にへーのブログ

演劇・映画・小説・マンガが好き!
日々考た事で、Xに書きづらい事を書いて行こうと思っています。

小説「容疑者」を読んだ。

2015-04-21 00:20:00 | 小説
ロバート・クレイス「容疑者」(創元推理文庫)を読みました。



パトロール中に相棒を亡くしたロス市警のスコットと、アフガニスタン従軍中に相棒の海兵隊ハンドラー(調教師)を亡くした従軍犬マギー。身も心も傷を負った一人と一匹は、K9(警察犬隊)で相棒を組む事になる。スコットは相棒が殺された事件を捜査していくのだが……。


犬好きの人は泣ける小説だと思います!

後半に、急に事件が動き出すのが、構成上少しアンバランスな印象を受けるけど、面白く読める。

タイトルは、ちょっと平凡過ぎるので、変えた方が良い気がしますが。


余談ですが、K9といばジョン・べルーシ主演映画で、刑事と警察犬のコンビの活躍を描く『K-9/友情に輝く星」という映画がありました。
俺は見てないないのですが、続編の「K-911 やっぱり俺たち最強コンビ」と「K-9:はみだしコンビ大復活!」というのが(この2作は、テレビ制作らしいですが)あるくらいなので、人気作品なのでしょう。

小説「解錠師」を読んだ。

2015-04-19 11:13:00 | 小説
少し前になりますが、スティーブ・ハミルトン「解錠師」(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読みました。



8才の時の事件から、喋れなくなってしまった主人公マイク。高校生になったマイクは、不運な出来事をきっかけに、不本意ながらプロの金庫破りになる。金庫破りとして働く中、彼に危機的な状況が迫る。

良く出来た犯罪サスペンスではあるが、この小説は素晴らしい青春小説でもある。

子供の頃の悲惨な事件のため喋れなくなってしまい、金庫破りに天才的才能を持つ孤独なティーンネイジャーのマイクのキャラクターが魅力的だし、金庫破りの描写もサスペンスを盛り上げる。

最後の4ページが、俺は泣けてしまって、ここだけで大好きな小説の仲間入りをしました。

小説「クリスマスに少女は還る」を読んだ。

2015-04-18 10:28:00 | 小説
キャロル・オコンネルの小説「クリスマスに少女は還る」(創元推理文庫)を読みました。



クリスマスの近いある日、田舎町で少女二人が失踪する。自身も幼い頃、双子の妹を誘拐され殺された経験を持つ警察官のルージュは、その捜査に加わる事になるのだが……。

上手い!

ちょっとネタバレしたくないのであまり詳しく内容は書けないのですが、陰鬱な雰囲気で始まる物語は、中盤から力強く、グイグイと読み手を引っ張って行く。

そして不思議な余韻を残す、意外なラストがとても印象的。

キャラクター造形が上手く、印象的な登場人物が沢山出て来ます。

映画化にも向いていそう。


ちょっと長めですが(解説を含め、637ページ)、読み応えのあるミステリーでした。


これくらいの厚さ。


解説やカバー裏表紙の物語説明とか読まずに、あまり前知識無しに読んでもらいたい。

「ミレニアム1・ドラゴンタトゥーの女」(上巻・下巻)を読んだよ。

2011-12-26 23:39:00 | 小説
ずっと前に上巻を読んだと、ちょろっと書いたけど、下巻もかなり前に読み終わってました。

2月にこの小説を原作にした、デビッド・フィンチャー監督のハリウッド版映画が公開するので(スウェーデン版映画は公開済み)、ちょと感想を書いてみます。




月刊誌「ミレニアム」の編集長ミカエルは、ひょんな事から大財閥の身内で起こった、40年前の少女の失踪事件を調べる事になる。
そして、助手として雇ったリスベットは、見た目はパンク・ファッションに身を包み、背中にドラゴンの刺青がある、10代にしか見えない女だった。




上巻はほとんど状況説明で、これから面白くなりそうな所で終わったが、下巻は怒涛の展開で作品の印象をガラリと変えて行きます。

特に下巻になってやっと活躍する、無口な天才ハッカー、リスベット・サランデルの魅力が、この小説の売りの一つだろう。

物語のストーリーは、大財閥の屋敷がある孤島で起きた、ある意味密室ミステリーで、財閥の長い歴史や親族経営による複雑な人間関係など、上巻で詳しく説明され、下巻になって一気に謎が解けて行くカタルシスがあります(なので上巻はずっと謎が謎のままなので、ちょっと長く感じる)。


読む人がいるかもしれないので、あんまり詳しいストーリーは書きませんが、デビッド・フィンチャー(セブン、ファイト・クラブ、ゾディアックの監督)が映画化しそうな物語展開です。


物語は一応の解決は見せるのだが、雑誌「ミレニアム」の行方や、リスベットの生い立ちなど、謎を残したまま終わる。

その行方は、更にアクション・サスペンス度が高くなる続編の「ミレニアム2・火と戯れる女」に続くのでした。

道尾秀介「カラスの親指」読んだよ。

2011-08-10 12:40:00 | 小説
今まで読んだこと無い作家を読もうという事で、道尾秀介の「カラスの親指」を読んでみた。



話は、訳ありの中年2人組詐欺師の家に、少女が転がり込んで来る所から始まる。


詐欺師の話ということで、もうちょっと騙し騙されみたいな展開を予想していたのだけど、全体のイメージはちょっと予想外でした。

確かにそういう展開も幾つか有り、そういた部分に関しては上手く騙してくれるのだが、前半の重い身の上話にずっと引きずられてしまい、楽しいというより息の詰まる感じでした。


俺の勝手な期待で、もっと軽くて痛快なイメージで読んでしまったのがいけなかった。

とはいえ、面白い面白くないで言えば断然面白い方です。

ラストがちょっと強引な気もしますが、とても話が(展開やトリック)上手いです。

かなり読者を騙してくれます。


とりあえず、この作者の他の作品も読んでみたくはなりました。