里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

除染区域の指定

2011年12月20日 | 政 治
19日に環境省は、
『福島第一原発から20km圏内の警戒区域と、線量が20mSv/年を超える計画的
 避難区域
11市町村については、国が直接除染する“除染特別地域”に指定し、

 東北・関東地方8県102市町村の地表から1mの所の、
 線量が0.23μSv/時以上の区域を対象に、国から除染の財政支援が受けられる
 “汚染状況重点調査地域”に指定し、来年1月以降に除染実施計画を策定する』
と発表した。
〔環境省が放射線量を0.23μSv/1時間に設定した根拠〕
自然界の放射線量+事故による追加被曝放射線量=0.04 + 0.19 (μSv/時)

1日の内で、屋外に8時間、遮へい効果(0.4倍)のある木造家屋内に16時間居る
と仮定して被曝放射線量を求めると、
0.19 ×(1.0×8 + 0.4×16)× 365≒999(μSv/年)≒1 (mSv/年) となり、
医療と自然由来を除いた一般の人の年間限度量1mSvをクリアーできる。

ところが、環境省が事前に市町村に指定を受けるかどうか打診したところ、
 ・除染計画を前倒しで策定している自治体がある一方で、
 ・「風評被害に拍車がかかる」「線量が高いのは山林で、市民生活に影響しない」
  として、指定を希望しない自治体も多いらしい。

市民や学者に「放射線量を下げるべきだ」という意見が多い一方で、風評被害を心
配して除染に及び腰の自治体が多いらしいのには驚いた。
汚染土の仮置き場の確保に困る、或いは山林の除染が難しい、などという技術的な
問題を議論するならともかく、「風評被害が心配」と言うのは如何なものだろう?

仮に線量が20mSv/年の地域があるとすれば、これから先も放射線による被曝が
続いて5年後には累積被曝線量が100mSvに達し、健康被害が懸念される事になら
ないのだろうか?
世の中には、
「除染や避難などにかかわるコスト負担を、どの程度の被曝まで我慢出来るか?」
比較して結論を出すという考え方もあるらしいが、例えそうだとしても、単に農業や
観光業に風評被害が出るから指定を受けないと言うのでは、何の利益も得られない
一般の市民は我慢を強いられるだけだ。

健康被害が懸念される地域は、これを機会に除染を行って放射線量を下げ、堂々と
データを発表して安全を訴えて行く方が国民の支持を得られるのではないだろうか?
風評被害を恐れてこのまま臭いものに蓋をしても、利益を得られる筈の農業者や観
光業者も健康被害を被る事になってしまう。