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土曜日がヴェテランズ・デイだったので、今年は、前日金曜日が代替休日になった。日の出とともに起きて早速いつものトレイルでの歩きをして、水曜日の晩、家族の歴史センターでお会いした老婦人と約束したとうり、彼女の家を訪ねる支度をした。Vは、79歳の未亡人だが、去年背中の大手術を経てなお、自由闊達で、杖はついていても矍鑠(かくしゃく)としている。彼女から依頼されたことは、系図関係の記録・書類の整理と保存である。
実は数年前に私は彼女のスコットランドの先祖を1840年ほど前まで遡って調査したのだ。その時、Vは、ある友人が、彼女の母方につながる先祖を持つ、と言い、どこがその接点なのか調査に協力して欲しいと依頼していたのだった。その時は、何をどう調べるかわからなかったので調査は始められなかったのだが、最近、その友人から電話があったと言う。
その友人は80歳で、身辺整理のため、母親から受け継いだ17箱ある系図関係書類を捨てたいが、Vが欲しいか聞いてきたそうである。Vは早速サンフランシスコの友人宅へ駆けつけたそうだ。友人の母親が非常に長い間系図調査をコツコツとしてきた成果が、かなり大きなプラステイック容器17箱に納められていた。その箱のどれにVに関係する先祖の記録が入っているのかわからず、すべての箱を持って帰るのもできず、結局つながりがある母方の苗字に関するものだけをざっと選び、それでも箱一つになったそう。その箱をVは整理し分類するのを手伝って欲しいと依頼してきたのだ。
なるほど大きな箱にぎっしりと入っている。一つ一つ手にとって見てみると、この調査をしていた友人の母親がどのような人だったのか興味が湧き、聞いてみた。するとVは、彼女の友人の母親は、牧師の妻でかなり長い間コツコツと系図の調査をしてきて、もう亡いが、おそらく1910年代頃の生まれのはずだ、と言った。その系図調査の記録は1930年くらいから始められていた様子で、書類の黄ばんだ書類が、その年月を感じさせている。
私はこれらをまずデジタル化し、それから索引化することを提案し、その手順を話しあった。そして彼女は、一冊のアルバム・スクラップブックを持ってきて、これをまず手始めにデジタル化して欲しいと言う。
これ(上記の写真)には、彼女の生い立ちから、人生の節目の写真や日記の類が所狭しと入っている。私はこれを持ち帰り、一週間のうちにデジタル化することを約束した。彼女はとても喜び、玄関へ歩いて行く私に廊下の壁両側に架けられた写真などを説明してくれた。その中で、特に目を惹かれたのは、スコットランド人の象徴的な、と言えるシャドウボックスであった。
そのシャドウボックスには、Vの母方、Sinclair一族のタータン、大きなブローチ型のキルトピン、曾祖父が第一時世界大戦時英国軍に従軍した時の古い写真、その彼の幾つかの勲章が飾られている。下の写真のブローチピンは、似ているが、Vのは、スコットランドでしか採れない薄いピンクの透明な水晶のような石がピンの中央にある。その下の写真が、Sinclair 一族のタータン。
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と言うことで、今週帰宅後のプロジェクトが舞い込んだ。ちなみに、Vには、彼女の友人に残りの16箱は決して捨てず、最寄りの家族の歴史センターに相談する旨をお願いすることを依頼して私は帰路に着いた。