![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/f7/dc4ec1e20217f886b810d26eb0ad02e3.jpg)
EF24-105mmF4L
38度線の名所である板門店に行きました。ちなみに板門店へは個人で訪れることは出来ず、必ずツアーを予約して参加しないと行けない。韓国人においては、板門店に行くことさえも出来ない。
板門店への出発のバスは、朝8時半頃にソウルのロッテホテルから出発する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/ae/4d55ab2dc335b97a6e9bcd98613ee66b.jpg)
(地図A)
ソウルから板門店までは直線距離にして約50キロメートルある。片道1時間半くらいかかる。
朝鮮半島の分断の歴史について書くと長文になることは必至なので、ここではあえて触れないことにする。その代わりに「38度線」という地域についての簡単な解説を書くことにする。一般に38度線といわれている所は、以下のような地域に分類にされる。
1:共同警備区域(JSA)
2:軍事境界線
3:北方限界線
4:非武装中立地帯(DMZ)
5:民間人統制区域
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/e5/a7bad21d592cb0e23e0d3db4b7055ea8.jpg)
(地図B)
地図Bは、グーグルアースからの画像。いわゆる有名な板門店の上空写真である。冒頭の写真と同じ場所である。ここが「共同警備区域(JSA)」である。地図Bの画像は、共同警備区域の建物がどちらの国側の管理にあるのかを分かりやすくするために、私が赤と青の色づけをしたものである。赤の建物は北朝鮮による管理で、青は国連による管理である。ちなみに右下の隅にある赤い建物は、私が色づけしたものではなく、本当に屋根が赤いだけであり、こちらは韓国側の建物である。
冒頭に掲載した写真を見ていただければわかると思うが、写真の中の銀色の建物は北朝鮮が管理している建物である。その後ろにあるコンクリートの建物も北朝鮮の施設である。
さて地図Bの黄色い線だが、これが「軍事境界線」である。この線が事実上の国境線なのだ。言うまでもなく、この線を踏み越えると亡命という事になってしまう。かつてロシア人が北側からこの線を突破して亡命したことがあった。その時は北と南の憲兵の間で銃撃戦になったようで、それによって何名かの軍人が亡くなっている。
次に、「北方限界線」だが、これは海上における軍事境界線である。朝鮮半島の西側に面した海、つまり黄海における軍事境界線である。
また「38度線」といっても、軍事境界線の全てが38度に敷かれている訳ではない。朝鮮戦争が休戦に至った1853年時における、軍事的な前線が現在の「38度線」であり、従って朝鮮半島の西側は38度よりもやや南に境界線があり、東側では38度よりもやや北側に境界線があるというように、一直線ではないのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/0e/5e662dedffade33c2a0e15467f80434d.jpg)
(地図C)
さて、次は「非武装中立地帯(DMZ)」の説明である。地図Cには赤と緑と水色のマルと、赤、ピンク、オレンジの線がある。黄色の線は関係ない。これはグーグルアースの国境の区別の線で、実際にここは国境線ではない。
赤マルは、板門店の場所(共同警備区域(JSA))である。地図Bの全域が赤マルに相当する。オレンジの線こそ、韓国側の「非武装中立地帯(DMZ)」の境いである。ピンクは北朝鮮側の非武装中立地帯である。赤い線は軍事境界線である。このように北も南も軍事境界線から一定の距離を置いて(約2キロメートル)非武装地帯が設定されている。北の非武装中立地帯~南の非武装中立地帯の間は2キロと2キロなので4キロ離れていることになる。この非武装中立地帯が互いに2キロというのは、休戦協定で取り決められたものらしいのだが、現在これが厳格には守られているわけではないようで、場所によっては非武装中立地帯の幅が300メートルまで狭まった所もあるとか。
さて韓国側の非武装中立地帯の境の手前にあるオレンジのマルは、国連軍のキャンプのある「ボニファスキャンプ」である。その遥か手前にある水色のマルは民間人統制区域手前にあるチェックポイントである。地図Cの水色のマルの前に大きな川(イムジン川)があるが、これが事実上の「民間人統制区域」の境い目である。民間人統制区域は韓国側にだけ設定されているものである。ここから先については、ツアーでなければ入れないのだ。写真撮影の制限がかかるのも、この地域からである。
さて、我々ツアーは、地図Cの青い線の道をバスで進む。民間人統制区域(水色マル)を越え、非武装中立地帯(オレンジの●、オレンジの線)を越え、そして共同警備区域(赤マル)内にある、軍事境界線(赤線)を見に行ったわけである。
これが、一般的に「38度線」と言われているものの大まかな解説である。この事実を知ると、北朝鮮の人が中国よりも韓国に亡命することが遥かに難しいということが分かると思う。北朝鮮から韓国に亡命する場合、少なくとも北側の2キロにわたる非武装中立地帯を突破しなければならない。しかし非武装中立地帯には地雷が設置されている。これはベルリンの壁を突破するよりも、あるいは難しいのではなかろうか?
さて次回は、これら地図A、B、Cに即した写真を掲載していきます。前述したように、民間人統制区域から先の地域は、撮影の制限がかかっていますので、結果として撮影場所が数ヶ所に限られる為、あまり期待はしないで頂きたい。グーグルで板門店の画像で検索して見られる写真以上のモノは正直殆どありません。
ただ、これから板門店に行かれる予定がある人にとっては、いくつか有益な情報は教えられると思いますので、そこの辺りを写真掲載と共に書いていこうと思います。
(その2につづく)
38度線の名所である板門店に行きました。ちなみに板門店へは個人で訪れることは出来ず、必ずツアーを予約して参加しないと行けない。韓国人においては、板門店に行くことさえも出来ない。
板門店への出発のバスは、朝8時半頃にソウルのロッテホテルから出発する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/ae/4d55ab2dc335b97a6e9bcd98613ee66b.jpg)
(地図A)
ソウルから板門店までは直線距離にして約50キロメートルある。片道1時間半くらいかかる。
朝鮮半島の分断の歴史について書くと長文になることは必至なので、ここではあえて触れないことにする。その代わりに「38度線」という地域についての簡単な解説を書くことにする。一般に38度線といわれている所は、以下のような地域に分類にされる。
1:共同警備区域(JSA)
2:軍事境界線
3:北方限界線
4:非武装中立地帯(DMZ)
5:民間人統制区域
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/e5/a7bad21d592cb0e23e0d3db4b7055ea8.jpg)
(地図B)
地図Bは、グーグルアースからの画像。いわゆる有名な板門店の上空写真である。冒頭の写真と同じ場所である。ここが「共同警備区域(JSA)」である。地図Bの画像は、共同警備区域の建物がどちらの国側の管理にあるのかを分かりやすくするために、私が赤と青の色づけをしたものである。赤の建物は北朝鮮による管理で、青は国連による管理である。ちなみに右下の隅にある赤い建物は、私が色づけしたものではなく、本当に屋根が赤いだけであり、こちらは韓国側の建物である。
冒頭に掲載した写真を見ていただければわかると思うが、写真の中の銀色の建物は北朝鮮が管理している建物である。その後ろにあるコンクリートの建物も北朝鮮の施設である。
さて地図Bの黄色い線だが、これが「軍事境界線」である。この線が事実上の国境線なのだ。言うまでもなく、この線を踏み越えると亡命という事になってしまう。かつてロシア人が北側からこの線を突破して亡命したことがあった。その時は北と南の憲兵の間で銃撃戦になったようで、それによって何名かの軍人が亡くなっている。
次に、「北方限界線」だが、これは海上における軍事境界線である。朝鮮半島の西側に面した海、つまり黄海における軍事境界線である。
また「38度線」といっても、軍事境界線の全てが38度に敷かれている訳ではない。朝鮮戦争が休戦に至った1853年時における、軍事的な前線が現在の「38度線」であり、従って朝鮮半島の西側は38度よりもやや南に境界線があり、東側では38度よりもやや北側に境界線があるというように、一直線ではないのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/0e/5e662dedffade33c2a0e15467f80434d.jpg)
(地図C)
さて、次は「非武装中立地帯(DMZ)」の説明である。地図Cには赤と緑と水色のマルと、赤、ピンク、オレンジの線がある。黄色の線は関係ない。これはグーグルアースの国境の区別の線で、実際にここは国境線ではない。
赤マルは、板門店の場所(共同警備区域(JSA))である。地図Bの全域が赤マルに相当する。オレンジの線こそ、韓国側の「非武装中立地帯(DMZ)」の境いである。ピンクは北朝鮮側の非武装中立地帯である。赤い線は軍事境界線である。このように北も南も軍事境界線から一定の距離を置いて(約2キロメートル)非武装地帯が設定されている。北の非武装中立地帯~南の非武装中立地帯の間は2キロと2キロなので4キロ離れていることになる。この非武装中立地帯が互いに2キロというのは、休戦協定で取り決められたものらしいのだが、現在これが厳格には守られているわけではないようで、場所によっては非武装中立地帯の幅が300メートルまで狭まった所もあるとか。
さて韓国側の非武装中立地帯の境の手前にあるオレンジのマルは、国連軍のキャンプのある「ボニファスキャンプ」である。その遥か手前にある水色のマルは民間人統制区域手前にあるチェックポイントである。地図Cの水色のマルの前に大きな川(イムジン川)があるが、これが事実上の「民間人統制区域」の境い目である。民間人統制区域は韓国側にだけ設定されているものである。ここから先については、ツアーでなければ入れないのだ。写真撮影の制限がかかるのも、この地域からである。
さて、我々ツアーは、地図Cの青い線の道をバスで進む。民間人統制区域(水色マル)を越え、非武装中立地帯(オレンジの●、オレンジの線)を越え、そして共同警備区域(赤マル)内にある、軍事境界線(赤線)を見に行ったわけである。
これが、一般的に「38度線」と言われているものの大まかな解説である。この事実を知ると、北朝鮮の人が中国よりも韓国に亡命することが遥かに難しいということが分かると思う。北朝鮮から韓国に亡命する場合、少なくとも北側の2キロにわたる非武装中立地帯を突破しなければならない。しかし非武装中立地帯には地雷が設置されている。これはベルリンの壁を突破するよりも、あるいは難しいのではなかろうか?
さて次回は、これら地図A、B、Cに即した写真を掲載していきます。前述したように、民間人統制区域から先の地域は、撮影の制限がかかっていますので、結果として撮影場所が数ヶ所に限られる為、あまり期待はしないで頂きたい。グーグルで板門店の画像で検索して見られる写真以上のモノは正直殆どありません。
ただ、これから板門店に行かれる予定がある人にとっては、いくつか有益な情報は教えられると思いますので、そこの辺りを写真掲載と共に書いていこうと思います。
(その2につづく)
今回もまたデンジャラスな感じの
場所へお出かけになったのですね。
さすがです。
韓国の人は行けない、と言うのが
また凄いですね。
グーグルアースもここまで
解るんですね。偵察衛星みたいです。