「トヨタ物語」野地秩嘉(新潮文庫)
この齢(中年)になると、青年期のように読
んでいない著書を見つけ、そこまでわくわく
するというような著者は少ない。
そんな中で、本書の著者である野地さんにつ
いては、本屋で未読のものを見つけると、お
っ、となる著者の一人である。
ノンフィクションであることに間違いはない
が、著者の作品のジャンルは、とても良質な
ルポルタージュだと思っている。
ストーリーのある物語というよりは、事象に
対する人物を書いており、とても魅力的にそ
れぞれの人物を描写する。
本書は、トヨタ生産方式という、言葉は多く
の人が聞いたことがあるだろうが、その実は
なんぞやということに軸を置いている。
そして、その実態を説明しつつ、トヨタとい
う会社が、トヨタ生産方式とともにどう成長
したかを、人物から追う。
誰が、どうしたかを単に記すのではなく、丹
念な取材から、その思想や過去をしっかりと
整理し、事象を一つ一つ明らかにする。
対象とする題材に要因もあろうが、少なくと
も自分が読んでいる著者の作品では、人物を
悪く書いているものを読んだ記憶がない。
とはいえ、必要以上に人物を褒めたたえ、本
書でいえば「豊田家」だけを、それも教祖の
ように持ち上げることもない。
著者の書く豊田家と周辺主要人物の人物像が
完全に正しく、マイナスなどなかったなどと
言うつもりはない。
事象に対する取材で分かった事実を、要因だ
けを、恣意なくナチュラルに、しかし好意的
に書く。
人物そのものをテーマとしたノンフィクショ
ンでは、そうはいかない。
著者の対象は、あくまでも事象であり、事象
に対する人物を、事象についてのみ追うが、
決してただの記録には終わらない。
トヨタという大企業の、世界に誇る生産方式
を、言葉上で機械的に(しかも間違って)理
解するのではなく、正しく理解する。
それも人物を絡めて、しかも魅力的に面白く
読めるのだから、これはおススメ。
この齢(中年)になると、青年期のように読
んでいない著書を見つけ、そこまでわくわく
するというような著者は少ない。
そんな中で、本書の著者である野地さんにつ
いては、本屋で未読のものを見つけると、お
っ、となる著者の一人である。
ノンフィクションであることに間違いはない
が、著者の作品のジャンルは、とても良質な
ルポルタージュだと思っている。
ストーリーのある物語というよりは、事象に
対する人物を書いており、とても魅力的にそ
れぞれの人物を描写する。
本書は、トヨタ生産方式という、言葉は多く
の人が聞いたことがあるだろうが、その実は
なんぞやということに軸を置いている。
そして、その実態を説明しつつ、トヨタとい
う会社が、トヨタ生産方式とともにどう成長
したかを、人物から追う。
誰が、どうしたかを単に記すのではなく、丹
念な取材から、その思想や過去をしっかりと
整理し、事象を一つ一つ明らかにする。
対象とする題材に要因もあろうが、少なくと
も自分が読んでいる著者の作品では、人物を
悪く書いているものを読んだ記憶がない。
とはいえ、必要以上に人物を褒めたたえ、本
書でいえば「豊田家」だけを、それも教祖の
ように持ち上げることもない。
著者の書く豊田家と周辺主要人物の人物像が
完全に正しく、マイナスなどなかったなどと
言うつもりはない。
事象に対する取材で分かった事実を、要因だ
けを、恣意なくナチュラルに、しかし好意的
に書く。
人物そのものをテーマとしたノンフィクショ
ンでは、そうはいかない。
著者の対象は、あくまでも事象であり、事象
に対する人物を、事象についてのみ追うが、
決してただの記録には終わらない。
トヨタという大企業の、世界に誇る生産方式
を、言葉上で機械的に(しかも間違って)理
解するのではなく、正しく理解する。
それも人物を絡めて、しかも魅力的に面白く
読めるのだから、これはおススメ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます