大室山。城ヶ崎海岸から車で移動すること20分。僅か500メートルほどの山をリフトで登る。
三月に入ったというのに頂上は寒い。頂上はすり鉢状になっていて、遊歩道で360度をぐるっとまわれる。
ユーロ問題も佳境に迫っている。いや、これから問題はさらに深くなるのかもしれない。EUという社会実験は、ヨーロッパ各国が通貨発行権と関税自主権を互いに制限し、欧州中央銀行による統制のもとに文字通り経済一体化を目指したところに本質があった。
中世以来、数々の戦乱とそれによる疲弊をこの地域ほど多く経験した地域も少ないであろう。その反省からか、はたまたローマ共和制へのロマンからか、現代ヨーロッパは「統一」というものを望んでいたとは思う。このままEUが問題なく成長発展へと突き進んでいたのなら、統一はその経済だけに留まらず国境すらなくなって統一国家(共同体)の出現もあるのではないかと私もかつては思っていた。
EUの加盟をめぐって、ヨーロッパ諸国は「ヨーロッパとは何か?どこまでの地域を指すのか?」ということを考えたこともあったろう。地理・歴史的には東はトルコの手前まで。トルコのあるアナトリア半島は小アジアと呼ばれる。しかし歴史的には東ローマ帝国の領土は小アジアも含んでいた。また北方に目を転じるとロシアがある。ロシアはギリシャ正教の守護者を自称?しており、いわば第三のローマ帝国ともいえなくもない。我々はヨーロッパ人ではないので、彼らの「ヨーロッパ」の観念は推測するしかないが、恐らく彼らにとってヨーロッパとは、「キリスト教」と「ローマ」という二つの巨大な共同体を大いに意識しているハズである。
さて、このたびのギリシャ危機であるが、ヨーロッパに大きな影を落とすことになるだろう。それは、経済もあるが、もっと大きな問題もかかえている。今回EUで発言権を強く持つドイツとフランスは、ギリシャの緊縮財政を強要した。ギリシャが破綻する責任は、まぎれもなくギリシャ自身の失政のせいではある。しかしそもそもEUとは、各国の通貨発行権と関税自主権を互いに制限し、ヨーロッパの経済を統一してその恩恵も損失も共に共有するというのが当初理念であったと思われる。しかし現実にはどうか?いくら怠惰なギリシャとはいえ、EUはギリシャのGDPを奈落に突き落とす政策に踏み切った。この流れはギリシャだけに留まらず、今後スペイン、ポルトガル、イタリア、アイルランドに広がっていくだろう。ギリシャの国民の判断は、緊縮策に反対。民主主義において、EU中央の決定に真っ向から反対しているのである。
ヨーロッパ各国、とくにスペイン、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャは「主権」というものと「経済」というものをどう両立させるかを考えざるをえなくなるだろう。違う言い方をすれば「グローバリゼーション」と「主権」が両立されざる側面がハッキリ見えてきたのである。これからヨーロッパはまたもや民族と国家について考えることになるであろう。
「なんで俺たちドイツ人が、あんなに働かないギリシャ人に金を注入しなければならないのか!」と多くのドイツ人は思っているだろう。これはまさに民族と国家に対するある方向性の考え方に基づいた発言だが、それはギリシャの側でも同じことが言えるだろう。だがEUという社会実験は、そういう民族、国家の考え方とは違う方向性に理想をもって建設されたものであったハズだ。
まぁそんな難しい問題はさておき、写真はギリシャのアテネの町並み。この写真は2008年のもの。リーマンショックの直前の8月末日である。リーマンブラザーズは9月15日に破綻した。まさにこの写真の頃のヨーロッパは金融バブルの真っ最中を謳歌していたのである。この頃の物価は本当におかしいほど高かった。パルテノン神殿への入場料はなんと2500円。昼飯をレストランでとっても2000円以上とられる。1ユーロは180円ほどまで上がっていた頃である。バブルを外側から観光者としてみていた私にとっては、ヨーロッパはまさに「高い」地域であった。何をするにしても高い。当時もオカシイとは思っていたが、どうオカシイのかまでは分からなかった。しかし今となってみれば、なるほどなぁ、である。
イタリアの豪華客船座礁のニュースが最近取り上げられている。私はこのニュースの映像を見たとき、既視感に似た感覚を覚えた。あれ?これ見た事があるぞ?・・・と。写真は2008年に私がクロアチアに旅行した時のもの。場所はドブロブニク近郊のアドリア海である。地理に詳しい方であれば既にピンとくるかもしれない。アドリア海は紅海やペルシャ湾と同じように、湾のような形状になっている地中海と繋がる海である。東側の対岸はバルカン半島のクロアチア。西の対岸はイタリア半島である。それでは座礁した豪華客船の写真を以下にみていこう。
(ネットより転載) イタリア豪華客船コスタ・コンコルディア。見事に座礁している。
これが船の全景である。黄色い煙突に「C」の文字。側面には黄色い楕円形の救命ボートが備えられていると思われる。では、もういちど私の撮影したクロアチアでの豪華客船の写真を以下に掲載する。
おいおい、これ全く同じ船なんじゃねーの??船体の形状、煙突の色とロゴ、そして側面のボートに至る細部までがことごとく酷似している。いや酷似どころか全く一緒としか思えない。そこで私は、この船がニュースの船と一緒であることを証明すべく、写真の詳細まで調査に入った。それが以下の写真である。
・・・・・・・・。コスタ・・・・・フォルチュナ・・・・。なんてこったい!コスタ・コンコルディアじゃないのかよーーーー!調べてみると、このコスタ・フォルチュナもイタリアの豪華客船であることが判明。うわー見なきゃよかった! というオチである。
http://railway.org.cn/timetable/index.html
硬座 硬臥 軟臥
Z73次 北京21:57合肥07:24 09時間33分 1100km 25T型― 263元 400元 733元
263元は日本円にして約3682円(14円換算)である。単純計算は禁物だが1kmあたり3.34円。東京~名古屋400kmで計算すると1338円。
日本で新幹線を使わずに東京~名古屋を行こうと思ったら6時間ほどかかり、値段は約6千円かかる。値段は4倍以上。
バスに至ってはもっと安いかもしれない。前回の中国旅行でバスに一時間半乗って、その料金は8元(112円)である。バスで一時間半ということは100kmは走ったことだろう。ということは1000kmで1120円。
まだ途中だが、とりあえず投稿する。
とはいうものの所詮は机上のプランに過ぎない。旅行とは大抵プランどおりに行かないものなので、いわばこのプランは妄想の類である。ただし、いったいユーラシア横断にかかる費用がどのくらいかかるのかという見積もりについては、多少は参考になるかもしれない。
ABロードで格安のツアーを探すと、今年の8月31日に2万3500円で上海5日間の旅がある。燃油サーチャージは約9000円
成田空港施設使用料 2040 中国出入国税 1160 成田旅客保安サービス料 500 まずはここまでで3万5700円。
このツアーはホテルの宿泊代金コミである。よって4泊の宿泊代は含まれているワケだ。ただしワナがあって、こういうツアーは一人旅だと部屋代にエキストラチャージをかけられる。ちなみにこのツアーでのエキストラチャージは一泊1万2千円。よって、一人旅の場合はツアーなどを使わずに格安航空券だけを買うのがよい。私の場合は嫁さんと行くということを想定しているので、エキストラはかからないものとする。さてこのツアーはフリープランなので、パッケージとして入っているものは往復航空券と宿泊ホテルだけである。観光などはオプショナルツアーで追加料金を払えばできるのだが、そんなものはユーラシア横断を試みる旅行者には必要ない。
そして大きな声では言えないが、長期旅行をする場合こういった格安ツアーは復路の航空券は放棄するのが基本らしい。その理由はたしかにわかる。片道航空券+燃油サーチャージ+出入国税+施設使用料+4日のホテル宿泊料金の合計は、普通に個別に注文したら到底3万5700円では収まらないのである。ホテル代を1日2000円に抑えたとしても、4日で8000円。片道航空券は場合によっては往復航空券よりも高い。
実は中国に渡航する場合、航空券を使わない選択肢もあることにはある。それは船を使うことだ。どうせユーラシア横断という大旅行を敢行する場合、時間的制約などほとんどないので、船でじっくり行くということも出来る。だが、値段はそんなに思うほど安くない。現在中国行きの船が出ている港は、大阪、神戸、下関の三つしかない。値段は約2万円。関東に住んでいる私としては選択肢にはならない。
さて、今度はビザの問題がある。中国ではビザなしでは15日間しか滞在できない。観光シングルという90日滞在できるもので6千円。
ということで、今のところ食事代と観光代を抜きで4万1700円。食費は1日1500円とすると1500×4日=6千円。合計4万6700円。
まだ旅行日数4日である。
つづく(かも)
さすがヨーロッパの空の色は抜けるような青さである。・・・・・というのは真っ赤なウソである。ここは上高地の山の写真。
たしかに日本アルプスの名前にふさわしい。綺麗なものだ。
嫁さんの出産が間近につき、今年の夏は恒例の海外旅行にはいけないので、旅行記は書けません。
さてそこで今回は去年の中国旅行を振り返って、旅行の荷物について書いていこうと思う。
1:三脚はもっていくな
中国旅行での荷物で、持って行かなければよかったと思うものがあった。それは「三脚」。
ハッキリ言おう。三脚はよほど「夜景写真」に思い入れが無い限り、もっていっても意味が無い。
そもそも今回中国旅行は初であり、二度目三度目ならともかく、初の土地でいきなり夜景を
狙えるほど、撮影スポットに精通しているハズがない。
まさか敦煌に向う途中の夜空があんなに綺麗とは思わなかったし、街中には香港のような夜景
スポットなどほとんどないのだ。そう考えると、その国へ初回でとこうする場合は、下見の意味も
こめて、初回は三脚は必要ないというのが結論である。そりゃ使わなくても、なにがあるか分からない
から三脚は持っていった方がいい、という意見もあるだろう。しかし三脚は荷物の中でとても重く
そして非常にかさばるものである。毎日長距離を歩くことを考えると一丸レフの重量ですらしんどい。
2:ノートパソコンはほとんど使わなかった。ポータブルハードディスクなんていわんや・・・
中国旅行でノートパソコンを使ったのは、主にカメラのデータのバックアップと、あとはスカイプ
である。しかし、ネットが可能だったのは実にトルファンでの滞在2日間のみ。ポータブル
ハードディスクに至っては、使うことはまったくなかった。結論からいえば、先進国に行くので
無い限り、ノートパソコンはその機能よりも重さのほうが気になるのである。私のノーパソは
わずか1キロであるが、それでも重さはつらい。アダプターなどをいれると結構な重量になる。
結局16GBのコンパクトフラッシュを3枚ほど持っていけば、2週間程度の旅行写真の枚数
などは収まってしまう。
3:ノートとペン、これは本当に役に立つ。
重要なのは、いつでもどこでも瞬間的に取り出せるペンとノートである。つまりノートはA5
サイズのものではなくてA7とかのポケットサイズのものが使い勝手が良い。これなら胸ポケット
にも入る。
4:オフラインでもIPHONEは便利であった。
中国ではオフラインにしていたIPHONEだったが、スマートフォンというのは実に優れた
アイテムであることが分かった。なによりもPCと違って立ち上げの速度が早い。
重要な情報を前もって写真で取っておく、PDF化しておいて保存しておく、などの工夫をして
おけば、かなり役に立つ。しかも時計・目覚まし・時差・カメラ・録画・録音・音楽などがオフ
ラインでも使えて、しかもコンパクトで胸ポケットに入るほどの大きさなので、これはお薦めの
道具である。
5:水と食料は何よりも重要。
日本のコンビニのようにいつでもどこでも食糧や水が手に入るというわけではないので、
1リットルくらいの水は常時リュックに入れておく必要がある。物事がすべてスケジュール通り
に運ぶわけではないので、昼飯も定時に摂れるわけではない。そこで保存食でもなんでも
多少はいつもリュックに忍ばせておくことが必要だ。これが結構重いしかさばるのだが、
これらはいわばライフラインなので、他の荷物を削ってでも確保しておかなければならない。
空腹、もしくはのどの渇きが一番体力と精神力を奪う。飢えと渇きは旅そのものがイヤになって
しまうほど心を折れさせるので、もっておこう。
6:荷物は6キロくらいがベスト。
8キロはやはり重い。できれば6キロ程度に抑えたい。普段から歩いている人は8キロでも
大丈夫だろうが、やはりリュックというものは背負いながら観光するハメになる。リュックは
預けて観光へ・・・・なんてのは短期旅行者ではまずありえない。強行軍の旅行であれば
なおさらである。
7:直射日光対策を
旅行はたいてい屋外を歩くことになる。直射日光をあびつづけることは正直辛すぎる。
というところであろうか。
国宝松本城である。写真はHDR処理を施してある。この日は雨であったがHDR加工をすると、雲も建物も白飛びまたは黒く潰れることなく、綺麗に現像できる。
さてこの城の天守閣は国宝である。我が国の天守閣が国宝に指定されているものは、全国でたった4つ。彦根、姫路、犬山そしてこの松本城である。松本城は初代城主は石川数正である。この男はもと徳川家康に仕えていた重鎮だが、秀吉側に寝返ったことで有名である。寝返った理由は今でも不明とされている。この城の内部は完全に防御陣地としての機能しかない無骨な城で、城マニア垂涎の造りである。急な階段、武者走りなど、古くから造りを現在まで残している。
松本城は五層六階。最上階からの風景