第55回宣伝会議賞のプレサイトもできまして、
課題発表もあと1ヶ月を切り。
ここで自戒も兼ねまして、
「これだけのポイントを抑えれば宣伝会議賞一次突破はできる」
というキャッチフレーズコンテスト参加への心がけについて書いておこうかと。
(2018年2月6日:読み直してもう少し書き足したほうがいいかと思った部分もあるので
追記をいくつかしていこうと思います。宣伝会議賞限定にならないように、を目標に。)
1.まずは課題をじっくり読む
手元に課題発表号である「宣伝会議」10月号(電子版でも紙版でも)が届いたら、
まずは
課題の内容をじっくりと熟読します。
(これは宣伝会議賞の場合ですが、それ以外のコンテストや
仕事としてのコピーライティングでもとにかく
クライアントからの資料の熟読やヒアリングなどの下調べこそが
スタート地点なのは変わりません。)
課題はキャッチコピーなのか?ラジオCMなのか?テレビCMなのか?
対象になっているのは企業PRなのか?商品PRなのか?
BtoC企業(お客様相手に”商品”を売る企業)なのか?
それともBtoB企業(企業をお客様として取引する企業)なのか?
まずはこれをしっかりと確認すること、がスタートです。
その中で課題ごとの優先順位をつけて、浮かんできやすい課題を優先するようにしたほうが
応募作品数としては多くなるかと思います。
とにかく「何が求められているのか?」のゴール地点を最初に見据えていきましょう。
ゴールがわからず走り始めても、迷走してしまうだけ、ですので。
2.企業&課題研究
課題を出している企業、商品の場合はその商品について調べます。
このときに実際に買ったりできる商品なら、是非買って使って(食品の場合は食べて)みること。
やはり
「自分の感想」があると強いです。
自社内旧モデル・同カテゴリ品との比較や競合メーカーとの比較もいいのですが、
相手を下げて対象を持ち上げるやり方は炎上原因になるのでちょっと考えて。
この段階ですと、どうしてもBtoB企業に関しては難しくなってしまうことが
(特にこういったコピーコンテストという形式では)ありますが、
そういうときはとにかく「自分やその周辺まで落とし込む」ことを目標にしてください。
『この会社の扱っているものが、最終的に自分にどう関わってくるのだろう?』まで
たどり着くことができれば、しめたものです。
3.情報・アイデアの出力
研究することでキーワードになることがぼんやりとでも見えてきて、
さてコピーを考えよう、のその前に。
キーワードや頭の中にあることを、
一度ノートに書いてみることをおすすめします。
羅列してもいいしマインドマップ形式にしてもいいし、
とにかく一度、「出力」というプロセスを経ておくと、
いい具合に思考が整理されるかと思います。
思考の整理作業のひとつとして、キーワードが揃ったら、それをじっくり見ていくと
なんとなくキーワード間の関連や優先順位みたいなものが浮かんでくるはずです。
そこで「これをどう形にしていくか」の作業がかなりスムーズに進むと思います。
4.まずは思いつくままノートに、そして推敲
コピーが浮かんだら、そのまま応募ページに入力してしまうのもいいんですが
ここも
一度ノートに書き出してみることをおすすめします。
そして
音読してみて、読んで引っかかる部分がないかを確認してみたり
句読点の打ち方を考えたり、漢字をかなに変えてみたり。
「おっ、スムーズに収まったな」と思えるまでこの段階でいじっておくといいと思います。
ラジオCM・テレビCM課題なら、ここで「尺」の問題も考えてみるといいかも。
ラジオCMなら20~30秒、テレビCMなら15~30秒で考えるのが基本です。
あとは3.の段階でも言えることなのですが、常に期間中メモ帳を持ち歩いておいて
断片でも頭に浮かんだらそれを即メモする習慣をつけておきましょう。
だいたいこの2.から4.のサイクルを何度も繰り返していくことで、
「思いつき(フラッシュアイデア)」が磨かれていって「作品」になっていきます。
全体の8割はこのサイクルを廻していく作業、と考えたほうがいいかもしれません。
・・・その中で見えていなかった新しい視点に気がつくことも多いので、メモを忘れずに。
5.表現に気をつけてみよう
広告の炎上案件が連発する昨今、「表現」はデリケートな問題となっています。
誰かを不快にし、傷つけるような表現になっていないか?とか
これは誰かの権利を踏みつけたりしてない?という点について
この時点で一度踏みとどまって考えて見ましょう。
もちろん「コンテストへの応募」ですから、ある程度は踏み外して
「面白さ」「斬新さ」といったステータスを優先するという手段もありはしますが、
そういう飛び道具は混ぜるにしても少なめにしておくのがいいでしょう。
パロディ的な作品もあり、だとは思うのですが、
流行というものの風化は早く、それに耐えうる「名作」であっても
その元ネタを知らない相手には伝わらない、という大きな弱点もあるので
一度立ち止まって再考してみて、それでもいけると思ったら勝負してみるといいのかも。
6.過去の作品などを見直してみる
宣伝会議賞に関しては毎年「SKAT」という作品集が出ております。
一次審査通過以上の作品を全て収録(たまに抜けもありますが)している作品集であり、
課題企業の中には数年同じ課題を連続して出題するところもありますので
そんな課題で自分が思いついたものが以前の受賞作品と被っていた・・・となっては
もったいない話でございますので、確認の意味でもできれば数年分読んでおくといいでしょう。
また、課題発表までまだ時間がある今、「いいコピー」というのはどんなものかを
肌感覚で知っておくために、名作コピー集やコピーライティングに関する教本などを
読んでおいたりするのもおすすめです。
CMだと
ACCクリエイティブアワードの受賞作品には触れておきたいところです。
(日本の宣伝というもののトレンドをつかむのにはぴったりだと思っています。)
広告全般なら広告年鑑が
ブレーンと
コマーシャルフォトから出ているのでそちらも参照したいところ。
もちろん、小説や映画、アニメ、ゲーム、ドラマ、アートなどにたくさん触れるのもいいでしょう。
とにかくいろんな文章や表現に触れれば触れるほどコピー感覚は磨かれていくと思います。
(宣伝会議賞で全部出し切ると毎年引き出しからっぽになって2週間くらい燃え尽きるんですよね・・・)
7.「誰に向けて書くか」を考える
コピーを書く上で、「誰を対象にして書くのか」を考えないと、
その表現はぼやけたものになってしまいます。
自分自身に向けてなのか、特定の誰かに向けてなのか、
もしくはもっと対象を広げてみる・・・会社や世代や国民、地球人・・・
広げれば広げるほど表現はぼやけてしまうので、どう絞り込むかを考えながら
テーマを設定し、コピーを書いていくのかが大切になります。
(もちろん、視点を広げる段階では対象を広げることはとても大切なのですが)
「自分にとって大切な、特定の誰かに何かをおすすめする」
恋人であったり、肉親であったり、親友であったり・・・そんな表現こそが
ある意味結果として万人に受け入れられるものになるんじゃないかなぁ、というのは思っています。
社会なんて、個人が集まってできているものなんですから。
「特別な誰かに届けたいと思って書くことば」って、
きっと他の誰かにとっても特別なことばになる、と思うのです。
受け手側が「これは自分のことだ」と感じてアクションを取ってもらえるような
そんなコピーを書くことが、コピーライターというものにとっての理想形、ですよね。
8.自分が面白い・正しいと思うものを信じる
色々と書いてはきましたが、最終的には自分でジャッジして
「これは世界一面白い・伝わる表現だ!」と思えるものを出していくことが
一番大切なことなんじゃないかな、と思います。
「これで一等賞獲れなきゃ嘘だ!」と思えるほどの自信を持って
全力でぶつけられるような作品をどれだけ生み出せるか、が
宣伝会議賞に限らず、すべてのコンテストに言えることじゃないかなぁ、と。
もちろん、コンテストに限らず、仕事としてのコピー制作とか
それ以外のことすべてに関しても言えることではあるのですが、
実際どれくらい全力をぶつけていると言い切れるか、は常に自問自答してしまうかなぁ。
最高が協賛企業賞止まりの私が偉そうに書いても何ですが、
今年の宣伝会議賞が面白いものになり、審査員の皆さんが本気で悩んで寝込むような
そんなレベルの高いものになり、そして私がグランプリを取れることを
8月のこの段階で願っております。
(そして追記している2月の段階でも、その思いはまだ変わりません)