新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

家の近くのむし探検 カシムネアブラムシ?

2019-12-12 21:17:44 | 家の近くのむし探検
家の近くのむし探検 第69


この間から、公園に生えているシラカシの幹についているアブラムシをめぐって、アリやハエが集まってくるのを見るのが楽しみで何度も足を運んでいます。5日はとうとう三脚にマクロスライダーを取り付けて持って行きました。



現場はこんなところです。シラカシの幹から若い枝が出ている根元に土の塊がくっついていてそこに白い虫が沢山います。これがどうやらムネアブラムシの仲間のカシムネアブラムシらしいことを先日知りました。この周辺にアリやハエが集まってきるので、それが面白くて通っています。実は、今日もこの公園に行ってきました。この写真はそのとき撮ったものです。



これはそのアブラムシを拡大したものです。下地は黒で、そこに白い綿のような、たぶん、ロウ物質がついています。



穴の中にもいっぱいいます。



体に大きな穴が開いているのは寄生されたものでしょう。以前、アブラムシにコマユバチ科アブラバチ亜科のAphidius属やAphelinus属のハチが寄生したマミーについて書いたことがあります。これもまさにそれなのでしょうね。





ところで、このアブラムシは平面状でなく凸型なので、焦点位置を変えるとピントの位置が変わり全体としてうまく撮れません。それで、ひょっとして深度合成ができるかもと思って移動ステージで焦点位置を少しずつ変え、フラッシュをたきながら撮ってみました。



これはそのまま撮ったものです。85mmのマクロレンズに焦点距離200mmのクローズアップレンズ3枚を重ねて撮りました。倍率はたぶん、3倍ちょっとだと思います。



カメラを移動させながら12枚を撮り、後で、CombineZPで合成した写真です。写真ではあまり分かりませんが、拡大すると違いがよく分かります。



これはそのうち1匹を拡大したものです。大まかにすべての場所でピントが合っているように見えます。このアブラムシには刺毛が生えていますが、その位置を矢印で示しました。次の論文はカシムネアブラムシ Dermaphis japonensisの記載論文ですが、そこに載っている外形図から刺毛の位置を比較することができます。

R. Takahashi, "Thoracaphis and some related new genera of Japan (Aphididae, Homoptera)", Insecta matsumurana 22, 7 (1958). (ここからダウンロードできます)

刺毛の位置はだいたい合っていそうですが、これだけだとカシルリアブラムシで良いのかどうか分かりません。やはり採集必須です。



黄矢印で示したものが眼かな。





その近くに来ていたアリを写したものです。たぶん、クロヤマアリではないかと思います。



アブラムシの近くに来て、蜜を狙っているようです。



最後はサクラの幹にいたイダテンチャタテでした。