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フィンランドのくらしとデザイン

2012-11-02 | アート
長崎県美術館で12月24日まで開催の
「フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活」を見てきましたよ。

まず、展覧会の前半はフィンランドという国家の成り立ちと
フィンランド神話である「カレワラ」についての作品の紹介。
ロシア帝国の属領扱いだった19世紀末から民族の精神的独立を
「スオミの森」の風景・・・特に厳しい冬の姿を描くことで表現した風景画や
世界の誕生から英雄たちの物語へと続いていく民族叙事詩「カレワラ」の編纂、
その挿絵やデザインなどで表し、国家としての独立へと向かっていった流れや
建築・絵画・音楽・デザインなどのクリエイターたちが森で作っていったコミュニティ、
そして都市計画としての集合住宅や大規模な建築物を生み出した
建築家であるエリエル・サーリネンの作品の紹介へと繋がっていきます。
そしてこの国が産んだ画家であり世界中で愛される児童文学家、トーベ・ヤンソンによる
「ムーミン」シリーズの挿絵なども紹介されます。
(この展覧会、「展示物に触るな」の注意書きにスナフキン描いてあるんですが
 それはキャラクターと思いっきり正反対じゃねぇかと思うんですがw)

後半は、この国が誇るプロダクトデザインの歴史から
アルヴァ・アアルトのスツールやアームチェアや照明、
マリメッコのテキスタイル・デザインとその生地によって作られた服、
カイ・フランクによる実用性とデザイン性を両立させた陶器・ガラス器が
それぞれ紹介されており、
「夏は白夜で朝まで外で騒ぎ、冬は室内にこもることを楽しむ」
スオミランドの住人達が、その生活を美しく、楽しくするための
一生付き合っていくアイテムたちが所せましと並んでおります。
アアルトのチェア・スツールに関しては実際に座れる展示もあったり
(前の北欧デザイン展のとき『目の前に椅子あるんだから座り心地確かめたい』って
 アンケート書いた覚えあるもんなぁ・・・強度が心配でちゃんと座れてないけどw)
フランクのデザインした器は、現在のレンジなどに対応した形で現在も発売されていたりと
「きれいだなあ」と思うのと、それ以上に「使ってみたいなぁ」と思わされる
そんな展示だったように思います。
マリメッコの生地は服に仕立てるよりもそのままタペストリー的に壁にかけたいと思ったなー。

後半のデザイン系の展示を期待していた所の、前半の油絵(それも厳しめの風景画)連発で
少し意表を突かれた感がありましたが、この国の国民性と歴史、
そして環境を知った上でデザインに触れる、という流れによって
デザイン作品に触れたときの印象も大きく変わってきたなぁ、という感想です。

あと、常設展(企画展チケットで入れます)も、
新規収蔵品(鴨井羊子デザインのスリップも!)に
今回の企画展に合わせた、フランクの指導を受けたデザイナー・森正洋の
陶磁器作品の展示も行われていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

クリスマスイブまでが会期のこの展覧会、
(フィンランドはサンタクロースの国でもあります)
ぜひデートに利用して、ミュージアムショップのムーミンカフェグッズなんかを
プレゼントに利用してみるのもいいかもしれませんよ。
(12/22,23にはプレゼントボックスを作るワークショップもあります)
コメント
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