気づけば3月も半ば
厳しい冬山もそろそろ終わりを迎える頃で
雪山は残雪期へと変わる。
今季の冬はアイスクライミングに打ち込みすぎてアルパインらしい厳冬の雪山にはあまり行けていない
アイスクライミングに魅了されて2シーズン目の今
自分の中で目標を立ていた
八ヶ岳連峰の三大氷瀑である
南沢大滝、摩利支天大滝、大同心大滝をリードにて完全登攀をする事である
南沢大滝は前に完全登攀を成し遂げたので残すは二つ
そして今日、昨シーズンは全く歯が立たなかった摩利支天大滝に挑戦した
軽くウォーミングアップを行い
摩利支天大滝にアックスを打ち込んだ
朝一の氷は固く脆い、打ち込む場所が悪いと大きく氷が剥がれ落ちるので見極めが重要となる
垂直に立った氷の壁に支点となるアイススクリューを打ち込む作業は至難の技で、高さと墜落の恐怖心からなる無駄な力みによる腕のパンプも、今までの練習の成果によってメンタル力と腕力の強化が実感できるほど向上していた
昨年の摩利支天大滝で振り落とされまくった事が懐かしく感じました
貸し切りの摩利支天大滝にて
無事に完全登攀をする事が出来ました。
その後はアクロバティックなラインで沢山遊び楽しみました。
その日の午後の事
2名の方がこの大滝に訪れた
私はその方達にラインを譲って交代した
そのパーティのリードが始まり数分後
ズドンっという音が滝に響いた
私は慌てて近寄った
どうも2ピン目の支点を越えた辺りでアックスが氷からすっぽ抜け4m程の高さから本人はホールしたようだ。
しかも運悪くロープにテンションが掛かる前に下部のコンクリートの様に固い氷盤に足からグランドホールしてしまい両足首から下ががあり得ない方向に向いていました。
被災者は両足首骨折の疑いで歩行不可能
幸い電波の届く所で救助要請を行い、薄暗くなりかけた3時間半後に8名の救助隊が駆け付けてくれた
救助方法は被災者を背負って急勾配の雪面や小滝をロワーダウンで下山していました
私も何か力になればと思いましたが救助隊が逞し過ぎて出る隙は無く被災者のザックだけをひたすら赤岳山荘まで運びました。
救助から4時間後無事に下山、その後は受け入れ先の病院も決まり一安心となりました。
今回の墜落事故を目の当たりにして
改めて自分を見つめ直す機会となり身を引き締めねばと強く感じました。
早いご回復をお祈りしております。
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