朝日新聞
野党追及、攻め手不足 「政治とカネ」漂う手詰まり感2010年1月27日7時30分
参院予算委で自民党・西田昌司氏の質問で紛糾し、委員長席に集まる理事ら=26日午後2時21分、国会内、飯塚悟撮影
参院予算委員会の初日となった26日、野党側は衆院に続いて鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」の問題を攻めた。だが、一連の事件について有力な追及材料を示すことはなく、早くも手詰まり感が漂った。
「秘書の責任追及はどうするのか」。自民党の西田昌司氏は首相に対し、偽装献金事件で起訴された2人の元秘書の処遇をただした。首相は、元公設第1秘書は解雇したが、元政策秘書は「有能な人材なので私設秘書として働いてもらっている」と答弁。西田氏は「反省していない」と迫ったが、首相は「強く反省している」と突っぱねた。
小沢氏側の事件をめぐっては、さらに困難を極めた。参考人招致を求めても、民主党が応じる気配はない。問いただすべき小沢氏がいない中、土地取引問題の詳細を執拗(しつよう)に追及するあまり、簗瀬進委員長から「答弁者がここにいないので節度を心得て」とクギを刺される場面もあった。
質問に腐心する野党が繰り出したのが「小沢氏の問題をどう思うか」という質問だ。
改革クラブの荒井広幸氏は閣僚席に座る歴代の民主党代表に対し、資金管理団体による不動産所有は「国民目線の民主党から見て異常か」と質問。首相は「なかなか他の議員では(同様のことは)難しい」、菅直人副総理と岡田克也外相は「首相と同じ」と答えるにとどめたが、前原誠司国土交通相は「政治資金で不動産を買うべきではない」と厳しい姿勢を示した。
一方、自民党の舛添要一氏は「政治とカネ」の問題をめぐる今後の対応を首相に質問した。自民党は企業献金に依存しているが、舛添氏は「企業・団体・労組の献金を禁止し(税金による)政党助成金のみで政治を」と迫った。これに対し、首相は「政党助成金を増やすより政治への信頼回復が先という議論があり容易ではないと思うが、各党で議論を」とかわした。
読売新聞
資産追及、首相しどろもどろ…参院予算委
1月27日1時16分配信
26日に始まった参院予算委員会の論戦は、衆院に続き「政治とカネ」が中心テーマとなった。野党は鳩山首相の偽装献金事件を取り上げつつ、首相の個人資産の内容まで細かく追及。ヤジで騒然とする中、審議中断は十数回に及んだ。
この日質問に立った野党議員のうち、自民党の舛添要一氏、西田昌司氏、森雅子氏、改革クラブの荒井広幸氏が「政治とカネ」の問題をただした。
「首相の田園調布の自宅は10年以上登記されていなかった。なぜか」
西田氏は首相の個人資産を調べあげたうえで、「カネにルーズな首相」を印象づける作戦に出た。不意を突かれた首相は、「よく調べていただいて」「調べてみます」としどろもどろに。
西田氏はまた、首相が事件で略式起訴された元政策秘書を私設秘書として雇い続けている点を追及。「有能な人材だ」とかばう首相を、「あなた自身が反省していないことを証明している」と突き上げた。
自民党は、政府参考人として出席した官僚の答弁を巧みに活用。西田氏が「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書をただちに修正するよう求めたのに対し、首相は「すべての資料が検察にある」と拒んだ。しかし、西田氏は、法務省刑事局長から「請求があれば、(資料の)仮還付(仮返還)は可能」との答弁を引き出し、「事実を話す責務を果たせ」とたたみかけた。
首相は事件について「検察の捜査で解明された」として決着済みだとの立場だが、この日の野党の根掘り葉掘りの追及には、たびたびむっとした表情を浮かべた。保有していた株式の一覧表を開示するよう食い下がった森氏に、「あなただけご覧に入れてもいい」と約束してしまい、周囲を慌てさせる場面もあった。
改革クラブの荒井氏は、小沢民主党幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件を取り上げ、主要閣僚を次々と指名して資金管理団体が資産購入することの是非を質問。前原国土交通相から「政治資金で不動産を買うべきではないと思う」との答弁を引き出した。 .最終更新:1月27日1時16分
参院予算委で自民・森雅子氏が提出した陸山会が保有する不動産の資料を見る鳩山由紀夫首相=国会内で2010年1月26日午後3時2分、藤井太郎撮影 26日の参院予算委員会で、鳩山由紀夫首相が自らの株売却所得の申告漏れ問題に関連して、自民党の森雅子氏に対し、自ら売却した株式の一覧表を「あなただけに見せてもいい」と答弁し、委員会終了直後にカバンから取り出して同氏に示そうとして平野博文官房長官らに制止される一幕があった。
森氏が「売却した株の一覧表の提出を求めたが、なぜ出さないのか」と追及したのに答えた。
簗瀬進委員長(民主)も「(是非を)理事会で協議する」と押しとどめ、首相は森氏に「ごめんよ」と謝罪した。自民党は首相の答弁に反する平野氏らの行動を問題視し、抗議する構えをみせている。【田所柳子】
毎日新聞
鳩山首相:「国民から失笑」今度は自嘲 言葉軽く
2010年1月26日 22時45分 更新:1月26日 23時23分
鳩山由紀夫首相は26日の参院予算委員会で実母からの資金提供について「知っていたのではないか」と追及され、「国民から今、失笑を買っているし、申し訳ないと思っているが、全く存じ上げなかった」と答弁した。
鳩山首相はこれまでも発言の撤回や釈明に追われてきた。自らの偽装献金問題に関し「失笑」という自嘲(じちょう)的な言葉を使うことは、同問題での説明の信頼性まで損ないかねず、最高権力者としての「言葉の軽さ」を改めて印象づけた。
この答弁について、細川内閣で首相秘書官を務め、官房副長官だった鳩山首相と旧知の成田憲彦駿河台大学長(日本政治論)は「私も首相にどんな言葉を言ってもらうかに精力の半分以上を費やした。政治リーダーとして言葉の選択にエネルギーを費やしてほしい」と苦言を呈する。
追及した西田昌司氏(自民)も同じ趣旨の質問を繰り返す場面があり、川上和久明治学院大副学長(政治学)は「鳩山首相はもう逃げ切ったと思っているのではないか」と自民党側の攻めの甘さを指摘する。【鈴木直、野原大輔】
産経新聞
政治とカネでこころもとない首相答弁 当事者意識も責任感もなく (1/2ページ)
2010.1.27 00:31
このニュースのトピックス:鳩山内閣
参院予算委員会で答える鳩山由紀夫首相=26日、国会(酒巻俊介撮影) 26日の参院予算委員会では、鳩山由紀夫首相の資金管理団体をめぐる偽装献金事件が改めてクローズアップされた。首相は実母から受けた資金提供の総額が12億6千万円であることを即答できないなど、当事者意識の欠如と政治資金に対する責任感の低さをあらわにした。民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体の政治資金規正法違反事件でもも、小沢氏を擁護する場面が目立った。
「平成14年7月から21年6月まで月1500万円、母から贈与があった。トータルは計算していただければと思います」
自民党の西田昌司氏が実母からの提供資金総額を尋ねたところ、首相は即座には答えられなかった。西田氏が「計算して知らせるのはあなたの責務だ」と問いつめても、指折りして数え始める始末。
資金提供を知った日にちに関しても「12月26日だったかと理解してます…23日です」と言い直した。首相の元秘書2人が在宅・略式起訴されたのは12月24日。首相は同日に記者会見を行っている。26日に知ったというのはあり得ず、首相自身が「決着した話」と主張している通り、記憶も遠のき始めているかのようだ。
首相は西田氏がいくら求めても、政治資金収支報告書を直ちに訂正することをかたくなに拒んだ。
首相は昨年7月に資産補充報告書の訂正を衆院事務局に届けたが、その後に判明した虚偽部分を修正していない。首相は「資料が検察にある。正確を期すために公判が終わって、資料が手に入ったときに修正を行う」と、正当化してみせた。もっとも、この日の予算委で法務当局は請求があれば証拠品を還付することができると説明した。
実母から受けた12億6千万円の使途開示についても「公判後」としており、野党は実態解明の先延ばしだと批判を強めている。
首相は在宅起訴された元公設第1秘書(会計実務担当)の勝場啓二被告が資金を横領した可能性を問われると、「横領するような人物ではない。そのようなことはないと信じている」と答弁した。25日の衆院予算委で政治資金収支報告書を「十数年見ていなかった」と明かした首相が、「信じる」を連発しても空疎に響くばかり。
西田氏が略式起訴された芳賀大輔元政策秘書を現在も私設秘書として雇ったことを問題視しても、「有能な人材だ」と擁護した。
首相は続いて質問にたった自民党の森雅子氏から売却株の一覧表の提出を求められると、「あなたにだけご覧に入れてもよろしいのですが…」と表情をゆるませた。委員会終了後、実際に一覧表をとりにいった森氏に首相は「いいよ」とみせようとしたが、平野博文官房長官から阻止された。
小沢氏にかかわる政治資金規正法違反事件についても首相は「国会で決めてほしい」と述べるにとどまった。民主党が独自に調査することも拒絶し、自ら信頼回復に向けて指導力を発揮しようという意欲は最後まで感じられなかった。(坂井広志)
いやー、ここまで新聞社によって見解と内容が異なるとは。
一部の新聞社にある方向ベクトルがかかっている傾向があるとは分かっていたが、鳩山がこういう状況に追い込まれても、なおも擁護的な記事が載るとは、改めて偏向報道の執拗さというものを改めて実感した次第ですな。
しかし、こんなヒドイ見解を載せるのなら、「報道は事実を解明する」などとか「監視機能」などというような大義名分など吐く資格はなさそうである。素直に「商売でやってます」「思想でやってます」と言ったほうが、はるかに清々しい。
ハッキリいって自民はクソだが、民主はさらに輪をかけてクソである。碌な経済対策も打てないだけにとどまらず、スキャンダルについてもこの体たらく。一部ノマスコミの必死な擁護があって、ようやく支持率50%をきる程度に留めてくれているのに、ごまかしきれないものが噴出する。この期に及んで、外国人地方参政権法案まで国会に提出する始末。沖縄問題も参院選まで棚上げ。すべては政局のためだけの「政策」である。この内閣にここまでの支持が未だにあるのがサッパリ理解できないが、こういう政府の機関紙のような新聞社があるという事実を見ると、なるほど、その理由も説明がつくかも・・・と少し納得してしまう。