麻薬と犯罪に覆われた魔都、ゴッサム。
バットマンがこの街の闇の守護者となって、2年。
ゴードンとの協力関係を築き、犯罪者たちに「怖れ」を植え付けることはできたが
まだその実力も不十分であった頃。
市長選の只中、現職の市長が何者かに殺害される。
現場には「嘘つき」の文字と、バットマン宛に残された謎かけ。
リドラーを名乗る犯罪者は、続々とゴッサムの有力者を手にかけていく。
そしてそのターゲットは、ついにブルース・ウェインへ…。
DCFUユニバースから新たに仕切りなおした単体作であり、
若きバットマン/ブルース・ウェインにロバート・パティンソン、
キャットウーマン/セリーナ・カイルにゾーイ・クラヴィッツを迎えた今作は
「探偵」としてのバットマンに焦点を当て、
ヴィランであるリドラーには現実の未解決連続殺人事件である「ゾディアック事件」の影響が。
3時間を超える作品ながらも、長さを感じさせない作品…というのは
最近のアメコミ映画のお約束的ともいえますが、ヒーロー共演作ではないバットマン単体で
ここまでの長い時間を満足感で満たす作品となっているのは、流石の力量を感じます。
バットマンのキャラ造形に影響を与えたのは「バットマン:エゴ」、
物語の大まかな骨子は「バットマン:ロング・ハロウィーン」から、と
(「ダークナイト」とは別側面が拾われていることに驚きました)
監督が発表していますが、映画を観た感覚としては「バットマン:ハッシュ」にも
似たものがあるなぁ、と感じたりもしましたが、
今作も正しく「バットマンのコミックが好きな人ならより一層楽しめる」バットマン映画であり
(「ビギンズ」以降全作でそう言ってる気がします。いい時代になったなぁ)
「まだ若いヒーローの成長譚」としても素晴らしい作品となっている映画でございます。
そして今現在世界中で起こっている様々な問題を反映した作品、としても。
…いつかはこのバットマンとスーパーマンの共演や、ジャスティスリーグ入りも見たい気がするけど
そこまではさすがに今のワーナーに期待はできないだろうなぁ…。