rosemary days

アロマテラピー、ハーブを中心にフィトテラピーあれこれ。自然療法全域とフィットネスについて。

『時をかける少女』~ラベンダーの降圧作用

2016-06-04 23:51:28 | 物語の中の植物と香り
私がこの本を最初に読んだ時は、まだラベンダーが日本でそんなに知られていなくて、いったいどんな花なんだろうと想いを馳せたものでした。後に原田知世の映画を観て小さな紫色の花だとはわかりましたが、どんな香りがするのかは謎でした。今では誰でも知っている花になりましたね。

原作はもとより、原田知世の映画、内田有紀のドラマ、細田守のアニメ、どれも面白かったです。それぞれ原作のテイストを生かしながら上手く味付けしてあると思います。このほかにも仲里依紗とかなっちとかいろんな女優さんが演じた作品もあるようなので、いずれ見てみたいです。

中学三年生の芳山和子は、ある日理科実験室で何者かが実験しているところに出くわし気絶してしまう。その後不思議な能力が備わり時間を遡ることができるようになる・・・

和子が実験室に入った時、そこにいたのは未来から来た少年。自分のいた時代に帰るためにタイムリープできる薬をラベンダーから作っていた。その時彼女はラベンダーの香りで貧血を起こしてしまうのです。

中学三年生の女の子はただでさえ鉄分不足になりがちです。しかもこの日は土曜日の放課後、給食もお弁当も食べないで居残り掃除をさせられたわけだから相当お腹もすいていたはず。貧血を起こすのはもってこいの状況です。

そのうえ、ラベンダーには降圧作用という血圧を下げる働きがあるのです。ラベンダーは高ぶった気持ちを沈めたり、痛みを和らげたり、炎症を鎮めたりとあらゆることをダウンさせるのです。だから低血圧気味の方は体調の良くない時は注意の必要な香りなんです。といっても私の周りにも低血圧傾向の方はたくさんいますが、体調が普通の時は特に問題はありませんから安心してください。

筒井康隆さんがラベンダーの知識をどれくらい持っていたのかはわかりませんが、バラではなく、ミントでもローズマリーでもなくラベンダーだったことがこのシーンにリアリティーを与えています。


時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店

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