第一次世界大戦から70年。
冷戦構造の中でも、消費社会が爛熟の時を迎えた1984年。
店頭のテレビからは油田投資の勧誘CMが流れる中でも、事件は起こる。
ショッピングモール内での強盗事件。
逃走中パニックを起こした犯人が少女を人質にとった瞬間、「彼女」は現れた。
70年前より鮮やかな姿で、美しく、パワフルに犯罪者を制圧し、
警察に犯人を引き渡して消えていくワンダーウーマン。
その表の顔は、スミソニアン博物館の学芸員、ダイアナ。
そんな彼女が出会った、時代の空気にはそぐわないけれど
高い知識とやさしい心を持つ女性、バーバラ。
そのバーバラのもとに、強盗事件で盗まれた密輸品の鑑定が持ち込まれたことが
世界を揺るがす事件の始まりとなった…。
願いをかなえる石。
石の力で「なりたい自分」になるバーバラ。
そして「心からの願い」を叶えたダイアナ。
一方、詐欺まがいの油田投資が破綻寸前のビジネスマン、
マクスウェル・ロードもその石を狙っていた…。
コロナ禍でMCU作品を始め、多くの大作映画が延期/配信とされた今年。
その中でDC作品は「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」と
(度重なる延期にはなりましたが)今作が劇場公開となりました。
(アメコミ原作作品としては「ブラッド・ショット」(ヴァリアントコミックス作品)も公開)
監督は前作に引き続き、パティ・ジェンキンス、
脚本は監督とジェフ・ジョーンズ(「ドゥームズデイ・クロック」買いました。感想はいずれ)。
ガル・ガドットは相変わらず美しく、強さに説得力のあるダイアナを、
そして復活したトレバーをクリス・パインが続投。
今作のヴィランであるチーターを演じたのはコメディエンヌとして人気のクリステン・ウィグ
(女性キャスト版「ゴーストバスターズ」好きでした)
そしてマクスウェル・ロードにペドロ・パスカル(「マンダロリアン」)。
WWのアークヴィランであるチーターはともかく、マックスの登場は一部で
「本来宿敵でもなかったはずなのに、過去のイベントで印象的なシーンがあったからか?」と
物議をかもしていたりもしたわけですし、そこから映画の展開も想像していたわけですが…
ハーレイ映画と同じく派手さはあまりなく、重厚さも今後の展開への前フリ的なものもあまりなく
気軽に見られてあまり残らない作品、くらいの印象ではあるのですが、
ストーリーの根っこは今の時代だからこそ染み込んでくる作品だな、と思いました。