愛にうまれて

夜明けの星が消えて　
朝露に蜘蛛の巣のレース　

日々は宝物　
泡になって　
空にのぼって　

うれしい　
何度だって
この愛にうまれて　
微笑みを織り交ぜていくの　

やさしい雨

君が降らせる雨ですら　
穏やかでやさしいのに　

何を返せるというのだろう　
あたたかく濡れたちいさなわたし　

オパールの波間

あなたのまなざしに　
オパールの波間へとけていく　

いいえ　
やめないで　
心のそばに佇んでいて　

明日が満ちて　
幾重にも
ひろがるから

このままで　
木の葉みたいな　
気持ちでいさせて　

月に吹く風

まだ好きだったから、
あんなに残酷になれたんでしょう。

君が帰した、
月に吹く風のつめたさ。

からだいっぱいのカノン

ちいさな鞄には
よい匂いのハンカチーフと　
あなたからの手紙　

薔薇のコサージュ　
からだいっぱいのカノン　

抱きとめられて　
またたく星のランプ　

逢えなかった時間を　
きらきらと埋めていく音楽が
とても綺麗に聴こえてる


　　

花を撒きながら

それは懐かしい毛布のように　
あたたかくわたしをくるむ　
あなたの腕には魔法がかかってる　

少女のわたしではきっと　
好きになってもらえなかったわ　
やさしさを学んでから出逢えた　
あなたのこと誇らしく思ってる　

壊れやすいからこそ　
たいせつに運ぼうとした恋　
花を撒きながら空へ空へ　

教えてくれた情緒や夢の匂い　
時計を巻き戻さなくても　
楽に呼吸のできる場所　

涙の痛さを解ろうとしてくれる　
埋まらない距離を　
飛び越えようとする羽根

出逢えなければ知らなかった　
いくつものかけがえのない想い　
花を撒きながら空へ空へ　

たんぽぽ

たんぽぽのボタンなら留めておけそう　
たいせつな恋をやわらかな緑の絨毯に

万華鏡

キウィの輪切り　
童話的な女の子　
針先しか見えてない真実　

薔薇の棘の掻き傷はなかなか治らない　　

誰かがくれる夢心地　
水飴みたいにねだってる　
地団駄踏みすぎて壊れた靴　

世界は鏡　君が笑えば向こうも笑う　

鈴を鳴らして心の果てまで　
ふらふらで疲れても
生き抜いたその先に咲く花を　

探しにいこう　

レースの漣

レースの漣がとめどなくつづく　
幸福のしるしが青い空へ　

懐かしむことも爪弾いてみることも　
やわらかに許されてある二人の国