ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

人体中の十字形

2021-10-09 | 調査・探求

ラミニン分子細胞外メイトリックスの基底膜を構成するタンパク質

 

 

 

十字架は、多くのキリスト教会で、救い主の死と復活の象徴として、そして信仰の誠実な表現として使用されているが、すべてのキリスト教会で、というわけではない。十字架の持つ救い主の苦しみへの敬意を持ちつつも、救い主は生きておられるので、彼の死の象徴を信仰の象徴としては使用しない教会もある。

クリスチャンの生活はその信仰の表現でなければならない。 バプテスマと確認を受けたとき、人はイエス・キリストの名を自分自身に引き継ぐことを誓約するのであるから、その生き方は、救い主とその働きに対するクリスチャンの愛を示すべきなのだと思う。

非常に興味深いことに、宗教のあるなしに、また宗派には全く関係なく、人間はその体に十字架を持っているのをご存知であろうか。医師や医学生、あるいは看護師は、そのことを耳にし、目にしたことがあるだろう。

ラミニンと呼ばれる、細胞接着分子としての細胞基底膜は、ほぼすべての動物組織の基底膜の構造的足場として不可欠な部分のタンパク質である。形態学的な手法(光学顕微鏡と電子顕微鏡)で、基底膜の存在は確認されていたが、組織中の含有量が少なく、酵素活性の指標もなく、薄膜のため形状を指標に精製することが難しかったのである。

そのため、生化学的に分析できるほどの量を単離精製することができなかったが、1977年、米国・NIH(国立衛生研究所)の国立歯科・頭蓋顔面研究所のジョージ・マーチン(G. R. Martin)らが端緒をついにつかんだのだった。

難しい話はさておき、この細胞接着分子のラミニンは文字通り、生物体(我々の体も含めて)のひとつの細胞を次の細胞につなげる。ラミニン分子がなければ、文字通り人体は、あるいは生物体はバラバラになってしまう。学校の生物化学などで習ったことがある、とお思いの方もいらっしゃり、その役目は周知の事実だ。しかし、ほとんどの方が知らなかったのは、ラミニン分子がどのように見えるかである。

1981年スイスのJürgen Engelユーゲン・エンゲルが、単一のラミニン分子を電子顕微鏡で初めて観察して以来、生物化学の学生や医学・看護分野の学生は、「ラミニンの十字形モデル」を見たことがあるはずである。十字形、だからこれは「キリスト教」を示唆する、ということではない。だが、科学・医学文献ではラミニンを調べると、下記が表示される。

 

   

ラミニンのドメイン構造。ローマ数字はドメイン番号

 

コロサイ人への手紙第1章15-17節がある。

「御子は、見えない神のかたちであって、すべての造られたものに先だって生まれたかたである。

万物は、天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、位も主権も、支配も権威も、みな御子にあって造られたからである。これらいっさいのものは、御子によって造られ、御子のために造られたのである。

 彼は万物よりも先にあり、万物は彼にあって成り立っている。」

世界がラミニン分子について何も知らない何千年も前に、使徒パウロはそれらの言葉を書いたのである。そして今、言葉本来の意味という観点から、人間が一緒にあるように保持されてきていることがわかる。ある細胞の集合体(人)から別の細胞集合体(人)へ十字形の細胞接着分子によって。

アダムが造られたずっと以前に、ラミニン分子の「接着剤」がどのように見えるかを数十億年もの間正確に知っていたのは創造主以外の何物でもないのではないか、と私は思う。

 

 


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