これは心に突き刺さる反戦映画だ。
私はそう思いました。
戦争映画にありがちな大掛かりな撮影によってではなく、
登場する人々の行動と風景を静かに描くことによって
だんだん自分の心を見透かされていくような気がしてきて、
恐怖と悲しみが押し迫ってくるのです。
この映画と私たちのいる世界が、どれほど違うというんだろうーーー。
そんな気にさせられました。
あらゆる意味の“暴力”は、私たちの心の中に潜んでいる。きっと。
でもその暴力をふるっても、悲しみしか残らない。きっと。
それに早く気がつけばいいけれど、
傷つき傷つけられたあと悲しみは襲ってくる。
あ、これも私の感想ですが、ラストシーンには少し救われました。
監督が私たちに、人間が本来もつあたたかさを示してくれて
光を照らしてくれた、思いです。
どうかこの映画を、戦争を挟んで起こった「若者たちの悲喜こもごも」に
とどめないでください。