Eos5D写真三昧 格安の海外旅行記と国内旅行のすすめ

海外旅行の情報を旅行記として綴った記録。EOS5Dとiphoneで撮った写真をあげております。

六日目:鍵の行方は?

2009年09月30日 21時06分52秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L

今日はホテルのチェックアウトの日。さて、今日の宿泊はどうしよう?と朝考えるが、鍵を無くしているので考えがまとまらない。ツェルマットにもう一泊するかどうか。それもこれも鍵が見つかるかどうかに懸かっているのだが、もしも宿を手配するなら体力があるうちのほうが良い。ヘトヘトになって宿を探すのはとても苦しいことを私は経験上知っている。・・・なんてことを駅へ向かう途上で考えていた。まぁ、考えていても答えは出ない。とりあえず今日は動き回ることになるだろう、という事を覚悟していた。差し当たって荷物になるリュックが邪魔である。泊まるにせよ、鍵が見つかった後ツェルマットを発つにしろ、まずはこの重いリュックをなんとかしないといけない。そこで、リュックを駅のロッカーに入れることにした。カメラだけを首からぶら下げて、まずは軽装になった。
さて、その後すぐさまツェルマットのゴルナーグラート鉄道のキップ売り場の窓口に行った。そして窓口の人に、紛失物はないかと尋ねた。ダメ元での質問である。これで「無い」というならば、もう一度昨日のコースをなぞるしかない。窓口の人はこう答えた。「あるが、何を落としたんだ?特徴は?」と。この言葉ですこし光明が見えた。・・・だが、落し物を駅で預かるというのは珍しいことではない。問題は私の鍵がそこにあるかどうかだ。電車内で忘れたのなら、届けてくれる可能性はあるだろうが、外で落としたらそれも難しいだろう。仮に電車内で落としたとしても、始発のツェルマット駅にすべての紛失物が集められるようなシステムになっているのか?そんな事を考えながら、私は自分が落とした鍵の特徴をこう説明した。

「車の鍵だ・・・、そしてそれには金庫の鍵もついている。他にも倉庫の鍵もついている。」

金庫の鍵だ、と、私が言った時に、窓口の人は「オーー」っと同情の声を上げたのを私はよく覚えている。そう、事は深刻なのだ。そして窓口の人は「ちょっと待っていてくれ」と言い、奥に向かって歩いていった。
さぁ、審判の時である。この時間は本当に長く感じた。私は答えながら、頭の中では昨日のコースをどうなぞるかを既に考えていた。
しばらくして窓口の人が戻ってくる。その手には・・・なんと、見覚えのある鍵の束が握られているではないか!そう、あったのだ。駅に届けられていたのだ!
私は嬉しさのあまり、思わず「そうだ!それだ!!!」と叫んでしまった。窓口の人にお礼をいうと、その人も私の表情が異常に嬉しいことに気づいたようで、同じように素晴らしい笑顔になって、「そうか、そうか、よかったな」と言ってくれたのである。
この結末は、奇跡と言っても良いかもしれない。結局、嬉しさのあまり、どこでこれが落ちていたかについては聞かず仕舞いになってしまったので、今でもその場所については分からないのだが、おそらくは電車の中ではあるまい。確実に屋外である。それを観光客の誰かがおそらく届けてくれたのだろう。西洋人の凄いところは、こういうことをほとんど皆がやってくれることである。

かくして、前日の午後9時に発覚した事件は、翌日の午前8時には解決した。おかげでこの後の旅も、士気が下がることもなく続けられる。まさに幸運というべきである。もしも、私が鍵の紛失に気づくのがあと1、2日遅れていたら、もっと厳しいことになっていただろう。その場合は、ツェルマットをおそらくは発っていただろうから、また戻ってこなければならないし、鍵の落とした可能性のある場所も、もっと領域が広がっていて、場所を特定できなかったかもしれない。また、仮に昨日のハイキングの途中で気づいたとしたらどうだろうか?その場合は、ヘトヘトになりながらも、来た道を引き返して、延々と探し続けていたに違いない。その場合、体力はボロボロになり、おそらく翌日にも疲れを引きずることになったかもしれない。結果的に、私は最高のシチュエーションで鍵を紛失したことに気づいたわけだ。速すぎず、遅すぎず・・・である。

午前8時に解決。この事実は、なにか今日一日が、ボーナスタイムかのような錯覚を私に起こさせた。つまり、いきなり自由に使ってよい日になったのだ。もしも窓口で見つからなければ、半強制的に昨日のコースをなぞることは決まっていたのだが、それが一気になくなった。

さて・・・急に、やるべき事がなくなった。今日はどうしよう?・・・という贅沢な悩みが沸いてきた。思いがけないフリーな時間が手に入ったので、今日はマッターホルンの麓まで行って、そこで半日ブラブラとハイキングすることにした。目指す目的地はシュヴァルツゼー(黒い湖)である。

(写真は、紛失した鍵を取り戻した後に撮ったもの。ツェルマットのゴルナーグラート始発駅である。この日は日本人の団体さんが多く、ご覧のように写真の中に写っている黒髪の人達は、すべて日本人である。)

次回はシュヴァルツゼー。

再びゴルナーグラート鉄道に乗る(8月23日:五日目) その2

2009年09月30日 04時43分45秒 | スイス旅行記2009年8月
EF15mmF2.8 Fisheye

山登りには、水分補給は必須である。高所では、水分が失われている事に気づきにくいという。水分欠乏になると高山病にかかりやすくなるという話もあるので、毎朝必ず1リットルのペットボトルを持って山に登ることにしている。これでも足りないくらいで、一日平均2リットルは山歩き中には飲む。これでスーパーでハムとチーズなどを買って持っていけば、ハイキングの途中の休憩で軽食が摂れるというワケである。とにかく外食を抑えれば、それだけ安くすませられるし、良い景色の場所で一息ついて食事をすれば、ハイキングがいっそう楽しい。連れがいればもっと楽しいのだろうが、今回は自由気ままな一人旅を選んだので、これは仕方のないことである。



EF24-105mmF4L

ゴルナーグラート駅からモンテ・ローザ方向にしばらく歩くと、写真のように下りの分岐道がある。この道を降りると、最終的には氷河の場所まで行ける。行けることには行けるのだが、しかし問題がある。例えば、線路沿いの道を歩けば、最悪でも駅までたどり着けるだけの体力を残しておけば、少々無茶をしてもかまわないが、この道を下った場合、下でヘトヘトになってしまったらアウトである。かならずこの場所に戻ってこなければならないので、自分の体力と相談して決める必要がある。
私の出した答えは「ムリ!」であった。




NIKKOR 28-200mmF3.5-5.6 +マウントアダプター

ニコンのマウントアダプターを着けて、200mmで撮影。折角様々なレンズを持ってきたのだから、使わないと勿体ない。その度にリュックを開けたり閉めたりと忙しいのだが、時間はタップリあるので問題ない。
この写真は何気なく撮ったものだが、現像して等倍で見てみると驚いた。



また人だ。この山の名前はブライトホルン。前日にクラインマッターホルン頂上に行った時にも、同じ場所に登山者がいた。時刻はまだ正午にもなっていない。おそらく早朝から登り始めたのだろう。今日の天気は非常に良いので、あそこからの景観はおそらく最高なのだろう。ブライトホルンの頂上に、毎日人が絶えないということに、ただただ驚いた。



EF24-105mmF4L

ご覧のように、所々に湖(というか池)がある。もっとも大きい湖は、この写真の場所よりすこし下がった場所にあるリッフェル湖である。風が穏やかな日であれば、マッターホルンを湖面に映し出すことが出来る。私が行った日は、残念ながら風が出ていたので、それを写真に収めることはできなかった。まぁ、この辺りまで歩いてくると、正直ヘトヘトになっていて、風が収まるまで待っていられなかった・・・というのが真相であるのだが・・・。


さて、この後下山して、夕食を摂ってホテルに帰った。シャワーを浴びて、一息ついたらもう午後9時になっていた。私の旅行中の日課は、夜に、その日の撮ってきた写真を、日本から持参してきたノートパソコンに落とすことだった。その日もいつものようにリュックからUSBケーブルを取り出し、作業を始めようとした時である。「あれ!?」・・・と、何かが無いことに気づく。実は私は日本に置いてある車の鍵を、この旅行に持ってきてしまったのだが、その鍵が所定の場所に無いのである。たしかリュックの下のポケットに入れていたハズだが・・・。どこかに移動したか、とリュックのワキのポケットなども調べるが、見つからない。おかしいな、と思い、全てのポケットを調べるが、やはりない。嫌な予感がした。同時にしまったと後悔した。私は今日の撮影にあたり、全てのレンズを持っていこうとして、貴重品の入ったリュックにレンズを詰め込んで持っていった。それはまだ良い。だが、次の行為が致命的だった。それはレンズを入れる場所である。取り出しやすいように、リュックの外側についているポケットにレンズを入れ込んだのだ。そして、そのポケットには貴重品である日本の車の鍵が入っていたのだった。さぁ大変だ。どこで落としたか? 今日、レンズを取り替えた回数は、それこそ無数にある。その度にリュックのポケットを開いてきた。おそらく、その中のどこかの一回の時に、鍵を落としたのだろう。つまり、鍵はゴルナーグラート~リッフェルアルプ間のどこかにあるのである。
さらに事態を深刻にしていたのは、その鍵には、車以外の鍵も一緒につけていて、その鍵が金庫の鍵だったという点である。現在時刻は午後9時。この時間ではアクションを起こしても、全ての施設は閉まっているから無意味である。だが、不安と焦燥感は募るばかりである。
「しまった。しまった。あんな大事なものをリュックの外側のポケットなんかに入れておくんじゃなかった。」、と後悔するが、とき既に遅し。「これは、明日、今日と同じルートの道をもう一度なぞらなければいけないか?」と考え始めた。だが、その考えにはウンザリした。明日はハイキングという気分にはなれないだろう。同じルートを二日続けるだけでもお腹いっぱいである。しかも今日歩いたコースはかなりシンドイルートである。それに、同じルートを歩いたからといって、鍵が見つかるとも限らない。もし谷底にでも落ちていれば、絶対に見つからないのだ。その可能性は十分ある。さらに、それとは別の問題もあった。ホテルの宿泊は今日までで、明日の朝にはチェックアウトしなければならないのだ。このように一度歯車が狂うと、次々と問題が重なってくる。
鍵を探すのは諦めるか?とも考えたが、それはあんまりである。見つけておかなければ、この後の旅の士気にも影響する。だが見つかるのか?・・・という不安の堂々巡りをしばらく続けるが、今日の夜に考えていても一向に解決しない。とりあえず、明日駅に行ってみよう、と割り切って寝ることにした。

どうして、日本の車の鍵をスイスにまで持っていったのか?という疑問を持たれた方もいるだろう。理由は、私の自宅から最寄の駅まで車で行って、駅の駐車場に車を停めて、それから成田に電車で向かったからである。

この結末は次回に明らかになります。

再びゴルナーグラート鉄道に乗る(8月23日:五日目) その1

2009年09月29日 03時21分18秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L

五日目は、朝焼けの空でもそうであったが、雲一つなく素晴らしい天気に恵まれたので、再びゴルナーグラート鉄道に乗って頂上を目指すことにした。ツェルマットに到着の初日にも、ゴルナーグラート頂上へ行ったが、あの日は午後にのぼり、しかも途中から曇ってしまった。しかし、今回は快晴でしかも午前中から登る。ゆっくりとハイキングができ、じっくりと写真を撮ることができるワケである。

この日は、珍しくリュックを背負って頂上まで行った。普段は上着のポケットに2本くらいのレンズを入れて、軽装でハイキングをするのが常であったが、なにせ絶好の天気である。全てのレンズを持っていくにはリュックを背負わないとムリである。
実はこの選択が、この後にとんでもない結果をもたらすことになるのだが、この時はまだ知る由もなかった・・・。



ツェルマットからゴルナーグラート鉄道に乗る時、電車の右側の窓際と左側の窓際のどちらに座るべきだろうか?正解は右側である。右側の方が圧倒的に景色が良い。マッターホルンが見えるのも右側。モンテ・ローザ~ブライトホルンが見えるのも、やはり右側の窓際である。
この日、私が乗った電車には、台湾人の団体が乗り込んでいた。彼らはキャノンやニコンのロゴが入った一眼レフやコンデジを持っていて、日本の観光ツアーのように、窓から美しい風景が見える度に忙しくシャッターを切っていた。・・・と、言っている私自身も、彼らと同じ事をしていた。
「あぁ、カメラをぶら下げて撮影旅行しているのは、日本人だけではなく、台湾人もまた同じか・・・」などと思っていると、なんと西洋人も同じように忙しくシャッターを切っていたのである。かつて西洋人は、日本人が一様にカメラを首からぶら下げて、外国の観光ツアーなどで写真を沢山撮っている光景を見て、それを馬鹿にしたものである。だが、この旅行中でみた外国人の多くもまた、今やほとんど我々と同じ行動をとっている。今やわかった。あれはヒガミだったのではないか?これだけ海外でもカメラが安く買える時代である。実は彼らも欲しかったのだが、カメラが高すぎて手に入らなかったのだろう。だが、日本製の安く性能のいいカメラが、デジタルになって世界中に爆発的に普及した。そうしたら、西洋人も同じように写真を撮りまくるではないか。彼らの使っているカメラのメーカーは、ほとんどがキャノンかニコンである。



さて、今日のハイキングコースは、赤線のルートである。
ゴルナーグラート駅から、ツェルマット方面に駅二つ分を歩くというものである。
この日は、早朝から朝焼けを撮る為に歩き回っているので、このコースを制覇するのは結構ツライものがある。だが同じ10キロであっても、ビル街の市内を歩くより、美しい山道を歩く方が疲れないものである。



この日の天気は恐ろしく良くて、どこまでも雲がない。空も青い。午前中の日光はガスがかかっておらず美しい。まさに撮影、ハイキング日和である。



ツェルマット到着初日に撮ったのと同じアングルの写真だが、空気のクリアーさが明らかに違っている。

8月23日(五日目) 朝焼け

2009年09月25日 01時35分50秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L

ツェルマットの町から見た、マッターホルンの朝焼け。
早朝、目を覚まして空を見ると赤い。「しまった、逃したか!」と思い、すぐさま着替えてカメラと三脚をもって外に出ると、もう山が赤い。もはや撮影ポイントを吟味している時間はない。三脚は持っていったのは良いが、レリーズを部屋に忘れたのを思い出すが、もう戻る時間もない。
仕方がないので、タイマー撮影に切り替えて撮影した。かなりの枚数を取ったのだが、ピントがまともな写真が少なかった。UPした写真は、その中でもマシなものである。



写真は、すこし時間を遡った時に撮ったもの。

四日目の午後。

2009年09月22日 20時05分11秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L

ただロープウェイに乗り頂上に行き、ただロープーウェイに乗って下山するのでは芸がないし、第一面白くない。そこで、ロープウェイの中継地点であるトロックナーステークから、クラインマッターホルン方面に1時間ほど歩くことにした。写真は終着地点のレストランである。

まだ四日目だが、普段の日常生活では考えられない程、毎日歩いている。一日平均4時間以上は歩きっぱなしである。距離にしてみると、おそらく一日で10~20キロくらいは歩いているだろう。もう四日目なので、足の疲れはピークを超えた。疲れとは、ある一定量を超えると後は楽になるらしい。「もう歩けない」というのはウソで、休みながら歩けば、人間は一日30キロは歩ける。
だが、ここで一つのワナがあった。私は旅行前に荷物を減らすことに拘り、荷物の総重量をリュック込みで8.7キログラムまで抑えたのだが、これが別の問題を生んだ。問題とは、以下のような事柄である。

1:防寒対策がまったくない。
2:日焼け対策もない。
3:登山靴にすらしていない。

である。結論として、1~3の全ては現地で調達すればよいのだが、値段が高いのである。私は結局三つの問題点のうち、2の日焼け対策しか現地調達しなかった。あとの問題は、そのままの装備で押し通したのである。だが、1と3が満たされていないというのは、ハイキングにとっては致命傷になりかねない。事実、防寒対策が整っていれば、前日にUPしたブライトホルン頂上を目指せていたかもしれない。氷河もトレッキングできていたかもしれない。「ちょっともう一回スイスに行ってくる」...なんてことは出来ないという事は知っていたハズなのに、事前準備が甘かった。重量なんてホテル泊まりでレンタカーを使うのだから、そこまで過敏になることはなかったのである。
さて、2の日焼け対策。これは重要である。山登りに日焼け?などと侮ってはいけない。日焼けというのは、主に午前中と午後3時以降にキツくなることが、今回経験的に分かった。太陽が低い位置にある方が、日光の照射面積が大きいのである。影が出来にくい。私は半袖、半ズボンでハイキングをしていたのだが、袖については上着のビニールジャンパーを着れば、直射日光はさけられるので良いのだが、問題は足であった。半ズボンから下、靴下から上の、丁度ふくらはぎ~ひざにかけての場所は、モロに直射日光に晒される。3日間は耐えてきたが、もう真っ赤っかなのである。足の痛みよりも、日焼けの痛みの方が気になり始めたのだ。これは、本当に深刻な問題である。日焼けを馬鹿にしてはいけない。ハイキングは蛇行した道を歩くために、足は満遍なく日光に晒される。午前と午後3時以降は景色も丁度良くなる時間帯なので、撮影中は足などを気遣ってはいないのだが、この時の時間帯の日焼けが一番厳しい。足が日光でチクチクするのが分かるほどなのだ。
 
さすがの私も耐えかねて、お店でひざ上までくる長さの靴下を買ったのだが、その値段の高さにビックリした。なんと3600円!靴下に3600円もするとは!勝った場所も悪かった。見るからに観光客を相手にしている店だったからである。後日、スーパーマーケットにも似たような靴下があるのを発見し、悔しい思いをした。なんとそこでは1800円くらいだったのである。くそ、ボッタくられた。



写真のやや右側に黒い尖った高く小さな山がある。あれがクラインマッターホルンである。クラインとは「小さい」を意味するドイツ語の形容詞。グリンデルワルト地方にある「クライネシャイディック」の「クライネ」も同じ意味だ。語尾変化してクラインではなく、クライネになっている。要するに「小さなマッターホルン」という意味である。確かになんとなくだが、マッターホルンに似ていなくもない。

まぁぶっちゃけニセモノである。だが、そのニセモノから見える風景は絶品である。

クラインマッターホルン頂上2

2009年09月20日 04時05分43秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L

先日、ある友人からメールを貰った。なんでも、山の写真はどれも似たようなものに見えてしまうのでつまらない・・・と。確かにそれは分かる。いま、ブログにUPした写真をみてみると、たしかに同じような山の写真ではないけれども、変化に富んでいない。今、見返してみるとそう思わないでもない。これはある意味仕方のないことかもしれない。というのは、行っている最中は、そんな事はまったく思いもしないからである。というのは、同じ山に登っても、その日その日の発見と驚きと綺麗さがあるのだが、残念ながら写真ではそこまで伝わらない。撮影力の無さもあるだろうが、同時に写真の限界ということもある。

ただ、去年のクロアチア旅行のような超強行軍では、今度はまともな写真が撮れない。旅行記としては面白くなるのだろうが、ああいう旅はしばらくはもういらないのである。写真はブライトホルンの裏側。この写真の右側はもうイタリア領である。



雪と岩の風景である。本来であれば人が生きていける環境ではないハズだが、文明の利器を使えばものの1時間もかからずにここへ来られる。雪だけの大地。死の世界といっても良いかもしれぬが、しかし景色は美しい。
遠くの雪渓に黒い点が複数見える。あれは人である。登山者である。



EF135mmF2L

よくよく見てみると、それらの登山者の集団は、アリの行進のように、ブライトホルン頂上まで続いていた。なんという恐ろしい所を登るのだろうか。彼らには見えないだろうが、下からみると、雪は岩山の上に不安定に被っているだけで、いつ崩れてもおかしくない。崖のほうの雪がえぐれて崩落すれば一巻の終わりである。



等倍の写真。さすがは135mmF2L単焦点レンズ。恐ろしい程の解像力である。人間の四肢までが見事に見える。彼らがプロの登山家なのか、それともここのロープーウェイの駅から歩いて頂上を目指す中級ハイキングの人なのかは分からない。
あそこからの眺めはさぞかし絶景なのだろうが、私は恐くて・寒くて、とても行けない。第一滑ったりでもしたら谷底へまっさかさまである。

クラインマッターホルン頂上(四日目)

2009年09月19日 02時37分21秒 | スイス旅行記2009年8月
EF15mmF2.8Fisheye

さすがは3800m地点。富士山の頂上よりも高いこの展望台は、寒い、そして空気も薄い。ここでは走ることはご法度である。高山病になってしまう危険性があるのだ。
景色は絶景。360度のパノラマで、どの方角を見ても絵になる。写真は柵があって、写真としては不出来だが、頂上の絶景の雰囲気は伝わるだろうか?



柵越しに撮影するとこのような景色になる。写真の中央に写っている雲に隠れた山がマッターホルンである。ツェルマットの町から見たマッターホルンは、バイキングの角のような形をしているが、クラインマッターホルンから見たマッターホルンの形は・・・ちょっとショボイ。



EF24-105mmF4L

拡大すると、これである。裏から見ると、スター性のかけらもない姿である。
雲がなければ、ここからは遠くユングフラウまで見えるという。凄いことである。





写真の真ん中に横長い山がある。あの山こそゴルナグラート鉄道が通っている山である。ゴルナグラート駅ですら3000mの地点にあるのに、ここからでは遥か下界の方に見える。


8月22日(四日目) 目指すはクラインマッターホルン。

2009年09月18日 01時34分10秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L
今日の目的地はクラインマッターホルン。海抜3883mの地点にあるロープウェイの終着ポイントである。写真は午前8時半頃のロープウェイ内からツェルマットの町を眼下に見下ろす形で撮影したもの。早朝なので薄暗く、薄雲が山腹あたりに広がっている。




本日の目的地クラインマッタホルン場所は、右上の頂点にある緑色のランプの地点。白抜きの文字でMatterhorn glacier paradiceと書いてある所だ。ロープーウェイ乗り場はツェルマット駅から徒歩で20分程かかる。
ツェルマット~クラインマッターホルンまでのロープーウェイの往復料金は90CHF(約8200円)



ツェルマットの顔ともいえるマッターホルン山。標高4478メートル。ロープーウェイの右手側に見える。今回の行き先はクラインマッターホルンであり、マッターホルンではない。

ゴルナグラート頂上

2009年09月16日 13時07分45秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L
山の名称は左から順に、モンテ・ローザ、リスカム、ブライトホルンと続く。
この写真は4枚の写真を繋げて作ったパノラマ写真である。この写真もグリンデルワルトの時と同様に南面、つまり南を向いて撮影している。



氷の河、氷河とは上手く名付けたもので、たしかに河に見える。それにしても氷の力は凄まじく、岩石を削りながら進んでいるのが見事に分かる。氷河の黒い部分は岩石の欠片である。山を時間をかけながら粉砕・侵食しながら進んでいる。元々はただの水なのに、である。



EF135mmF2L

写真の山はモンテ・ローザ(4634m)。スイス最高峰の山である。モンテ・ローザといっても、白木屋などの飲み屋さんの事ではない(笑) れっきとしたアルプスの山の事である。
ここは既にイタリア国境付近であり、写真の山の峰の向こう側はイタリア領である。この日の天気は、晴れのち雷雨のち晴れ。山の天気は本当に変わりやすく、一時は土砂降りになったのだが、午後3時を過ぎた頃にはまた晴れ間が広がった。

ここでスイスの鉄道事情について一つ。これはヨーロッパ全線で同じことだが、電車は出発時刻が来たら音もなく発車する。日本のように「プルルルル」という音は鳴らない。また、登山電車は例外であるが、たいていの電車には一等車、二等車が今もある。日本にもかつてあったが今この呼び方はなくなっており、現在では「グリーン車」と呼ばれるものが一等車である。



EF24-105mmF4L

景色の良さの点で言えば、ユングフラウヨッホのあるベルナーオーバーラントよりも上かもしれない。ハイキングのバリエーションの多さについても同様だろう。体力が許せばの話だが、写真の下に写っている氷河まで徒歩で降りることは可能である。



EF135mmF2L


8月21日:ツェルマット到着~ゴルナグラート鉄道へ。

2009年09月16日 02時06分00秒 | スイス旅行記2009年8月
EF135mmF2L
ツェルマット到着後、ただちに宿を確保しにいく。駅にはツーリストインフォメーションがあるが、ここのインフォメーションはとても不親切である。普通、観光地のツーリストインフォメーションの窓口では、オペレーターが電話などを使ってホテルの予約をしてくれるものだが、ここではそんなサービスはなく、地図とホテル一覧表を渡されて「あとは勝手にやってくれ」と言わんばかりに終わらせてしまった。
ここツェルマットのホテルも高いのだが、私が選んだのは「HotelAlpina(ホテル アルピーナ)」は泊85CHF(約7800円)。ここは正確にはホテルではなくロッジである。朝食つきでこの値段なら安い。



宿の確保も出来たので、早速ハイキングを開始する。ツェルマットの見どころは大きく二つ。一つはこれから行くゴルナグラート鉄道の頂上「ゴルナグラート駅」。(地図の真ん中の緑のランプの所)
もう一つは、地図の右側の高いところの緑のランプの所である「クラインマッターホルン」である。本日向かうグルナグラート駅は標高海抜3089mにある。ヨーロッパ最高峰の駅ではないが、これまた随分高いところに建っているものである。

ゴルナグラート駅まので往復キップの値段は、通常ではたしか80CHFくらいする。ところが、午後1時30分以降の電車に乗る場合は割引の特典がうけられて、67CHFくらいになるのだ。まぁ基本的に昼から登るのは勿体無いが、私の場合は昼に到着したので、これを利用することにした。
山頂からの写真の続きについてはまた後日。

二日目の夜~三日目(21日)の午前中

2009年09月15日 02時15分19秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L

ここ二日間、朝は8時~夕方の4時ごろまでウォーキングをして、夜は23時には就寝という、極めて健全な生活を送っている。ネタバレになるが、12日間のスイス滞在の中で、実に10日間は平均5~6時間は確実に歩いた。ほぼすべての日において、朝は6時半~7時に起床、夜は22時~24時に就寝である。この旅行で確実に健康になり、足腰が強くなったハズである。
さて、写真の場所はグリンデルワルトの駅付近。山が夕焼けで赤くなっている。この明るさで時刻は既に午後8時半である。



さて、日付は変わって翌日の8月21日。朝食である。バイキングスタイルだが、スイスの朝食は、だいたいどこも同じ。パン、ハム、ヨーグルト、たまにチーズ、ゆで卵、コーヒー、オレンジジュース、ミルク。そんなところである。要するにスーパーで簡単に手に入るものばかりである。まぁ朝食込みでホテル代が85CHFはリーズナブルな方だろう。バイキングなので、朝はガッツリ限界まで食って、昼を少なめにするのが節約のコツ(?)である。
今日は移動日である。グリンデルワルトに滞在すること二日で、三日目には移動とはずいぶん慌しいと思う人もいるだろう。私もそう思う。これには理由が二つある。一つ目はまっとうな理由で、天気である。天気予報によると、グリンデルワルトがあるベルナーオーバーラント地方はこれから二日間天気がよろしくない。ところがスイスの南の方では晴れるのである。スイスの南には、これまたベルナーオーバーラント地方にまさるとも劣らない景勝地のツェルマットがある。天気が良いからそっちに行こうと決めたワケである。もう一つの理由は、しょーもないもので、要するにレンタカーを借りたはいいが、ほとんど車を使っていないので、もったいないと思ったワケだ。「もっと走らねば」という例の悪い癖が出てきたのである。



この日のベルナーオーバーラントは曇り。朝食を朝7時に摂って8時には出発した。
さてルートだが、↑の地図の白線がそれである。実はグリンデルワルトから西へちょっと行ったところから鉄道が南北に通っていて、山脈を横断する線がある。(地図参照:黒い縦線) この鉄道はなんと自動車を運べる鉄道なのである。電車に車を載せて、山脈を縦断するのである。そのルートも捨てがたかったが、なによりも「車を走らせたい」という欲求には反するし、余計な金もかかれば、時間もかかるという事で、結局は白線のコースを走ることとなった。

さて、目的地のツェルマットだが、残念ながらこの町に自動車を乗り入れることは出来ない。景観を守るため、そして自然環境を壊さないためという配慮の点から、電気自動車だけしか乗り入れが出来ないのである。車で乗り入れることが出来るギリギリの町はテッシュ(地図参照:黄色い文字)までで、その町に車を停めて、そこから電車でツェルマットに行くしかないのである。
テッシュの駅には大きなパーキングがある。1000台、いや3000台は停められるだろう。さて駐車料金だが、一日12CHF(約1100円)である。覚悟はしていたことだが、やはりこの国では車に乗っていると高くつく。ツェルマットには少なくとも3日くらいは滞在しようと思っていただけに、一日1100円はちょっとヘコんだ。



テッシュからツェルマットまでの所要時間はおよそ10分。グリンデルワルトを出発してから4時間後の正午にツェルマットに到着した。
到着してから、早速ホテルを確保した後、すぐに山登りを行うことになるのだが、その内容と写真については、次回にUPすることにする。

またもや閑話

2009年09月14日 11時27分39秒 | スイス旅行記2009年8月
ここでスイスとグリンデルワルトのスーパーマーケットの話を一つ。
ヨーロッパのお店には昼休みと休日がある。昼休みは主に12時~14時。休日は日曜日である。土曜は昼ごろまでの営業という地域もある。これはお土産屋だろうとスーパーだろうとだいたい一緒で、日曜日は営業はしない。つまり土曜日の昼までに食材を買い逃すと、月曜の朝までは手に入らないのである。日曜日は、神が人間に与えたもうた休息日というワケなのだ。
…ところが、グリンデルワルトは別なのである。さすがは観光地だけあって、スーパーだろうが土産屋だろうが日曜日も営業している。いわば神への反逆である。キリスト教のお国であっても、商売の為とあらば働くとは…
さて、グリンデルワルトにはスーパーマーケットが二つ存在する。両方とも駅から数分の所にあるのだが、近い方のローカルスーパーと遠い方のコープである。遠いといってもローカルスーパーから50メートルくらいしか離れていないが。ところがである。二つのスーパーでは商品の値段が違うのである。コープの方が安いのだ。その差はどの位かと言うと、ペットボトルの水の値段でローカルスーパーが110円。コープは87円。その差20数円もある。



スーパーマーケットと言えども決して激安ということではない。日本と殆ど同じ値段になってしまう。卵6個入りのパックが250~350円。ペットボトル350mlの水が87円。これがジュースになると120円。スイス人は日本と同じく食費が結構かかるなぁ、と思うのだが、これにもどうやら落とし穴というかカラクリがあるようだ。
詳しくは調べていないので分からないが、スーパーマケットにはポイント制のカードがあるようで、要するに通ってポイントを貯めれば、何らかの特典が受けられるようである。それが値下げなのか何なのかは分からないが、まずこれが一点。
次に、容量が多いものを買えば安くなるという当然の原理である。350mlのペットボトルを買うよりは、2リットルのペットボトル6本セットとか8本セットを買ったほうが単価は安くなる。350mlの水は87円だが、2リットルの6本セットは320~450円である。単価にして53~75円である。ハムも切り身のパックを買うよりも、上の写真のようにソーセージ状になった筒一本を買うほうが断然お得である。
何が言いたいのかというと、つまり定住者・生活者はこういうものを買うので、安くつくのだが、旅行者は2リットルのボトルを6個とか8個なんて買えない。一箇所の場所に1週間くらい滞在するのであればともかく、また冷蔵庫でもあるのならともかく、それがなければスーパーの安さの恩恵はあまり受けられないのである。スイス人の食材にかかる費用はこうして抑えられているのだろう。



こういうことなので、宿泊施設はホテルよりも賃貸ペンションを推すワケである。なお、スイスにも「消費税」といわれるものがあるが、これは税率が一律ではなく、商品に応じて税率が変化する。
たとえばレストランでの食事。これには消費税率はMAXの7.6%。ホテル宿泊も3つ星以上になると7.6%+クーアタックスという宿泊税?のようなものがかかる。お土産にも7.6%。だが、食料品には(たしか)2.5%ぐらいしかかかっていない。ちなみに登山電車のキップも7.5%。おそらく観光地でない市内を走る路面電車などは3%くらいなのだろう。登山電車は贅沢というワケだ。ヨーロッパにおける消費税の名称は「付加価値税」という。付加される価値によって税率が変わるということなのだろう。消費すれば税が一律取られるというようなわが国の税とは違う。
1990年代のドイツにおける付加価値税は約15%であった。当時の水の料金は1リットルで60円くらい。その頃と今とでは円の強さが違うので、あまり比較にならないが、スイスの物価はたとえ付加価値が7.6%でも高すぎるのではないか?これは観光国ということで、値段を乗っけているのではないか?と疑いたくなるほどである。
ホテルの朝食が1000~1500円くらいする所もあるが、このようなスーパーの価格を見ると、払うのが馬鹿馬鹿しくなってくる。

二日目の午後

2009年09月13日 02時33分48秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L
左の山がメンヒ、右の山がユングフラウ。
今になって「しまったなぁ」と思うことが幾つもある。それは山の写真を撮るときの心得であった。被写体が山だけだと、意外とその大きさが伝わらない。この写真のような構図にして始めて山の大きさが伝わるということである。



左側に見えるコンクリートの建物が「アイガーグレッチャー駅」である。グレッチャーとは氷河の事であるが、温暖化の影響もあろうか、氷河がかなり後退している。メンヒの左の山がアイガーである。



写真はアイガーグレッチャー駅付近から撮影したものである。
このあたりから、高山植物も無くなってくる。森林限界ならぬ、高山植物限界か。

二日目の朝2

2009年09月11日 03時50分35秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L
ヨーロッパにはサマータイムというものがある。これは現地の3月の最終日曜日の午前一時~10月の最終日曜日の午前一時までの間、それまでの時間に一時間加えたタイムゾーンを採用するといったものだ。つまりサマータイムの始まりは午前1時~2時までの一時間は消滅し、終わりの午前1時は午前0になり、午前1時が二度やってくるという、我々には馴染みのない何とも複雑なシステムである。しかも、これがヨーロッパ版、アメリカ版、ロシア版などと沢山あるようで、サマータイムの始まりと終わりの日は、地域や国によってまちまちらしい。元々は省エネ対策で導入された制度だが、様々な分野で支障を来たしそうな感じがするので、恩恵よりも弊害の方が大きいのでは?と素人の私には思えてならない。ヨーロッパの日照時間が長いと感じたのは、実は緯度が高いだけでなくて、こういう制度が背景にあったワケで、要するに8月20日現在における午前9時というのは、本当は8時なワケである。それで日の出が遅いと感じた理由も得心がいった。

さて、写真はユングフラウ。ドイツ語表記ではJungfrau。意味は「乙女」もしくは「処女」である。名前の由来は良く分からないが、この山は雲で隠れてしまう事が非常に多く、そのさまが「恥ずかしがって隠れてしまう」ということで、乙女、または処女という名前が付いたのではないかと勝手に想像している。この日の処女は、非常に大胆(笑)で、まったく雲に隠れていない。やはりユングフラウは早朝か午後2時以降に限る。光の加減がいい時間帯はそのどちらかであるからだ。しかし午後には恥ずかしがって雲に隠れてしまうので、山だけを撮るなら午前中が最も良い。しかし午前中の早い時間だと、ご覧の通り草原の地面の色が黒くつぶれてしまう。なかなか「らしい」写真は撮らせてもらえない。



EF135mmF2L
ハイキングをし始めて30分した頃に、ようやく太陽光がこの周辺に当たり始めた。
牛が多くいるので、ちょっと135mmで狙ってみた。こいつは今になってみれば迂闊な露出で撮ったものである。F6.3に設定して撮ったために、被写界深度がやや深く、背景の山が想像とくらべてボケなくなってしまったからだ。折角ボケに強い135mmの強さがちっとも生きていない。F3.2くらいにしておけば良かったと反省するが、時すでに遅し・・・。もうやり直しは効かないのである。



EF24-105mmF4L

あたかも用意されたかのようなこの池。水面に反射するユングフラウを入れて撮ってくれと言わんばかりのこの池は、夢を壊すようで申し訳ないが、実は用意された池である。すなわち人工の池なのだ。私は過去にスイスに二度来たことがある。一度目は20数年前、二回目は10年ほど前である。その時にはこんな池は存在しなかった。池のまわりには石が敷き詰められているが、おそらくこうしないと、人工の池であるが故に水が枯れてしまうのだろう。私はこの池が最初に目に入った時に、「それはあんまりではないですか」とつぶやいてしまった。自然の自然たるところがスイスの真価であったものを、人工で池を作ってしまうとは・・・。たしかに綺麗な場所にはなったが、それは「ここで写真を狙ってください」または「ここで休憩を取ってください」という配慮が伺われる。いや、穿った見方をすれば、「金儲けしてまっせ」という声が聞こえてきそうだ。

「スイスよ、それはあんまりじゃないですか」

二日目の朝(8月20日)

2009年09月10日 18時37分04秒 | スイス旅行記2009年8月
EF24-105mmF4L
グリンデルワルトは、ちょうど真正面にアイガー山が臨める場所にある。方角についてだが、写真は南を向いて撮ったもの。いわゆるアイガー北壁が写っている。
つまりグリンデルワルトから見たアイガーの方角は南ということになる。よって朝日は写真の左側から昇ってくるワケだ。アイガー、メンヒ、ユングフラウという三山は、東から西にかけて横に伸びている。要するに有力な山はだいたいグリンデルワルトから見て南にある。
写真はアイガー山。撮影時刻は朝の6時50分。頂上付近がわずかに朝焼けしている。グリンデルワルトは海抜約1000メートルのところにあるが、それでも回りは2000メートル級の山々に囲まれた谷である。従って朝焼けが山にかかるとしても、それは頂上付近のみになってしまう。もっと高度の高い所で宿泊すれば別かもしれないが、それをやるにはクライネシャイディックか、またはメンリッヒェンに泊まるしかない。



二日目の予定は、登山電車でクライネシャイディックまで行き、そこから歩いてアイガーグレッチャーを目指す。地図で黄色の矢印の方向に歩く。地図上で途中に電車の停車駅のマークがみえるだろう。そこまで歩くわけである。
このコースは景観が非常に良く、常にアイガー、メンヒ、ユングフラウの三山が視界に入るので人気が高い。



朝9時にクライネシャイディックに到着。早速ハイキング開始だ。山には牛が放牧されており、すぐ近くまで寄ることもできる。写真は朝日が昇る東側を向いて撮影したもの。ちょっと狙いすぎた構図だが、たまにはこういうのもいいだろう。