アメコミ入門、4回目です。
前回がDC映画、前々回がマーベル映画、ときましたが
アメコミの出版社はこの2つだけではございません。
思ったよりも多くの出版社が、それぞれの持ち味を活かした作品を出し、
その持ち味を活かした映画化が行われているのです。
今回はそんなビッグ2以外の出版社作品の映画と、その関連邦訳作をご紹介。
まずは版権作品と作家性の強い作品の両輪で進むダークホース・コミックス社。
「エイリアン」「プレデター」「キャプテン・スーパーマーケット」などや
かつては「ゴジラ」「スターウォーズ」のコミック化権利を持っており、
「スターウォーズ」は小学館プロダクションからコミカライズ版に加え
外伝作品「シャドウズ・オブ・エンパイア」の邦訳も出ていました。
(現在は同じグループ会社になったマーベルに「スターウォーズ」のコミック化権は移動しています)
映画キャラクター同士を共演させた作品も作っており、
「エイリアンvsプレデター」はここのコミックが発祥であります。
そしてこの会社のもう一つの顔は、クリエイターの権利を活かすコミック会社。
設立当初から参加しているクリエイターの一人が、
マーベルでは「デアデビル」、DCでは「バットマン:ダークナイト・リターンズ」「イヤーワン」で
ひとつの時代を築いたフランク・ミラーです。
悪徳はびこる街でのハードボイルド・ストーリー「シン・シティ」、
絶望的な戦力差に立ち向かうバイオレンスギリシャ史劇「300」は
それぞれ映画シリーズ化され、邦訳(「シン・シティ」は全話完訳)もされております。
特に「シン・シティ」に関してはミラー本人が映画制作に参加していることもあり
恐ろしいまでの原作再現がなされているため、映画を気に入られたなら原作も、是非。
そしてもう一人の顔が、鮮烈な影の描写にここ日本でもファンが多い
マイク・ミニョーラの描く伝奇活劇「ヘルボーイ」。
ナチスに召喚され、アメリカ人に育てられた悪魔・ヘルボーイが
世界各地で怪異と戦いながら、己に秘められた世界の終末の鍵と向き合うこの物語も
ギレルモ・デル・トロ(「パシフィック・リム」)監督によって愛情あふれる実写化をされ
とくに2作目「ゴールデン・アーミー」は素晴らしいファンタジー作品となっております。
コミックも(原作の遅筆さを考えると)けっこうなペースで邦訳が出ている・・・んですが
出版社を渡り歩く形(小プロ→ジャイブ→ヴィレッジ)になった結果
現在第2部序盤がプレミア化している状態ではあります。
しかしそれでも現在第1部(コズミックホラー色が強い)はすべて邦訳で読むことができますし
第2部も後半の盛り上がりは邦訳で楽しむことができますので、ぜひこちらもどうぞ。
他にダークホース作品の映画化は「マスク」「バーブ・ワイヤー」等があるのですが
このあたりは邦訳コミックを探すのが大変(過去に雑誌形式で少し出たことが)なので
映画として楽しむのがいいと思います。特に現在ユニバースでのつながりはない(はず)だし。
最近の作品では「ゴースト・エージェント:R.I.P.D.」が映画、邦訳ともに出てますね。
続いて紹介するのは、90年代、グリム&グリッティ旋風吹き荒れる
アメコミバブルのまっただ中にマーベル・DCの人気作家たちが独立して設立、という
大ニュースとなった出版社、イメージ。
トッド・マクファーレン(スパイダーマン)、ジム・リー(X-MEN)などのスターが集まり
設立された出版社でございます。
しかし、スター集団の運命か、最初のメンバーたちの多くは離れ(ジム・リーはDCの経営陣に!)
設立当時から続いているタイトルは2作のみになりましたが
近年は作家性の高さと、相変わらずのバイオレンス描写が充実した作品で高い評価を受けております。
映画化作品はトッド・マクファーレンが産んだ
悪魔の尖兵に変えられた復讐鬼の物語「スポーン」と
傘下のトップカウスタジオから出されたマーク・ミラーによる
悪に支配された世界で平凡に生きてきた青年が殺し屋になっていく「ウォンテッド」。
あと、トップカウでは「トゥームレイダー」(原作はゲームです)のコミカライズも。
「スポーン」はかつて邦訳もされており、今でも古本で手に入ることが多いですが
後半になると部数が減ったからか若干入手難になる模様。
「ウォンテッド」は現在も普通に邦訳版が購入できるかと。
続いて紹介するのは、1999年設立の新興でありながら版権作品を多く担当し
現在業界4位の実力を持っているIDW。
「スタートレック」「ゴジラ」「猿の惑星」「30デイズ・オブ・ナイト」「シザーハンズ」
「トランスフォーマー」「ミュータント・タートルズ」「ゴーストバスターズ」
「マイ・リトル・ポニー」にディズニーキャラクター作品など
多くの版権コミックと、作家性の高いコミックを発行しています。
ダークホースと同じく版権作同士のクロスオーバーも行っており、
最近では「スタートレック/猿の惑星」を行いました。
邦訳作品については「トランスフォーマー」がかつてはJIVEから、
現在は小学館プロダクションからG1時代(最初のアニメ版)を舞台にした
「オール・ヘイル・メガトロン」が出版されております。
そして映画制作会社であるレジェンダリーが持っているコミック会社である
レジェンダリー・コミックス。こちらはイギリスの会社ではありますが
「パシフィック・リム」「ゴジラ」といった自社製作映画の前日譚(どちらも邦訳販売中)に加え
DCから内容の過激さが理由で発売されなかったフランク・ミラーの「ホーリー・テラー」が
(主人公の「耳」を外し、コスチュームの色を白に変えて)発売されております。
マーベル、DC以外の出版社にも多くの面白い作品があり、
それぞれ映像化もされている(映像化作品のコミカライズもあり)ことが
お分かりいただければ幸いです。
次回は最近活気の出てきたアメコミドラマ、あとTVアニメのお話もできれば。
前回がDC映画、前々回がマーベル映画、ときましたが
アメコミの出版社はこの2つだけではございません。
思ったよりも多くの出版社が、それぞれの持ち味を活かした作品を出し、
その持ち味を活かした映画化が行われているのです。
今回はそんなビッグ2以外の出版社作品の映画と、その関連邦訳作をご紹介。
まずは版権作品と作家性の強い作品の両輪で進むダークホース・コミックス社。
「エイリアン」「プレデター」「キャプテン・スーパーマーケット」などや
かつては「ゴジラ」「スターウォーズ」のコミック化権利を持っており、
「スターウォーズ」は小学館プロダクションからコミカライズ版に加え
外伝作品「シャドウズ・オブ・エンパイア」の邦訳も出ていました。
(現在は同じグループ会社になったマーベルに「スターウォーズ」のコミック化権は移動しています)
映画キャラクター同士を共演させた作品も作っており、
「エイリアンvsプレデター」はここのコミックが発祥であります。
そしてこの会社のもう一つの顔は、クリエイターの権利を活かすコミック会社。
設立当初から参加しているクリエイターの一人が、
マーベルでは「デアデビル」、DCでは「バットマン:ダークナイト・リターンズ」「イヤーワン」で
ひとつの時代を築いたフランク・ミラーです。
悪徳はびこる街でのハードボイルド・ストーリー「シン・シティ」、
絶望的な戦力差に立ち向かうバイオレンスギリシャ史劇「300」は
それぞれ映画シリーズ化され、邦訳(「シン・シティ」は全話完訳)もされております。
特に「シン・シティ」に関してはミラー本人が映画制作に参加していることもあり
恐ろしいまでの原作再現がなされているため、映画を気に入られたなら原作も、是非。
そしてもう一人の顔が、鮮烈な影の描写にここ日本でもファンが多い
マイク・ミニョーラの描く伝奇活劇「ヘルボーイ」。
ナチスに召喚され、アメリカ人に育てられた悪魔・ヘルボーイが
世界各地で怪異と戦いながら、己に秘められた世界の終末の鍵と向き合うこの物語も
ギレルモ・デル・トロ(「パシフィック・リム」)監督によって愛情あふれる実写化をされ
とくに2作目「ゴールデン・アーミー」は素晴らしいファンタジー作品となっております。
コミックも(原作の遅筆さを考えると)けっこうなペースで邦訳が出ている・・・んですが
出版社を渡り歩く形(小プロ→ジャイブ→ヴィレッジ)になった結果
現在第2部序盤がプレミア化している状態ではあります。
しかしそれでも現在第1部(コズミックホラー色が強い)はすべて邦訳で読むことができますし
第2部も後半の盛り上がりは邦訳で楽しむことができますので、ぜひこちらもどうぞ。
他にダークホース作品の映画化は「マスク」「バーブ・ワイヤー」等があるのですが
このあたりは邦訳コミックを探すのが大変(過去に雑誌形式で少し出たことが)なので
映画として楽しむのがいいと思います。特に現在ユニバースでのつながりはない(はず)だし。
最近の作品では「ゴースト・エージェント:R.I.P.D.」が映画、邦訳ともに出てますね。
続いて紹介するのは、90年代、グリム&グリッティ旋風吹き荒れる
アメコミバブルのまっただ中にマーベル・DCの人気作家たちが独立して設立、という
大ニュースとなった出版社、イメージ。
トッド・マクファーレン(スパイダーマン)、ジム・リー(X-MEN)などのスターが集まり
設立された出版社でございます。
しかし、スター集団の運命か、最初のメンバーたちの多くは離れ(ジム・リーはDCの経営陣に!)
設立当時から続いているタイトルは2作のみになりましたが
近年は作家性の高さと、相変わらずのバイオレンス描写が充実した作品で高い評価を受けております。
映画化作品はトッド・マクファーレンが産んだ
悪魔の尖兵に変えられた復讐鬼の物語「スポーン」と
傘下のトップカウスタジオから出されたマーク・ミラーによる
悪に支配された世界で平凡に生きてきた青年が殺し屋になっていく「ウォンテッド」。
あと、トップカウでは「トゥームレイダー」(原作はゲームです)のコミカライズも。
「スポーン」はかつて邦訳もされており、今でも古本で手に入ることが多いですが
後半になると部数が減ったからか若干入手難になる模様。
「ウォンテッド」は現在も普通に邦訳版が購入できるかと。
続いて紹介するのは、1999年設立の新興でありながら版権作品を多く担当し
現在業界4位の実力を持っているIDW。
「スタートレック」「ゴジラ」「猿の惑星」「30デイズ・オブ・ナイト」「シザーハンズ」
「トランスフォーマー」「ミュータント・タートルズ」「ゴーストバスターズ」
「マイ・リトル・ポニー」にディズニーキャラクター作品など
多くの版権コミックと、作家性の高いコミックを発行しています。
ダークホースと同じく版権作同士のクロスオーバーも行っており、
最近では「スタートレック/猿の惑星」を行いました。
邦訳作品については「トランスフォーマー」がかつてはJIVEから、
現在は小学館プロダクションからG1時代(最初のアニメ版)を舞台にした
「オール・ヘイル・メガトロン」が出版されております。
そして映画制作会社であるレジェンダリーが持っているコミック会社である
レジェンダリー・コミックス。こちらはイギリスの会社ではありますが
「パシフィック・リム」「ゴジラ」といった自社製作映画の前日譚(どちらも邦訳販売中)に加え
DCから内容の過激さが理由で発売されなかったフランク・ミラーの「ホーリー・テラー」が
(主人公の「耳」を外し、コスチュームの色を白に変えて)発売されております。
マーベル、DC以外の出版社にも多くの面白い作品があり、
それぞれ映像化もされている(映像化作品のコミカライズもあり)ことが
お分かりいただければ幸いです。
次回は最近活気の出てきたアメコミドラマ、あとTVアニメのお話もできれば。