R.Life

The fishing is life itself !

2021.12.20 Ice climbing

2021-12-26 15:00:00 | Mountain

今年は例年にないほどの
冬らしい冬が訪れている様な気がする
山に入る者だけがそう感じるだけかもしれないが
ウィンタースポーツを楽しむ人にとっては
願ってもないことです
私もそう願う一人となっていた


そんな冬らしい冬が織りなす氷の芸術
「氷瀑」を登りに
人生初となるアイスクライミングを一泊二日で
楽しんできました

場所は南八ヶ岳の南面にある小沢で
一日目は峰の松目沢の南東沢
二日目はその西側を流れる
峰の松目沢の南西沢に訪れた
今回はちょっぴり贅沢をして八ヶ岳の山小屋
赤岳鉱泉の個室を一人贅沢に宿泊した
今回も単独のソロクライミングで挑戦してきました

それでは大自然が織りなす
自然の造形美をご覧下さい

赤岳から硫黄岳に延びる白い稜線が美しく
白銀の世界が眩く広がる


しばらく沢を登ると手始めにはちょうど良さげな
F2のお出ましだ
ここは簡単そうなのでフリーで登攀




今日の最終目的地
F8南東沢の核心です
氷はとても硬く、アックスを打ち込むと時に大きく氷が割れることもしばしある
分厚く硬い氷にも、質の違う場所や、氷の目があり
それを見分けるのがとても面白い


F8を含めると、ここまでに8つの滝があるのですが
小さな滝やナメ滝は雪が被ってしまい
知らぬ間に通過していたようだ

核心のF8で様々なルートを登り
アイスクライミングを沢山学んだ


今日のお宿、赤岳鉱泉


暖かく広い部屋で
濡れたギアもすぐに乾き一安心です


アーベントロートに焼ける峰々
高く聳える横岳や赤岳に崇めたてる同心の姿が
夕暮れ空に浮かんでいた


赤岳鉱泉といえばゴージャスな夕食
名物なステーキを堪能
白飯三杯をお供に完食、明日の力の源になりそうです


暖かい部屋からぼんやりと眺める星空
知らぬ間に夢の中に落ちていました


二日目は
峰の松目沢の南西沢に入った
昨日の沢より標高が少し低いからか
水量が多いからか分からないが
足元の薄い氷の下にはたっぷりと水が流れていて
全体的に氷の薄い箇所が目立った


この沢はしばらく人が入っていない様子
標高を増すごとに雪は深くなり
膝上ラッセルで突き進む
穴に落ちれば胸辺りまですっぽり雪に埋まる

二時間ほどせっせと雪山のような沢を登ると
それらしい氷瀑に行きついた
簡単な階段状から最後は垂直に落ちるバーチカル
ここはフリーで登ります


お次は、なかなか面白そうな氷柱
ここは支点を構築してロープを出しました



チョックストーンの氷瀑は
見るからに簡単そうなのでフリーで越える


南西沢のメインの氷瀑、ここは日当たり良好で暖かいクライミングが楽しめるが
その反面、氷瀑上部は氷が脆く薄い
アックス一撃で大きな穴が開いてしまいます
アイススクリューの支点場所探しに一苦労です


今回のソロシステムはこんな感じ、アンカー支点は21cmのアイススクリューをダブルで構築
氷の状況に応じて三箇所支点にて使い分ける
それにしてもソロクライミングは登攀器具が
必然的に多くなり、腰のハーネスが重たくなる
いざという緊急事態時には
一人で回避しなければならない単独山行なので
備えあれば憂いなしといったところです。



この美しい造形と白く雄大な峰々からなる
自然の神秘と偉大さに強く心をうたれた。


HARNESS
ARC’TERYX -AR-395a-
ROPE
Edelrid -swift protect Pro Dry-
8.9mm 50m
SHOSE
LA SPORTIVA -NEPAL CUBE GTX-
CRAMPON
PETZL -DART-
ICE AX
PETZL -QUARK-



2021.12.5 山眠るとき

2021-12-12 14:05:00 | Mountain

ザク、ザクと新雪の雪を踏み進み
キリッと張り詰めた空気に
息の上がった白い吐息の塊が
自分の背後に流れる
もう辺りはすっかり冬山の景色


今年の冬は去年とは違い
積雪の多い季節となりそうだ
楽しい雪山シーズンの到来です


今回は八ヶ岳一泊二日の山の旅
一日目は阿弥陀岳北稜を登り山頂へ登り詰める。
二日目は中山尾根を稜線まで登り詰める。
と言った内容で、いずれもバリエーションルートを単独登攀します
宿泊は行者小屋のテン場に幕営した


装備を整えて真っ白の樹林帯をかき分けて進む
フカフカの雪が周囲の音を吸収して
より一層静寂に包まれていた


暫く登った所でルートミスに気付き、急勾配の灌木帯をトラバースして北稜に向けて迂回していたが、無名の岩場にあたった
北稜の東側に伸びる岩壁でここを越えないとルートの復帰は出来ないようだ
岩肌は凍り付き、斜度はそこそこ強く、支点やボルトなどはある訳も無いが
意を決してロープを出し登攀を試みた


ソロならではのロープ回収の往復登攀になるので
予想以上に時間を費やしてしまったが
無事に登りきりルートに復帰した
メインの阿弥陀岳北稜の第一、第二岩峰は物足りない登攀に感じロープ無しのフリーにて登攀した


トレースの無い短いリッジを渡り


膝下程の新雪を楽しくかき分けて歩みを進める


しばし登ると、お地蔵様しか居ない
真っ白な阿弥陀岳山頂に到着です
束の間の休憩を挟み、お地蔵様に手を合わせて
中岳沢を下りテン場へと向かった


翌朝はとても冷え込んだ、雲ひとつない空だ
テント内に置いていた満タンのウォーターキャリーの水はカチカチに全て凍っていた


今日は積雪の中山尾根を単独登攀で挑戦します


トレースの無い樹林帯を抜けると
美しすぎる景色がパッと広がり
目の前には屹立した白い岩壁が現れます
リッジを渡り、凍りついた岩や氷にアックスを打ち込み登攀開始


今回のソロシステムは冬季仕様
ATCデバイスによるボディビレイで行った
低い所で何度か制動確保を試してみたが
頼りになりそうだ
しかし逆さまに墜落した場合はロープは止まることなく奈落の底だ
したがって自分とロープの位置流れを常に気を配らなければならない


今年の夏にここを登攀したが
雪と氷が着くと登攀グレードは更に増す
おまけにゴワゴワの手袋で、限られたホールドも持てたもんじゃない
全てアイゼンとアックスを頼るしかない



2ピッチ目直ぐの少し被ったスラブは
アックスの掛るポイントが少なく
結構面白かった


10時頃にようやく暖かい日差しが西の斜面を照らした
今日は昨日と打って変わって、風も穏やかで気持ちの良い天気です




何度も何度も登り返しを繰り返す毎に
リードとセカンドの恐怖心の違い
モチベーションの違いなどがよく分かる
最終ピッチの4ピッチ核心部の折返しはズルして、ハンドルアッセンダーにてスイスイと登り返して無事に完登した。




静まり返る威厳ある峰々
山眠る
その姿がただただ美しい。


camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

sub camera
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