『鍵』(by筒井康隆)、読了。
角川ホラー文庫の自選恐怖短編集との事。全16話収録。
再読の話がさすがに多い。
『佇む人』『無限効果』『池猫』『怪段』『くさり』『母子像』『二度死んだ少年の記録』は確実に覚えている。
もしかしたら、記事がブログに無いだけで、全部既読かもしれない。
けれど安定して面白いから助かる。
いっそ癒し。
本命は表題作。
主人公は、手にしたどこかの鍵をきっかけに、忘れていた記憶をひもといていく。
ただし、それは美しい思い出でなく。ためこんだ挙げ句に封印してしまった過去だ。
実際、私含め、主に子供時代に、あれやらこれやら、やらかした代物を仕舞い込んで忘れてしまった経験は大抵あるだろう。
食べずに残した給食を机の奥に隠して腐らせるとか、やっちまったもんだ。
私の場合だと、読んで怖すぎた本をどうにも出来ずに、何年も廊下の物陰に隠してた。
捨てるとか、まして売るとかいった発想も手段もなかったんですね。
歳とって処分できた時はホッとしたなぁ、なんて事も思い出したり。
それでは。また次回。