ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

黄金律

2017-12-13 | アメリカ事情

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テネシー州ノックスヴィルの中学生、キートン・ジョーンズは、ある日学校をお昼前に早退したいと母親に知らせ、車の中で母親に何故なのか話し始めた。 キートンは、大粒の涙をこぼしながら、昼休みにいじめっ子たちが、彼にしてきたことを話始めた。


「お前は醜い」とののしり、からかいが始まり、そのうちに、ミルクをキートンの頭からかける、食べ物を彼の服の中に押し込む、パンを彼めがけて飛ばすなどに発展したと言う。キートンは腫瘍と共に生まれてきているが、彼のどこも醜いところはなく、家に帰れば、ごく普通の男の子で、学校では真面目な生徒である。こうして母親が早退する息子を再度迎えに来た時、これを記録しておかねば、とカメラを回したそうである。 

ここを参照。

 

これは、ハッシュタグがいくつか付き、#IstandwithKeaton,#Keatonstrong, #KeatonJonesなどで、SNSで拡散され始めたのが先週の金曜日である。そしてスポーツ、芸能、政治あらゆる分野の有名人がキートンを励まし、スポーツ試合やテレビ番組やコンサートやらへ招待し、中にはお昼にキートンと昼食をするために学校へ赴いたスポーツ選手達もいた。歌手や映画俳優も、キートンの味方で、彼の学校をいつでも訪問して一緒に昼食をとりたいと述べた。

 

合衆国で人気のある心理学者でテレビ番組を持つドクター・フィル(Dr. Phil McGraw)もその一人で、彼のメッセージは的を得ていた。

ヘイ、キートン、いじめっ子が問題を持っていて、君じゃあないんだよ。 多くのいじめっ子は、家でいじめられて、学校で同じようにいじめるんだよ。 卑怯者はいつも野次馬が必要なんだ。 強くいて、キートン。 私はいつでも君と廊下を歩き、一緒に昼食を食べるつもりだよ。

 

同様の申し出のメッセ-ジはあらゆる有名人から舞い込み、下の写真左のJarrett Guarantano(テネシー州のフットボール選手)は、先週すでにキートンを訪問している。 そのほかにも歌手のジャスティン・ビーバーや、ドナルド・トランプJr.、バスケットボールのラヴロン・ジェイムスからも寄せられている。

 

それほど以前のことではないが、やはりプロフェッショナルのスポーツ選手男性が、キートンと同じく、昼食時間にからかわれ、いじめられている軽く自閉症を持つ少年を知り、その学校を訪ね、何食わぬ顔で、その少年に一緒に座って食事をしていいか尋ねて食べたことがあった。その後いじめていた子供たちは、あのXXXがあの子と食事をしている!と驚き、それは次には尊敬の念に変わり、いじめがなくなった、という。


フットボール選手などは体格もよく、背が高く、普通の人は、まず圧倒されるだろう。けれど、そうした人々は、キートンのような、いじめを受ける子供の話を聞くと、本当に即座に行動に移し、子供の学校を訪ね、その子と友達になりたい、と言う。そのやさしさは、巨人の大きなハートである。キートンが涙をこぼしながら、母親に訴えたいじめの窮状は、悲惨で、尋常な精神の持ち主は、どんな地位や名声があっても、まずこの子の助けになりたい、と願い、本当にそのようにする。 


いじめる子達も、元はいじめられていた子供でもある。いじめがどれほど下等で卑劣な行為か、わかっているはずなのに、八つ当たりでする子もいれば、行き場のない怒りを力のない者、弱い立場の者へ向ける。キートンは腫瘍を持って生まれ、外的にその戦いの跡があるのだろう。それが、いじめのターゲットになるとは、身も心も凍る。子供達の通った高校でも、子供達は、障害のある生徒への意地悪を目にしたと言う。 息子達は、次からは、その苛められた生徒と共に自分達の友人・仲間も入れて食事をしたそうだ。


キートンの学校の校長は、彼がいじめにあっていることを「知らなかった」とし、「すでに対策は取り、いじめていた子供達はそれ相当の処分を受けた。」と言う。どこの国でも同じ回答。普通学校のランチルームには、ランチモニターと言って、大人が教師であれ、ランチルームの管理者であれ、必ず付くことになっている。そのランチモニターが本当にいたのか、いても「気づかなかった」のか不思議である。 いじめは国を問わず、人種を問わず、いつの時代でもある。 もういい加減、この下等で卑劣なことをやめる時ではないのだろうか。

 

今日12月13日のクリスマスカレンダーは、「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。」(マタイ伝7:12)である。 提案は、

  • ソーシャルミディアで、いじめられている人をご存知ですか? 今日たった今、そのいじめられている人についての肯定的(Positive)なメッセージをあなたから流す。 キートンと同じ境遇の人があなたの隣にいるかもしれない。
  • 貴方の一日を明るくさせることは何でしょう?そのことを他の人にしてみては?
  • 貴方はいままで、「言わなければよかった」という後悔をしたことがありますか? あなたの過ちを今ごめんなさいと謝ることは、実は遅すぎることではないかもしれない。今日謝る。


有名人であろうが、なかろうが、あなたが何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにすることは、本当はそんなに難しいことではない。

 


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4 コメント

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Unknown (Luna)
2017-12-13 05:30:25
うちの子もアメリカの学校で意地悪言われたり
英語の発音で揶揄われたりしていました

読んでいて涙が出ました

素敵な話をshareしてくださりありがとうございます。
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いじめは (ままちゃん)
2017-12-13 05:49:38
苛めはどこにでもあります。どんな理由でもいいのです。少し人と違って見えたり、そんなことで始まります。我子の一人は、メキシコ移民の多い地域の学校へ行った時、その移民の子供にチノ(Chino)とからかわれました。アメリカ人なのに、どうして自分は中国人なんだろう?と不思議がり、帰宅してそう呼ばれたことを話してくれた時、私は、「あら、何故それが恥なの?中国人は、ほら、貴方の好きなマカロニとチーズのマカロニのようなパスタを発明したし、みんなの好きな花火も、発明した頭のいい人たちなのよ、誇りに思ったらいいのよ。」と答えました。そしてクラスマザー(Class Mother)として五人の子供一人一人のクラスでヴォランティアをしました。見張るため(ははは)もありましたが、見かけが少々異なっても、中身は同じ人間であることを見て欲しかったのです。それを何年か続けましたが、他の子供達、どの国の子供でも、どの宗教の子でも私自身が受け入れられるようになったのが、私にとって最大の収穫でしたね。知らないから、拒絶する、というパターンがいじめの最大の理由だと思いますが、一歩踏み入れてみると、チノとからかった子供も、やはりいろいろな言葉で出自をからかわれていた子供でした。行き場のないむしゃくしゃを他の子に向けていた様子でしたね。思えば、その子も哀れでした。
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虐め (はちきんイジー)
2017-12-13 23:55:24
昔からあったでしょうが
今の虐めは悪質でまたSSNで広がりますよね
逆にこのお母さんはそれを利用しこのような行動に繋がったんですね

虐められていても親に話せない子供、、、特に’ティーンの子に多いとも思いますから
親子が会話を持てる関係を小さい時から作る事の大切さを感じます

まあちゃんがとられた行動には感心する事です。
息子さんに憎むことを教えられませんでした
いくら虐め事件が解決しても そんな形で子供の心に残したくはないですよね。

そうして学校の中に入り そんな様子をご自身の目で見ようとされた事も、、、。


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Unknown (ままちゃん)
2017-12-16 12:13:55
虐めるよりは、一緒に楽しく遊んだり、勉強したりする方が断然’楽’なのに、威張れる事ではない虐めをするのは、もっとエネルギー使うのに、と思ってしまいます。それでも、”エンリケ”に書いたように、虐めを辞めて、もっと向上しようと努力し、180度生き方を変えて今や化学博士です。虐めるのがくだらない、と気づいたら、もっと広い世界があるとわかるのですが。。。
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