里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

国立天文台 “岡山天体物理観測所” と 地蔵岩

2010年10月08日 | その他
セトウチホトトギスが自生している竹林寺山(標高:372m)の山頂には“国立天文台
があり、今は国内第3位の反射望遠鏡(径:188cm)があるそうだ。

駐車場を隔てた東側の隣接地には、径が3.8mの天体望遠鏡を建設する事が決定してい
るそうで、その望遠鏡を稼動させて旨く行けば、将来、径が30mの超巨大な天体望遠鏡
を建設するのだそうだ。
そうすると、日本の天体望遠鏡としては、ハワイのすばる望遠鏡(径:8.2m)や兵庫県の
なゆた望遠鏡(径:2m)を抜いてブッチギリのトップに躍り出るのだと言う!

それほどこの地方が天体観測に適している(つまり雨が少ない)為に、この竹林寺山の
更に北西にある阿部山(標高:397.7m)では、今から1000年以上も前の平安中期に、
あの陰陽師・安倍晴明が既に天文観測をしていたというから驚いてしまう!

という訳で以前から、嘗て安倍晴明が最適な観測地を求めて歩いたかもしれない一帯を
辿ってみたいと思っていたので、今回はそれに先立ち、先ず竹林寺山から阿部山へ向か
うルートの入口を確認する事にした。

そこで、先輩から駐車場の東端にある標識に従って地蔵岩へ向かうように聞いていたの
で、早速そのコースを下って行くと、到る所へ標識が立ててありあっけなく阿部山へ向か
うルートの入口が分ってしまった。

こうなると、もう地蔵岩へ行くしかない! 
更に下って行くと“地蔵岩ヤッホー公園”という愉快な名前の広場に出て、そこから
でかい地蔵岩が見えた。
この“地蔵岩”は流紋岩の一大露出で、高さ約45m・東西約50m・南北約120m・上部
の面積が約300㎡もあり、その形から“豆腐岩”と呼ばれ親しまれているそうだ。

更に進むと見晴らしの良い東屋を経て、小さなお堂に着いた。 その背後が地蔵岩で、
地蔵岩の岩窟には明治27年に恵掌上人が地蔵尊を安置し、それより日限地蔵(※)として
栄えたのだそうだ。 (※日を限って祈願すると願いが叶えられるといわれる地蔵菩薩)
嘗ては修験道の霊場として信仰されていたと言うが、このような大きな岩などには霊力
があると信じられていたのだろう。



セトウチホトトギス

2010年10月07日 | 山野草
Rohman さんが“セトウチホトトギス”の自生している場所を教えて下さったので、昨日
見学に行って来た。

最初に目についたのはこの花だが、花柱に斑点がなく、花弁の内側下部の黄斑も無い。 
どうやら“ヤマジノホトトギス”のようだ。

直ぐ傍に、お目当ての“セトウチホトトギス”があった!
Rohman さんに花の特徴を教わっていなかったら「ヤマジノホトトギスだ」と思って通
り過ぎていただろう。  初めて見た花で感動した!

それにしても、山で良く見かける“ヤマジノホトトギス”や“ヤマホトトギス”等と良
く似ているし、変異も多いようなので紛らわしい!
〔上段:ヤマジノホトトギス、下段:ヤマホトトギス〕

〔花の特徴〕
種   類花のつき方花弁の斑点花柱の斑点
セトウチホトトギス葉腋に1~数個   、花弁は水平に咲く紅紫色で蜜、喉は黄色紅紫色で蜜
ヤマジノホトトギス葉腋に1~2個   、花弁は水平に咲く紅紫色で少、喉の斑無班点はなし
ヤマホトトギス先端分枝し花数多い、花弁は反り返る紅紫色で疎、喉の斑無紅紫色で疎
ホトトギス葉腋に1~3個   、花弁は上向きに咲く紅紫色で蜜、喉は黄色紅紫色で蜜

 ※ヤマジノホトトギス:花は葉腋に着くのが普通だが、花期初期には茎の先に散房状
             の花序を着ける事がある。


遣新羅使

2010年10月05日 | 歴 史
10月3日の朝日新聞に“遣新羅使”が、旅の途中で福山に寄港した際に詠んだという
歌の歌碑の一つが、国道2号線の芦田川西詰めの西神島神社にあるというので見学に
行って来た。

〔西神島神社遠景〕
標高20mほどのこの丘は古来海上に浮かぶ
小島で、倭姫命が神鏡を献納する途中で一夜
を過ごしたという伝承や神功皇后の船が寄港
したという伝承から“かむしま”と呼ばれ、
後の“神島村”という地名となった。

元和(1615~1623)の頃まで8反帆船などが
出入りして港町として栄えたそうだ。
〔鳥 居〕

歌碑は鳥居の左側の常夜灯の奥側にあった。
〔歌碑〕
歌は、
「月よみの 光を清み神島の
 磯廻の浦ゆ 船出すわれは」
というもので、
「月の光が清らかなので、神島の磯が続く
 入り江から船出をするよ、私は」
という意味だそうだ。
〔歌碑の説明〕

この歌は天平8年(736年)に難波津より出航した遣新羅使が神島へ寄港した時に詠まれた歌だという。
この後、次の寄港地・糸崎の“長井の浦”を経て、苦労をして新羅へ辿り着いたものの、新羅では冷遇され、帰路には大使が病気で死ぬなど散々な旅だったそうだ
〔拝殿〕

丘の上には小さな八幡神社があった。
〔本殿〕

朝鮮半島の統一と遣新羅使(けんしらぎし)
・660年に唐の援軍を得て百済を滅ぼした新羅は、
・663年に白村江の戦いで百済・倭国連合軍を破り、
・668年に高句麗を滅ぼし、
・670~676年にかけて、旧百済領を占領していた唐を追い出し朝鮮半島をほぼ統一した。
 遣新羅使は、日本が新羅に派遣した使節で、特に668年以降の統一新羅に対して派遣
 されたものをいう。
・779年を最後に正規の遣新羅使は停止された。


ナギナタコウジュ

2010年10月02日 | 庭の山野草
ヤフオクで山野草を買った時に、オマケとして貰ったナギナタコウジュが咲き始めた。
派手さは無いが、花穂の片側だけへ小花をつける面白い形をしている。

シソ科だけにハッカのような爽快な香りがする一方で、少し不快な香りもする。 
花の時期に茎葉を乾燥させた生薬を“香薷”と呼ぶが、解熱・発汗・利尿などの効果が
あるそうだ。
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ナギナタコウジュ、薙刀香薷(シソ科、ナギナタコウジュ属)
日本各地で、比較的日当たりの良い野山の草むらや土手などに自生する1年草。
茎は四角で直立する。 草丈は30~60cm。
葉は対生し、有柄の長卵形で粗い鋸歯があり先は尖る。 全体に毛がある。
揉むと強い香りがする。
花期は9~10月で、茎の先端の弓なりの太い花穂の片側だけに、淡紫色で径が4mmの
筒形の小花をたくさんつける。
〔名前の由来〕
花穂の形が薙刀の刃の形に似ており、香りが中国の香薷に似ているので“薙刀香薷”と名
づけられたとか。