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2015年アイズナー賞ノミネート

2015-04-23 | 漫画
アメリカのコミックの賞において一番権威ある賞である
アイズナー賞(正式名:The Will Eisner Comic Industry Awards)の
ノミネート作品が発表されておりました。

とりあえずはその中から邦訳が出てたりするものをちょこちょこと拾っていこうかと。

Best Short Story
短編ストーリー。
「バットマン:ブラック&ホワイト」の新シリーズとか
「アドベンチャー・オブ・スーパーマン」の1作とかがノミネートされてます。
Web漫画で読めるものもあるようなのでお時間のある方はどうぞ。

Best Single Issue (or One-Shot)
1冊完結のエピソード。
「アストロシティ」にマーベル75周年記念本、
さらにはグラント・モリソン版「ウォッチメン」といった趣の作品である
「マルチバーシティ:パックス・アメリカーナ」もノミネート。

Best Continuing Series
続き物シリーズ単位でのノミネート。
「アストロシティ」「ホークアイ」に「ウォーキング・デッド」といった
邦訳も出ているシリーズに、近日邦訳予定の「サーガ」もノミネートされています。

Best Limited Series
数話完結のミニシリーズ作品。
「デアデビル」に「サンドマン」、前述の「マルチバーシティ」に
「リトル・ニモ」の新作なんかもノミネート。

Best New Series
この1年で新しく始まったシリーズ。
「ロケット・ラクーン」に、初のイスラム系女子ヒーロー「Ms.マーベル」がノミネート。

Best Publication for Early Readers (up to age 7)
7歳までの幼児向け。日本で言えば幼児誌範囲?
ハローキティ40周年記念コミック
「Hello Kitty, Hello 40: A Celebration in 40 Stories」がノミネートされてます。

Best Publication for Kids (ages 8-12)
少年向け。日本で言えばコロコロの範囲かな?
「バットマン:リルゴッサム」に同じくDCのディフォルメキャラの「Tiny Titans」、
「リトル・ニモ」はこちらにもノミネート。

Best Publication for Teens (ages 13-17)
10代向け作品。日本だと少年誌範囲になるのかな。
いわゆる「ヒーローもの」とは外れた範囲の作品が多い印象
(ヒーローものの読者層はここより上の範囲を想定?)

Best Humor Publication
ギャグ要素が強い作品の賞。
「ロケット・ラクーン」にヴィランチームの悪戦苦闘を描いた「Superior Foes of Spider-Man」
ファンタジーギャグ漫画「Groo」と蛮勇コナンの共演作「Groo vs. Conan」もノミネート。

Best Digital/Web Comic
ネット上に公開されているコミック。
いろいろ読んでみるのもいいのでは。

Best Anthology
アンソロジー形式のコミック。
「リトル・ニモ」のアンソロジーも。

Best Reality-Based Work
実話をベースにしたコミック。
邦訳も出ている「ヒップホップ家系図」や
第一次大戦のコミックなどがノミネートされております。

Best Graphic Album―New
Best Graphic Album―Reprint
ハードカバー本の賞(新刊・復刊)

Best Archival Collection/Project―Strips (at least 20 years old)
20年以上前の作品の新聞漫画復刻版。
ウィンザー・マッケイ時代の「リトル・ニモ」や、
新聞漫画版「ターザン」「ムーミン」「ミッキーマウス」がノミネート。

Best Archival Collection/Project―Comic Books (at least 20 Years Old)
こちらはコミックブックの復刻版。
「ニック・フューリー:エージェント・オブ・シールド」の原画版や
ディズニーの「ドナルドダック」「アンクル・スクルージ」コミックの復刻がノミネート。

Best U.S. Edition of International Material
海外コミックのアメリカ版からの賞。主にフランスのBDから。
邦訳が出ているものでは「かわいい闇」「ブラックサッド」がノミネートされてます。

Best U.S. Edition of International Material―Asia
アジア圏のコミックのアメリカ版からの賞。今年はオール日本漫画です。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「脂肪という名の服を着て」
「マスターキートン」「ワンパンマン」「コミック昭和史」「おおかみこどもの雨と雪」の
バラエティに富んだノミネートになっています(安野モヨコ英訳されてるんだ・・・)

ここからはコミックタイトルでなくアーティストやスタッフの賞。

Best Writer
原作者。
グラント・モリソンやブライアン・K・ヴォーンがノミネートされております。

Best Writer/Artist
原作者兼アーティスト。日本での一般的な「漫画家」のイメージがここかな。
「ウサギ・ヨージンボー」のスタン・サカイがノミネート。

Best Penciller/Inker
絵を描く人。下書き/インク入れが分業の場合も多いです。
マイク・オールレッドを始め、これから邦訳で見られそうな名前も。

Best Painter/Multimedia Artist (interior art)
内部のアート担当。デジタル効果なども含むのかな。

Best Cover Artist
アメコミおなじみ表紙詐欺、ということで表紙だけ担当したアーティストの賞。
日本でもおなじみアレックス・ロスが「アストロシティ」でノミネート。

Best Coloring
彩色担当。彩色技術の違いはコミックの印象を大きく変えます。
「ヘルボーイ」のカラーを生み出したデイブ・スチュワートがノミネートされてます。

Best Lettering
コミックの書き文字担当。

Best Comics-Related Periodical/Journalism
雑誌、サイトなどコミックにまつわるジャーナリズムに贈られる賞。

Best Comics-Related Book
コミック評論本に贈られる賞。

Best Scholarly/Academic Work
コミックについて研究した論文に贈られる賞。

Best Publication Design
もっとも良いコミックブックのデザインに贈られる賞。

発表は7月10日(アメリカ時間)、サンディエゴコミックコンベンション会場で行われます。
日本でニュースになるのは
「Best U.S. Edition of International Material―Asia」の結果くらいだと思いますが
アメコミに興味がある方は少し注目しても面白いんじゃないかな、と思います。


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