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映画『フランドル』を観る

2008-05-19 18:46:22 | 朗読あれこれ



これは心に突き刺さる反戦映画だ。

私はそう思いました。

戦争映画にありがちな大掛かりな撮影によってではなく、
登場する人々の行動と風景を静かに描くことによって
だんだん自分の心を見透かされていくような気がしてきて、
恐怖と悲しみが押し迫ってくるのです。

この映画と私たちのいる世界が、どれほど違うというんだろうーーー。
そんな気にさせられました。

あらゆる意味の“暴力”は、私たちの心の中に潜んでいる。きっと。
でもその暴力をふるっても、悲しみしか残らない。きっと。
それに早く気がつけばいいけれど、
傷つき傷つけられたあと悲しみは襲ってくる。

あ、これも私の感想ですが、ラストシーンには少し救われました。
監督が私たちに、人間が本来もつあたたかさを示してくれて
光を照らしてくれた、思いです。

どうかこの映画を、戦争を挟んで起こった「若者たちの悲喜こもごも」に
とどめないでください。