里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

オニバス(スイレン科、オニバス属)

2006年09月03日 | 山野草
近所の“猿股池”でオニバスが咲き始めた。
私の住む備後地方は、雨が少ない所で農業用のため池が多く、昔は至る所に
このオニバスが生育していたものだが、最近は殆ど目にしなくなった。

ため池は、秋には水が完全に抜かれ、村人総出で鯉やフナ、ウナギ等を獲った
もので、その際このオニバスの棘が刺さって痛い思いをしたものだが、今や遥か
昔の話となってしまった。
葉と(バン)若葉と蕾
上から見た花横から見た花

オニバス
本州、四国、九州のため池などで自生する一年草。
葉は直径が30cm~2mもあり、葉の表裏、葉柄、花には鋭い棘があり、触
ると非常に痛い。
花には、水上に葉の割りに小さく咲く(径)4cmの花と水中で閉じたままの
花があり、どちらも実をつけて繁殖するそうだ。
名前の由来は、ハスに似ていて全体に多くの棘がある事から“オニ…”と恐ろ
しげな名を付けられたそうだが、何とこのオニバスの茎や種子を食べる地方が
あると言うから人間の方がもっと恐ろしいと言う事か?

サワギキョウ(キキョウ科、ミゾカクシ属)

2006年09月02日 | 庭の山野草
つい忙しくしていたら、我が家のサワギキョウとサギソウが遅ればせながらで
はあるが、いつの間にか咲いていた。
今年の猛暑で少し痛んだものの、どうやら綺麗な花を見せてくれた。
この花達も殖やしていずれ山へ返す予定だ。
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サワギキョウ、葉(花)サワギキョウ、花の正面(横顔)

サギソウ(ラン科、ミズトンボ属)ミゾカクシ(キキョウ科、ミゾカクシ属)

サワギキョウ
全国で山地の湿地に自生する多年草。
名前の由来は、沢に咲くキキョウと言う意味で名付けられたが、
キキョウ(キキョウ科、キキョウ属)の花とは全く異なり、同属のミゾカクシ
の花に近い。
横溝正史の「悪魔の手毬歌」では“オショウヤゴロシ”とも呼ばれており、
ミゾカクシ共々有毒らしい。

サトイモ(サトイモ科、サトイモ属)の花

2006年09月01日 | 野 菜
先日、山からの帰りに久し振りに舅の所へ立ち寄ったが、相変わらず元気で何
よりであった。

話しているとサトイモの花が咲いていると言う。 永年サトイモを栽培してい
るが、ついぞ花など見た事がないので早速見に行った。
すると、残念ながらお世辞にも綺麗とは言えない花であったが、一見すると花
姿だけはカラーに良く似ていた。
それもその筈で、カラーの他、コンニャク、マムシグサ、ミズバショウ、ザゼ
ンソウ等もサトイモ科なのだそうだ。
調べて見ると、栽培している品種はなかなか花をつけないそうで、この花に出
会えた事はラッキーであった。

(平川、8月27日)
花と蕾

サトイモ
東南アジア原産で、日本へは大昔に渡来したらしい。
名前の由来は、ヤマイモ(山芋)に対して、田や畑で栽培されるので“里芋”
或いは“田芋”等と名付けられた。

左の画像で、中央に立っているのが花、折れて垂れ下げっているのが花を包ん
でいた仏炎苞。