白いレースで、掬いあげた 2009-09-07 17:30:04 | 透明 気づかぬうちに編んでいたのね 運命の糸で白いレースを あなたというひとを掬いあげた 眩しさのひとつひとつ 傷つきやすい皮膚のような 脆い翼で飛んでいた 昔を修復する時が訪れたのだと また微笑めるなんて 思ってもみなかったよね 春には花の傘ひらき秋には流星の瞳でみつめ どのような影も置いてきぼりにはしないで あおい孤独の淵をゆきましょう
野菜スープ 2009-09-04 06:55:53 | Sweet 野菜スープに溶かした涙で 君は生きながらえてきた 夜がどこまでも つづくようなため息 知っていたのね 遅くなってごめんなさい 扉を開けてくれてありがとう 一緒に生きるために 大きなお鍋に野菜スープ 願いのこめかたならまかせてほしい 金色卵を浮かべたら微笑んでみせて
長い指 2009-09-01 07:06:38 | Sweet シャーベットのあまくつめたい雨に降られて びしょぬれでもとまらない情熱を あなたは胸の記憶装置にしのびこませるの 難しくないきのうの結び目 どんどんほどいてく長い指 歌にも物語にも既に描かれている 愛をたどる恋人たち うまれる言葉のかけらはオリジナル 歴史のピースに組みこまれていく 雨上がり葉っぱのしずく 透明なハートを映したふたり