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帰ってきたアメコミ入門 その2

2015-03-13 | 漫画
アメコミ入門、2回目です。

前回は「よくあるアメコミに関する疑問」に回答する形でお送りしましたが
今回のテーマは現在一番アメコミへの入り口になるであろう分野、映画です。

今回はまず快進撃を続けるマーベルからご紹介します。
(DC、その他は次回に・・・)

現在のマーベル作品の映画化は、大きく分けて3つのラインがあります。

まず、ディズニーグループ傘下となったマーベルスタジオが作る
「アベンジャーズ」を軸としたシリーズ・・・
こちらはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)と呼ばれており、
世界観を共有して、それぞれの映画やテレビドラマがつながっていくことが特徴です。

「なんか面白いらしいんだけど、どれを見ればいいの?」という方は
まずシリーズ1作目である「アイアンマン」から、をおすすめします。
シリーズ1作目、と肩を張らずに1本のアクションヒーロー映画としても面白いですし。
そしてもう1本は、シリーズで数えれば10本目になるけれど
今のところ他のシリーズとのかかわりが薄い、この記事を書いている段階での最新作
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。
「スターウォーズ」などのSFアクション映画好きにはたまらない作品として、
2014年のベストに挙げる人も多い作品でございます。

そして「面白かった」と思っていただければ、あとはシリーズを順番に追いかけていただけると
アベンジャーズ」、そして日本ではこの夏公開の「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」を
楽しく見て頂けるかと思います。

「映画を見たら、原作漫画が読んでみたくなったんだけど」という方におすすめなのが
ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウエポン」。
アベンジャーズメンバーで単独映画がないホークアイがどんなキャラなのか、を
(映画とはかなり違う部分もあるのですが・・・)楽しめる1冊です。

そして、第2のラインがソニーピクチャーズの「スパイダーマン」。
マーベルコミックスを代表する「等身大の」「悩める」ヒーローの物語は
サム・ライミ監督、トビー・マグワイヤ主演のシリーズが3本に
マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演で仕切り直された
「アメイジング・スパイダーマン」2作の計5本が作られています。

このシリーズが日本で一番興行収入を稼いでいるアメコミ映画になるのですが
それはやはりこの映画が「青春映画」であり「恋愛映画」であることも大きいと思うのです。
旧シリーズではメリー・ジェーン、新シリーズではグウェン・ステイシーというヒロインと
すれ違いながら愛を育んでいくという側面こそが、多くの人の共感を呼んでいるのかも・・・と。

そしてこのラインは、(アメイジング~シリーズの終了、というおまけもついてしまいましたが)
前述したMCUとの合流も発表されました。
原作コミックではすでにアベンジャーズの一員でもあるスパイダーマンが第3のシリーズでは
いったいどんな物語を歩んでいくのか、が楽しみです。

童貞臭いナードが超能力、そして自信を手に入れるとともに、責任を学ぶ物語である旧版に
いかにも現代っ子なイケメンが恋愛や父母の死の真相の悩みの中、痛みを学ぶアメイジング版、
どちらもお好みでどうぞ。

「原作を読んでみたい」という方におすすめの1冊は
恋愛ドラマとしての側面を強く持つ「スパイダーマン:ブルー」を。
できれば「アメイジング~2」を先に見た上で読んでほしい1冊ではありますが
人生の転機に二人の女性の間で揺れ動く、一人の男の物語として味わい深い1冊です。

第3のラインは20世紀FOX。
アメコミ映画の時代の始まりのきっかけになった「X-MEN」と
「ファンタスティック・フォー」の2シリーズを抱えております。

生まれ持った超能力によって差別されるミュータント。
人類との共生を目指す「恵まれし子らの学園」に集まった
ミュータントによって結成されたヒーローチーム、X-MENが戦うものは
超越者として人類を支配しようとする同朋や、ミュータントを滅ぼそうとする人類であり
その根底にある「差別」との戦いでもあります。

差別されたはぐれ者たちが仲間となっていく物語は
1~3までが作られた後、
メインメンバーである再生能力を持つタフガイ・ウルヴァリンの過去を描くスピンオフ、
X-MEN指導者であるプロフェッサーXとその親友にして宿敵・マグニートーの過去を描くシリーズ
ファースト・ジェネレーション」へと移行し
暗黒の未来を修正するための過去の戦いを描く「フューチャー&パスト」、
そして古代から生き続ける不死のミュータント・アポカリプスとの戦いを描く「アポカリプス」へと
続くことが予告されています。
一方、「3」の後に一人旅をするウルヴァリンが日本で戦う「ウルヴァリン:SAMURAI」という作品も。

また、予告されている新作としては再生能力を後天的に移植された「饒舌な傭兵」・・・
デッドプールを主人公にした映画も予定されております。
このデッドプールの特徴は、「自分自身がフィクションのキャラクターだということを知っている」
そして「読者(観客・プレイヤー)という存在を知っている」こと。
はたしてどういう映画になるのか、今から楽しみです。

一方の「ファンタスティック・フォー」はマーベルのヒーロー達のある意味元祖の存在であり
(第2次大戦後冷え込んでいたスーパーヒーローコミックを再興させた作品です)
宇宙放射線の力でゴム人間、岩石男、透明ガール、火炎人間となった4人が
時に喧嘩したりもしながら宇宙の平和を守り、後には家族となっていくという物語。
映画はこれまでに2作制作されており、2は原作でも人気のエピソードである
星を喰らう魔神・ギャラクタスとその先触れでありながら人間に触れたことで魔神に逆らう
高潔な宇宙人・シルバーサーファーのストーリーだったのですが、ここでシリーズは停止へ。
そして2015年(日本では秋)、キャストや設定を変えたリブート版1作目が公開予定となっております。

このラインはマーベル/ディズニー側とある意味対立する姿勢を見せており、
MCU路線との合流はない、X-MENとFFでクロスオーバーする展開をやろうと構想している、という点から
現在は映画化に合わせた原作側からの援護(宣伝など)が得られない、という状態の模様。
ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンは
「原作のアベンジャーズにウルヴァリンいるんだからアベンジャーズ出たいよ」と発言していたりもするのですが
今後ソニーの時のようなウルトラCが実現することがあるのか、も注目ポイントかもしれません。
(「X-MEN:フューチャー&パスト」と「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」で同じキャラクターが
 登場したりもしているのですが、設定が異なる別人、ということになっています)

そしておすすめの原作邦訳本としては・・・初めての人にはちょっと厳しい部分もあるかもしれないけど
日本でも売れに売れている「デッドプール」の翻訳版を映画の予習を兼ねて。
小学館集英社プロダクションから出ている3冊に関しては、
「マーク・ウィズ・ア・マウス」=長編(1冊で完結)
「スーサイド・キングス」=中編(スパイダーマンも出るよ)+短編1本
「デッド・ヘッド・リデンプション」=短編集 となっているので、お好みでどうぞ。

これらメイン以外にも、マーベル作品の映画化としては
「キックアス」(2まで)、「ゴーストライダー」(2まで)、「ブレイド」(3まで)、
「デアデビル」&スピンオフの「エレクトラ」、
「パニッシャー」(映画化3度)、「ハルク」(MCUと繋がらない旧版)、
「ハワード・ザ・ダック」などがありますが、これらもお好みでどうぞ。
「キックアス」に関しては邦訳本も出ております。

・・・あ、一つ大事な作品を忘れてた。
ディズニーアニメの「ベイマックス」。
あれもマーベル作品「ビッグヒーロー6」の映画化作品、でございます。

次回はDCとそれ以外の会社の映画化タイトルについて、の予定です。


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