ハスの葉の中の水がなんとイキイキしていることでしょう。ひと目ぼれです。作者は竹内栖鳳。上村松園の師です。熱海にあるMOA美術館で栖鳳の展覧会があると知り行ってきました。栖鳳の絵を改めて見るのは初めてです。でも私は以前から松園の大フアンでしたので、彼女の師の絵とはどのようなものなのか興味を持ったのです。そして一目ぼれ。
栖鳳の絵の「青」はとても魅力的に使われています。なんだか心が洗われるような青色です。
また、栖鳳は小動物や魚などを好んで描き、この絵のタイの目はまるで何かを語っているようでした。雀もよく題材にしていたようで、「チュン」と鳴く声が聞こえるように描かなければいけないと言っていたそうです。展示されていた作品数はさほど多くはありませんでしたがとても満足できました。
熱海にあるMOA美術館に来るのも初めてでした。そしてこちらも心地よい驚きでいっぱい。まず、入口に立つと駿河湾が見下ろせるのです。今日はあいにくの天気でしたが、晴れた日にはいかばかりか爽快な気分になることでしょう。建物そのものにも驚きが沢山詰まっています。上野の博物館や美術館に慣れた者にとっては、また違った美術館の楽しみ方を教えてもらった気分です。
MOA美術館は3点の国宝を所蔵しています。尾形光琳の紅白梅図屏風、野々村仁清の色絵藤花文茶壺、そして、奈良室町時代の手鑑です。今回は色絵藤花文茶壺を見ることができました。しっとりとした色合いがとても素晴らしい壺でした。紅白梅図屏風は年間60日しか展示できないため、梅の季節の時だけ展示するとのことでした。2月にまた来たいと思います。
暮れの慌ただしい中、今年1年の心の垢を落とそうと思い訪ねた美術館でしたが、思いがけず良い出会いがあり至福の時を過ごせました。
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