『魔王』(by 伊坂幸太郎)、読了。
知ったきっかけは、サンデーでの漫画版。
ただしこちらは、「ジュブナイルリミックス」という副題が付いており、
そのじつ設定は大幅に異なっている――との事だった。
なので、どんな物語でも原作至上主義者の自分としては、
いつか元々の小説版を読もうと探していた。
それで実際に読んでみての感想。
コレを少年漫画にしようとした人スゴイ。
小説は漫画以上に遙かにリアルな政治のイメージが描かれている。
この本の話の初出は2004~2005年。
小泉首相ブームより前。無論、今の民主党政権より前。
なのにも関わらず、出てくるのはまさしく「今これから」の日常世界。
そん世界の登場人物である、安藤兄弟や、政治家の犬養は、当然成人。
そんな彼らを10代の美少年ズにしたってのは豪快な英断だ。
その一方で、「消灯ですよ」とか「考えろ!」とかの重要シーン&セリフが、
そのまま使われているのは実に丁寧。
また、原作小説はリアル指向である以上、大きなカタルシスがあるわけではない。
何か事件が起きそうな、あるいは起きたかもしれないという余韻を残して、小説は終わる。
伊坂氏の他作品をも内容に絡めたのも、少年漫画としては正解だっただろう。
蝉や雀蜂などの「殺し屋」キャラが登場する、そちらの小説も読んでみたい、と覚書。
それでは。また次回。
知ったきっかけは、サンデーでの漫画版。
ただしこちらは、「ジュブナイルリミックス」という副題が付いており、
そのじつ設定は大幅に異なっている――との事だった。
なので、どんな物語でも原作至上主義者の自分としては、
いつか元々の小説版を読もうと探していた。
それで実際に読んでみての感想。
コレを少年漫画にしようとした人スゴイ。
小説は漫画以上に遙かにリアルな政治のイメージが描かれている。
この本の話の初出は2004~2005年。
小泉首相ブームより前。無論、今の民主党政権より前。
なのにも関わらず、出てくるのはまさしく「今これから」の日常世界。
そん世界の登場人物である、安藤兄弟や、政治家の犬養は、当然成人。
そんな彼らを10代の美少年ズにしたってのは豪快な英断だ。
その一方で、「消灯ですよ」とか「考えろ!」とかの重要シーン&セリフが、
そのまま使われているのは実に丁寧。
また、原作小説はリアル指向である以上、大きなカタルシスがあるわけではない。
何か事件が起きそうな、あるいは起きたかもしれないという余韻を残して、小説は終わる。
伊坂氏の他作品をも内容に絡めたのも、少年漫画としては正解だっただろう。
蝉や雀蜂などの「殺し屋」キャラが登場する、そちらの小説も読んでみたい、と覚書。
それでは。また次回。