Rimshot!!!!

映画観たり、アメコミ読んだり、占いしたり。

帰ってきたアメコミ入門 その5

2015-04-29 | 漫画
アメコミ入門、第5回です。
ここ3回、映画化作品紹介からの入門、という形でお送りしてまいりましたが
マーベル編
DC編
その他編
今回のテーマは、「いま、テレビで見られるアメコミ」です。

アメコミヒーローのドラマ化、と聴いて浮かぶタイトル、世代によってそれぞれかと思います。

「鳥だ、飛行機だ、いや、スーパーマンだ!」でおなじみの「スーパーマン」。
アダム・ウエスト主演の、画面に擬音が飛び交う「バットマン」。
リー・フェリグノ主演、全身を緑に塗った「超人ハルク」。
日本では由美かおるの吹き替えで知られる「ワンダーウーマン」。
日本で設定も大きく変更され、巨大ロボットも登場。
最近まさかのコミック登場も実現の「スパイダーマン」。
ラブストーリー要素を強めた「クラーク&ロイス/新スーパーマン」。
マーク・ハミルの怪演も印象深い「ザ・フラッシュ」・・・
あとアメコミ風ヒーロー物といえば、UFO時代のときめき飛行「アメリカン・ヒーロー」なんてものも。

しかし今は、映画でアメコミ人気が高まったこともあり
テレビドラマでも多くのアメコミ作品が楽しめるのです。
というわけで、現在テレビやレンタルDVDで楽しめる(お近くのツタヤやGEOにあるであろう)
アメコミ原作ドラマの数々をご紹介いたします。

まず、今一番熱いタイトル2本から。

マーベル・シネマティック・ユニバースで登場し、思わぬ人気キャラとなるも
「アベンジャーズ」で死亡したS.H.I.E.L.D.職員、フィル・コールソン。
その彼が実は生きていた!からスタートする、MCUの裏側で活躍するエージェントたちの物語
エージェント・オブ・シールド」。
第1シーズンは「アベンジャーズ」終了後~「キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー」までと
平行して進んでいく物語となっており、映画からのゲストキャラも登場する作品となっております。
(当然、「ウィンター・ソルジャー」で発生した大事件の影響も・・・)
現在第1シーズン全話がレンタル可能となっており、本国では第2シーズンも4/28から開始の模様。
2015年4月から関東では日本テレビで放送、huluで配信も行われております。

一方、DC側のドラマ世界の主軸はこの作品。
船の事故で孤島に流された大富豪。弓の腕を磨いて生存を果たし
街へと戻ってきた彼を待っていたのは、悪徳の街だった。
父の遺言を胸に、青年は弓を手に町の悪を狩る狩人となる!
アロー」は2015年4月現在、AXNでシーズン3が放送されるほか
日本テレビでシーズン1が放送中です。
今作は(今の所)映画と繋がる予定はないのですが
DCコミックスのキャラが続々登場、さらに今作からのスピンオフで
フラッシュ」もスタートしております。
(アメリカではシーズン1が終了、こちらの日本上陸はまだかな・・・)
コミックのほうでは、渋味のある中年キャラであった時代に
何でもできるスーパーヒーロー・グリーンランタンとアメリカを横断する中で
現代社会の抱える問題を浮き彫りにしていく「グリーンランタン/グリーンアロー」が
(在庫僅少らしいですが)邦訳発売中。
「ダークナイト・リターンズ」「キングダム・カム」などでも渋い名脇役ぶりを発揮。
ドラマに近い姿のグリーンアローは「ジャスティス・リーグ」に登場してます。

上記「アロー」と繋がる作品ではないですが
スーパーマンの若き日を描く「ヤング・スーパーマン(SMALLVILLE)」も
多くのキャラクターが登場(グリーンアローも登場)した作品でした。
(こちらは完結まで見るにはDVD購入かAXN加入が必要に・・・)

そして2015年5月には、あのヒーローの過去を描いた作品が放送開始に。
大富豪の夫妻が強盗に殺され、その遺児が残された悪徳の街・ゴッサムシティ。
この街に赴任してきた新人刑事・ゴードンの犯罪との闘いが幕を開ける・・・
バットマン、いや、ゴッサムという街の過去を描く「GOTHAM」はまずAXNでの放送開始となっています。
(こちらも映画版と繋がらない作品なのは残念です)

そしてマーベルも日本上陸予定作品として、
「キャプテン・アメリカ:ファースト・アベンジャー」からのS.H.I.E.L.D.創設への物語
エージェント・カーター」や、アベンジャーズたちが世界の脅威と戦う中、
街の犯罪者と戦うヒーロー「デアデビル」がすでにアメリカでは放送/配信されております。
(マーベル側は徹底してMCUとのクロスオーバーを考えて作品を作っていくようです)

ヒーローものでないコミック原作ドラマ、というものもありまして、
その中でもドラマ、コミックともに大人気で、コミック邦訳も出ているタイトルが
ウォーキング・デッド」です。
ゾンビに追い詰められ、極限状態の中で疑心暗鬼に襲われる生存者たちを描いた今作も、
海外ドラマ好きには見逃せないタイトル、と言えるでしょう。

さて、アメコミ原作ではないですが、アメコミ風ドラマとして大ヒットした作品といえば
そう、「HEROES」ですね。
日食の日を境に超能力を持った者たちが繰り広げる群像劇は、
4シーズンの間目まぐるしく展開してまいりました。
日本人キャストがいることもあり、ここ日本でも大ヒットした作品です。
彼らの物語が2015年夏に「HEROES Reborn」として全13話のミニシリーズとして復活予定ということで
「そういえば最後どうなったんだっけ」という方は、この機会に見直すのもいいかと。
シーズン2までの脚本に参加したジェフ・ローブのアメコミ作品は多く邦訳されており
どれも傑作なのですが、映画「ダークナイト」原案になった「バットマン:ロング・ハロウィーン」が一番おすすめかな。

そして最近のアメコミ風ドラマといえばNHKEテレで放送されていた
ヒーロー一家のホームコメディ「超能力ファミリー サンダーマン」なんて作品も。


さて、テレビで見られるアメコミ・・・は映画やドラマばかりではございません。
現在、「TVアニメで見られるアメコミ」もあるのです。

現在毎週火曜日夕方にテレビ東京系で放送中の「アルティメット・スパイダーマン ウェブウォーリアーズ」は
Dlifeで放送中の「アルティメット・スパイダーマン」の第3シーズンになります。
スパイダーマンとして活躍して1年の高校生ピーター・パーカーがヒーローとしての訓練を
S.H.I.E.L.D.で行う中で新たな仲間と出会い、チームを組んで活躍するという
アクションありギャグあり(視聴者に向けて話しかけてくる!)の内容は
アメコミとのファースト・コンタクトにもぴったりの内容、ではないでしょうか。
(多少の置いてきぼり感も含めて)

そして、テレビ東京での放送は終わりましたが現在Dlifeで放送中の「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」。
こちらは日本制作のアニメとして、ホビーアニメ的な要素(ディスクに封印されたヒーローを集める)や
少年たちがヒーローのパートナーとして主人公となる、という夕方アニメの王道的部分と
アメコミキャラを日本に普及させていく、という目的を1年かけてがっちりかみ合わせた作品であり
ややスロースタートではありますが、キャラ紹介が終わっての2クール目以降の展開は
少年向けアニメとしてまさに王道でありながらアメコミの世界観をもわかりやすく教えてくれる
(X-MENの「ミュータント差別」の側面とか・・・)そんな内容にもなっています。
DVDも発売&レンタル中(2015年4月現在9巻(ヴェノム編)まで、7月に残り4巻が発売/レンタル予定です)ですので
GWにまとめ見してみるのもいいのでは。

そして「夕方アニメもいいけど俺はもっと大人向けのバイオレンスな深夜アニメのほうが好きなんだよ」という方は
マッドハウス制作のマーベルアニメシリーズ「アイアンマン」「ウルヴァリン」「X-MEN」「ブレイド」に
オリジナルビデオ作品「アイアンマン: ライズ・オブ・テクノヴォア」に
アベンジャーズ コンフィデンシャル:ブラック・ウィドウ&パニッシャー」もレンタル&販売
(OAD販売はブルーレイのみ)されていますので
スタイリッシュ&バイオレンスなアニメがお好みの方はどうぞ(個人的には「X-MEN」が当たりかな・・・)

一方、DC作品のアニメに関しては地上波でなくCSのカートゥーンネットワークで放送されています。
若いバットマンの活躍を描く「ザ・バットマン」、
バットマンと他ヒーローのチームアップが楽しめる「バットマン:ブレイブ&ボールド
ロビン、スーパーボーイたち若いヒーロー達の活躍「ヤング・ジャスティス」、
ロビンたちがSDキャラになったギャグアニメ「ティーンタイタンズGO!」などが
レギュラー放送されております。
(さらにマーベル作品の「ファンタスティック・フォー」のハンナ・バーベラ版を60年代テイストで翻訳した
宇宙忍者ゴームズ」もムッシュムラムラと放送中だでよ)

さて、映画の方で紹介してもよかったのですが、特定の原作を持たないアメコミ風アニメの傑作として
忘れちゃいけないタイトルがピクサーの名作「Mr.インクレディブル」。
ディズニー/ピクサー映画の中でも人死にも出るハードな側面も、家族愛や「中年の危機」といった側面も
もちろん王道アメコミ的な側面もあって、あらゆる面から楽しめる1本となっております。
(登場キャラの能力などが「あ、このキャラが元ネタだったんだ!」とアメコミを知れば知るほど楽しくなったり・・・)
続編制作も始動、ということでこちらもぜひ見直してみてください。

次回は「入口にぴったりな邦訳本選び」あたりのテーマを予定しております。

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4/27~5/3の運勢

2015-04-26 | 占い
ついにゴールデンウィークです。
とはいえお店や遊園地などの「GWに遊びに来る人がいる場所」は大変なんですよね。
誰かのおかげで自分は楽しめている、そういう気持ちを忘れずにいたいものです。

来週の占いをどうぞ。

牡羊座:月(逆)
困難は徐々に解決していきます。誤解もとけそう。

牡牛座:戦車(正)
連休にはジョギングやスピーディーなスポーツを。積極的な行動が幸運に。

双子座:死(逆)
この連休で思い切って方向転換を。諦めていた恋愛関係も復活するかも。

蟹座:世界(逆)
連休は新鮮な空気に触れにいって。煮え切らない態度は禁物。

獅子座:審判(正)
喧嘩した友達とも仲直りできそう。古い愛も再燃の兆し。

乙女座:女帝(逆)
べたべたしすぎると嫌われます。連休とはいえ怠けすぎないように。

天秤座:隠者(正)
信用できる友人からのアドバイスが成功の鍵。恋人には電話を忘れずに。

蠍座:運命の輪(正)
返事は即答するといいことが。「好き」なら「好き」とはっきりと。

射手座:太陽(正)
連休は積極的に野外に飛び出していきましょう。理想の人との出会いも!?

山羊座:皇帝(正)
勇気が現状をいい方向に変えてくれます。時には押していくことも大事。

水瓶座:法皇(正)
穏やかで優しい態度が好感を持たれそう。年長者のサポートが得られるかも・・・?

魚座:女教皇(正)
激しさはないけれど、心の奥底で理解し合える、そんな関係を大切にしていきましょう。


連休の方もそうでない方も、この1週間が楽しいものでありますように。
僕もがんばって楽しみたいと思います。
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帰ってきたアメコミ入門 その4

2015-04-25 | 漫画
アメコミ入門、4回目です。

前回がDC映画、前々回がマーベル映画、ときましたが
アメコミの出版社はこの2つだけではございません。
思ったよりも多くの出版社が、それぞれの持ち味を活かした作品を出し、
その持ち味を活かした映画化が行われているのです。

今回はそんなビッグ2以外の出版社作品の映画と、その関連邦訳作をご紹介。

まずは版権作品と作家性の強い作品の両輪で進むダークホース・コミックス社。
「エイリアン」「プレデター」「キャプテン・スーパーマーケット」などや
かつては「ゴジラ」「スターウォーズ」のコミック化権利を持っており、
「スターウォーズ」は小学館プロダクションからコミカライズ版に加え
外伝作品「シャドウズ・オブ・エンパイア」の邦訳も出ていました。
(現在は同じグループ会社になったマーベルに「スターウォーズ」のコミック化権は移動しています)
映画キャラクター同士を共演させた作品も作っており、
「エイリアンvsプレデター」はここのコミックが発祥であります。

そしてこの会社のもう一つの顔は、クリエイターの権利を活かすコミック会社。
設立当初から参加しているクリエイターの一人が、
マーベルでは「デアデビル」、DCでは「バットマン:ダークナイト・リターンズ」「イヤーワン」で
ひとつの時代を築いたフランク・ミラーです。
悪徳はびこる街でのハードボイルド・ストーリー「シン・シティ」、
絶望的な戦力差に立ち向かうバイオレンスギリシャ史劇「300」は
それぞれ映画シリーズ化され、邦訳(「シン・シティ」は全話完訳)もされております。
特に「シン・シティ」に関してはミラー本人が映画制作に参加していることもあり
恐ろしいまでの原作再現がなされているため、映画を気に入られたなら原作も、是非。

そしてもう一人の顔が、鮮烈な影の描写にここ日本でもファンが多い
マイク・ミニョーラの描く伝奇活劇「ヘルボーイ」。
ナチスに召喚され、アメリカ人に育てられた悪魔・ヘルボーイが
世界各地で怪異と戦いながら、己に秘められた世界の終末の鍵と向き合うこの物語も
ギレルモ・デル・トロ(「パシフィック・リム」)監督によって愛情あふれる実写化をされ
とくに2作目「ゴールデン・アーミー」は素晴らしいファンタジー作品となっております。
コミックも(原作の遅筆さを考えると)けっこうなペースで邦訳が出ている・・・んですが
出版社を渡り歩く形(小プロ→ジャイブ→ヴィレッジ)になった結果
現在第2部序盤がプレミア化している状態ではあります。
しかしそれでも現在第1部(コズミックホラー色が強い)はすべて邦訳で読むことができますし
第2部も後半の盛り上がりは邦訳で楽しむことができますので、ぜひこちらもどうぞ。

他にダークホース作品の映画化は「マスク」「バーブ・ワイヤー」等があるのですが
このあたりは邦訳コミックを探すのが大変(過去に雑誌形式で少し出たことが)なので
映画として楽しむのがいいと思います。特に現在ユニバースでのつながりはない(はず)だし。
最近の作品では「ゴースト・エージェント:R.I.P.D.」が映画、邦訳ともに出てますね。

続いて紹介するのは、90年代、グリム&グリッティ旋風吹き荒れる
アメコミバブルのまっただ中にマーベル・DCの人気作家たちが独立して設立、という
大ニュースとなった出版社、イメージ。
トッド・マクファーレン(スパイダーマン)、ジム・リー(X-MEN)などのスターが集まり
設立された出版社でございます。
しかし、スター集団の運命か、最初のメンバーたちの多くは離れ(ジム・リーはDCの経営陣に!)
設立当時から続いているタイトルは2作のみになりましたが
近年は作家性の高さと、相変わらずのバイオレンス描写が充実した作品で高い評価を受けております。

映画化作品はトッド・マクファーレンが産んだ
悪魔の尖兵に変えられた復讐鬼の物語「スポーン」と
傘下のトップカウスタジオから出されたマーク・ミラーによる
悪に支配された世界で平凡に生きてきた青年が殺し屋になっていく「ウォンテッド」。
あと、トップカウでは「トゥームレイダー」(原作はゲームです)のコミカライズも。
「スポーン」はかつて邦訳もされており、今でも古本で手に入ることが多いですが
後半になると部数が減ったからか若干入手難になる模様。
「ウォンテッド」は現在も普通に邦訳版が購入できるかと。

続いて紹介するのは、1999年設立の新興でありながら版権作品を多く担当し
現在業界4位の実力を持っているIDW。
「スタートレック」「ゴジラ」「猿の惑星」「30デイズ・オブ・ナイト」「シザーハンズ」
「トランスフォーマー」「ミュータント・タートルズ」「ゴーストバスターズ」
「マイ・リトル・ポニー」にディズニーキャラクター作品など
多くの版権コミックと、作家性の高いコミックを発行しています。
ダークホースと同じく版権作同士のクロスオーバーも行っており、
最近では「スタートレック/猿の惑星」を行いました。
邦訳作品については「トランスフォーマー」がかつてはJIVEから、
現在は小学館プロダクションからG1時代(最初のアニメ版)を舞台にした
「オール・ヘイル・メガトロン」が出版されております。

そして映画制作会社であるレジェンダリーが持っているコミック会社である
レジェンダリー・コミックス。こちらはイギリスの会社ではありますが
「パシフィック・リム」「ゴジラ」といった自社製作映画の前日譚(どちらも邦訳販売中)に加え
DCから内容の過激さが理由で発売されなかったフランク・ミラーの「ホーリー・テラー」が
(主人公の「耳」を外し、コスチュームの色を白に変えて)発売されております。

マーベル、DC以外の出版社にも多くの面白い作品があり、
それぞれ映像化もされている(映像化作品のコミカライズもあり)ことが
お分かりいただければ幸いです。

次回は最近活気の出てきたアメコミドラマ、あとTVアニメのお話もできれば。
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2015年アイズナー賞ノミネート

2015-04-23 | 漫画
アメリカのコミックの賞において一番権威ある賞である
アイズナー賞(正式名:The Will Eisner Comic Industry Awards)の
ノミネート作品が発表されておりました。

とりあえずはその中から邦訳が出てたりするものをちょこちょこと拾っていこうかと。

Best Short Story
短編ストーリー。
「バットマン:ブラック&ホワイト」の新シリーズとか
「アドベンチャー・オブ・スーパーマン」の1作とかがノミネートされてます。
Web漫画で読めるものもあるようなのでお時間のある方はどうぞ。

Best Single Issue (or One-Shot)
1冊完結のエピソード。
「アストロシティ」にマーベル75周年記念本、
さらにはグラント・モリソン版「ウォッチメン」といった趣の作品である
「マルチバーシティ:パックス・アメリカーナ」もノミネート。

Best Continuing Series
続き物シリーズ単位でのノミネート。
「アストロシティ」「ホークアイ」に「ウォーキング・デッド」といった
邦訳も出ているシリーズに、近日邦訳予定の「サーガ」もノミネートされています。

Best Limited Series
数話完結のミニシリーズ作品。
「デアデビル」に「サンドマン」、前述の「マルチバーシティ」に
「リトル・ニモ」の新作なんかもノミネート。

Best New Series
この1年で新しく始まったシリーズ。
「ロケット・ラクーン」に、初のイスラム系女子ヒーロー「Ms.マーベル」がノミネート。

Best Publication for Early Readers (up to age 7)
7歳までの幼児向け。日本で言えば幼児誌範囲?
ハローキティ40周年記念コミック
「Hello Kitty, Hello 40: A Celebration in 40 Stories」がノミネートされてます。

Best Publication for Kids (ages 8-12)
少年向け。日本で言えばコロコロの範囲かな?
「バットマン:リルゴッサム」に同じくDCのディフォルメキャラの「Tiny Titans」、
「リトル・ニモ」はこちらにもノミネート。

Best Publication for Teens (ages 13-17)
10代向け作品。日本だと少年誌範囲になるのかな。
いわゆる「ヒーローもの」とは外れた範囲の作品が多い印象
(ヒーローものの読者層はここより上の範囲を想定?)

Best Humor Publication
ギャグ要素が強い作品の賞。
「ロケット・ラクーン」にヴィランチームの悪戦苦闘を描いた「Superior Foes of Spider-Man」
ファンタジーギャグ漫画「Groo」と蛮勇コナンの共演作「Groo vs. Conan」もノミネート。

Best Digital/Web Comic
ネット上に公開されているコミック。
いろいろ読んでみるのもいいのでは。

Best Anthology
アンソロジー形式のコミック。
「リトル・ニモ」のアンソロジーも。

Best Reality-Based Work
実話をベースにしたコミック。
邦訳も出ている「ヒップホップ家系図」や
第一次大戦のコミックなどがノミネートされております。

Best Graphic Album―New
Best Graphic Album―Reprint
ハードカバー本の賞(新刊・復刊)

Best Archival Collection/Project―Strips (at least 20 years old)
20年以上前の作品の新聞漫画復刻版。
ウィンザー・マッケイ時代の「リトル・ニモ」や、
新聞漫画版「ターザン」「ムーミン」「ミッキーマウス」がノミネート。

Best Archival Collection/Project―Comic Books (at least 20 Years Old)
こちらはコミックブックの復刻版。
「ニック・フューリー:エージェント・オブ・シールド」の原画版や
ディズニーの「ドナルドダック」「アンクル・スクルージ」コミックの復刻がノミネート。

Best U.S. Edition of International Material
海外コミックのアメリカ版からの賞。主にフランスのBDから。
邦訳が出ているものでは「かわいい闇」「ブラックサッド」がノミネートされてます。

Best U.S. Edition of International Material―Asia
アジア圏のコミックのアメリカ版からの賞。今年はオール日本漫画です。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「脂肪という名の服を着て」
「マスターキートン」「ワンパンマン」「コミック昭和史」「おおかみこどもの雨と雪」の
バラエティに富んだノミネートになっています(安野モヨコ英訳されてるんだ・・・)

ここからはコミックタイトルでなくアーティストやスタッフの賞。

Best Writer
原作者。
グラント・モリソンやブライアン・K・ヴォーンがノミネートされております。

Best Writer/Artist
原作者兼アーティスト。日本での一般的な「漫画家」のイメージがここかな。
「ウサギ・ヨージンボー」のスタン・サカイがノミネート。

Best Penciller/Inker
絵を描く人。下書き/インク入れが分業の場合も多いです。
マイク・オールレッドを始め、これから邦訳で見られそうな名前も。

Best Painter/Multimedia Artist (interior art)
内部のアート担当。デジタル効果なども含むのかな。

Best Cover Artist
アメコミおなじみ表紙詐欺、ということで表紙だけ担当したアーティストの賞。
日本でもおなじみアレックス・ロスが「アストロシティ」でノミネート。

Best Coloring
彩色担当。彩色技術の違いはコミックの印象を大きく変えます。
「ヘルボーイ」のカラーを生み出したデイブ・スチュワートがノミネートされてます。

Best Lettering
コミックの書き文字担当。

Best Comics-Related Periodical/Journalism
雑誌、サイトなどコミックにまつわるジャーナリズムに贈られる賞。

Best Comics-Related Book
コミック評論本に贈られる賞。

Best Scholarly/Academic Work
コミックについて研究した論文に贈られる賞。

Best Publication Design
もっとも良いコミックブックのデザインに贈られる賞。

発表は7月10日(アメリカ時間)、サンディエゴコミックコンベンション会場で行われます。
日本でニュースになるのは
「Best U.S. Edition of International Material―Asia」の結果くらいだと思いますが
アメコミに興味がある方は少し注目しても面白いんじゃないかな、と思います。


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帰ってきたアメコミ入門 その3

2015-04-20 | 漫画
お久しぶりでございます。
アメコミ入門、3回目です。

前回がマーベル映画編、ということで
今回はDC映画編、でございます。

DCはかなり前からタイムワーナーグループの一社であり、
グループを代表する映画会社・ワーナーブラザースの力によって
ヒーロー映画に関しては、マーベルより先行していた時期もありました。
「スーパーマン」「バットマン」の映画の成功が、世界に「アメコミ」を印象付けた側面もあります。
・・・しかし、シリーズを重ねるごとに・・・というのがどうしても見えてしまう部分も。

マーベルがマーベル・シネマティック・ユニバースを中心に展開して大成功を収めたことで、
現在DC側も「ジャスティス・リーグ」での結集を目指した仕切り直しを行っております。
そのスタートとなるのが「マン・オブ・スティール」です。
アメリカンコミック最初の「スーパーヒーロー」であるスーパーマンの物語を
「父と子」「自分探し」という視点を軸において、
画面・物語ともに彩度を抑えた内容で見せる今作から
ついにヒーロー共演が実現する「バットマンvスーパーマン
(予告編では出ていませんが、この2者以外のヒーローの登場も・・・)
ヴィランたちの狂演となるであろう「スーサイド・スカッド」・・・とシリーズが続いていく予定です。

さて、今までのDCヒーローの映画の主なところを見ていきますと
(戦前の連続活劇は抜かしていきますね)
「スーパーマン」が「MoS」までで6作、
「バットマン」が「ダークナイトライジング」まで8作、
後は単発作品、となっております。

まずはスーパーマンから。
滅びた星の最期の遺児、宇宙からやってきた善良な田舎者が
都会で冒険や恋に出会う物語・・・であるわけですが
まず、クリストファー・リーブ主演のシリーズが1~4までございます。
その中で「2」が監督による別編集版の存在がありまして、
そこから続くのがブランドン・ラウス主演の「スーパーマン・リターンズ」・・・という
ちょっぴりややこしい展開になっていたりもするわけですが、
これに関してはまず最初の「1」を見れば「スーパーマン」というキャラクターの持つ
パブリックイメージがすとーんと頭に入ってくるかな、と思われます。
(できれば「MoS」はその後に見てほしいんですよね・・・)
外伝的な「スーパーガール」はお好みで(こちらもドラマ化の予定が出てますね)
あと、関連キャラとして「スティール」も映画化されているのですが、DVD化されていません・・・
(元NBAのスーパースター、シャキール・オニール主演。当時ビデオ化はされていたのですが)

最初の1冊、としておすすめの原作本は「スーパーマン・フォー・オールシーズン」を。
スーパーマンのパブリックイメージ、というものがよくわかる一冊であり
暖かで優しい世界から冷たい都会へと出ていったスーパーマンの最初の1年が描かれています。
リセット後の世界でのヒーローとしての目覚めを描く「アクションコミックスVol.1」もいいかも。


続いてバットマン。
都会で犯罪者を狩る夜の狩人であり、世界最高の探偵。
しかしその肉体は何の超能力も持たぬ、ただの人間。
その彼を動かすのは、幼き日に目の前で命を奪われた両親と、犯罪への復讐心。
そんな彼の前に立つのは、狂った世界の犯罪者たち・・・と
スーパーマンとは正反対の世界に生きるヒーローであります。

「ダークナイト」までの映画・原作に関しては以前がっつり語ったので(
そちらを読んでいただけるとありがたいです。

さて、原作邦訳なんですが・・・かなりの冊数が出ていまして
その中から最初の1冊はどれにすればいいのか、を考えると
今ならリセットされた世界で、デビュー後最初の活躍を描いた「イヤーゼロ」か
リセット前の世界での最初の2年を描いた「イヤーワン/イヤーツー」、
バラエティと歴史を楽しみたい方は「アンソロジー」の3つのどれか、をおすすめしたいと思います。

・・・「BMvSM」のバットマン(「デアデビル」も演じたベン・アフレック)の元ネタは
「バットマンの最終回」という扱いもされていた「ダークナイト・リターンズ」っぽいのですが。

あと、関連作として「キャットウーマン」がハル・ベリー主演で作られていますが
出来としてはそうとう辛いものがあり、原作とは設定も異なるのでお好みで。
(ちなみに、キャットウーマンが主役の邦訳コミック「キャットウーマン:ホエン・イン・ローマ」は
「バットマン:ロングハロウィーン」「ダークビクトリー」の外伝作という位置づけです)

この2作以外のヒーロー映画、なのですが
・・・ワーナーという映画会社がバックにいたわりには、実はほとんど進んでいなくて
宇宙を舞台にした「グリーンランタン」(こちらは再映画化予定)
西部開拓時代の復讐のガンマン「ジョナ・ヘックス」に
オカルト探偵「コンスタンティン」(最近ドラマ化もされましたが・・・)
ホラーヒーローである「スワンプシング」が2本、という状態。
それだけBIG2の存在が大きい、ということでもあるのですが、
マーベルの多彩さには大きく水を開けられた現状ではあるので
ここからの映画化予定ラッシュはけっこうすごいことになっております。
「ワンダーウーマン」「フラッシュ」「アクアマン」「シャザム」・・・と
続々ヒーローが毎年2作ペースで映画化されていく模様です。
シャザム」「フラッシュ」は邦訳本も出ており、アメコミ入門にはぴったりな
正統派ヒーロー作品となっていますので、予習も兼ねておすすめです。

さて、DCコミックスには「ヴァーティゴ」という
青年誌的なラインのレーベルがありまして、
こちらは大人向けのハードな作品やファンタジー色が強い作品が揃っています。
さらにアラン・ムーア(後述します)の個人レーベル、とも言うべき
「アメリカズ・ベスト・コミックス」というラインもあります。
これらの作品の映画化、も実は多いのがDC映画の特徴であります。

まず、犯罪映画として映画化された
「ロード・トゥ・パーディション」に「ヒストリー・オブ・バイオレンス」。
前者はトム・ハンクス主演、後者のほうは邦訳コミックも出ております。

そして、「V・フォー・ヴェンデッタ」「リーグ・オブ・レジェンド」
「ウォッチメン」(正確にはDCコミックスから出てるのですが独立性的にこっちに)に
前述した「スワンプシング」などは、すべて共通の原作者によるコミックの映画化作品です。
その名前は前述したアラン・ムーア。イギリス人です。
イギリスのマーベルコミックスでライター(原作者)としてデビューした彼は渡米後
途中参加の「スワンプシング」を担当1話目で今までのストーリーを一旦畳み、
2話目で設定の根本からひっくり返す、という荒業を見せます。
(邦訳が出ている「サーガ・オブ・スワンプシング」はこの設定変更からの収録です)
イギリス時代から書かれていたファシズムに支配されるイギリスを舞台にした
謎のアナーキスト・Vの物語である「V・フォー・ヴェンデッタ」は
そのビジュアルイメージ(ガイ・フォークスの仮面)が現実のハッカー集団・アノニマスに引用されたり
「リーグ・オブ・レジェンド」として映画化された(本人は納得していませんが)
「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」は
ヴィクトリア朝時代の文学作品キャラたちがチームを組んで、
大英帝国を脅かす超常の存在と戦うという作品(文学作品への趣味の悪いジョーク含む)、
(他社からの出版ですが)ジョニー・デップ主演で映画化された「フロム・ヘル」は
切り裂きジャック事件の「真相」に衒学的な多大な情報量と、幻覚的な魔力で迫る作品です。

そして、アメリカンコミック史上最大の傑作と呼ばれる「ウォッチメン」。
ヒーローの登場によって歴史が変わったアメリカで起こった元ヒーローの殺人事件から始まった
戦争と平和、そして選択の物語は一部改編がありながらもほぼ原作に忠実に映画化され
(映画化までに権利関係での問題や幾度となく訪れる頓挫もあったのですが)
コミックも後に(ムーア無関係で)出た前日譚を含め、すべてが翻訳されています。
多大な情報量に重いストーリーとハードルの高い作品ではありますが
映画を見られた方は是非コミックのほうも手に取っていただきたいと思います。

あと、ムーア作品の世界に惹かれた方はこれら映画原作(すべて邦訳されています)に合わせて
バットマンとジョーカーの物語「バットマン:キリング・ジョーク」や
「創作」という「魔術」の物語である「プロメテア」なんかも読まれるといいのではないでしょうか。

以上、DC映画からのアメコミ入門・・・といいつつ後半はアラン・ムーア紹介になってしまいましたが
ぜひコミックの世界への入り口への手がかりにしていただければ、と思います。

次回はマーベル・DC以外の会社の映画化作品について書ければ、と思います。
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